#253|お弁当の保冷剤まわりで、熱の流れを整える|「こうなったら?」をかたちにしてみる【03_試作_74】
デザイン初心者の観察日記。
福祉に“美しさ”と“心地よさ”を備えるデザインを目指し、日々勉強中です。
道具に触れる手や身体の動きから浮かんだ
「こうなったら使いやすいかも?」を、
試しにかたちにしてみる練習です。
「試作」の画像は、正解を決めるためではなく、
次の観察を呼び込むきっかけとして置いています。
今日のテーマは
「お弁当の保冷剤」
検討編では、
①熱を受け取る面積を調整できる
②熱を受け取る向きが自然に決まる
③食品との距離を保ち続ける
という3つの支えを考えました。
今回は、それぞれの支えを『こうなったら?』
という視点から、かたちにしてみます。
【いざ試作】
①熱を受け取る面積を変えられる
保冷剤をお弁当箱へ
直接くっつけて置くのではなく、
食品側の一部にスライド式の窓を設けた
カバーへ収めるかたちを考えました。
窓の開く範囲を広くしたり
狭くしたりすることで、
保冷剤へ熱が伝わる速さに
差をつくれるのではないかと考えました。

熱の伝わり方をゆるやかにしたいときには、
開く範囲を小さく。
より広い面から熱を受け取りたいときには、
開く範囲を広く。
保冷剤自体は同じでも、
食品側に開く面積によって、
熱の伝わり方を調整できないかを考えました。
②熱を受け取る向きが自然に決まる
外気に近い側からは、
できるだけ余分な熱を受け取らず、
食品側からは必要な熱を受け取れるかたちを
考えました。
保冷剤の外気側は、
断熱性のある素材で覆う。
食品側は熱を受け取る面として、
下へ向けて開いておきます。

③熱を受け取りながら、結露も受け止める
保冷剤の食品側を、
薄い吸水性のシートで覆うかたちを考えました。
厚い布で包むのではなく、
保冷剤の表面へ密着する一層だけを設ける。
熱の伝わりを大きく妨げず、
生じた結露をその場で受け止めます。

結露問題
食品から熱をしっかり受け取ることと、
バッグの中へ水滴を広げないこと。
その両方をできるだけ保つための支えです。
【実装するとしたら?】
①スライド窓で開く面積を変える
実際につくるときには、
持ち運ぶ途中で窓が勝手に動かないよう、
小・中・大など、
数段階で止まるしくみが必要です。
カバーの縁で保冷剤を傷つけないことも大切。
どのくらい開けば必要な冷たさを保てるのかは、
同じ条件で温度の変化を比べながら確認が必要です。
②断熱面と食品側の向きをそろえる
外側を覆う素材には、薄い発泡材や
アルミ蒸着シートなどが考えられます。
食品側が自然に下を向くように、
下側を少し重くしたり、上面に丸みをつけ、
下面を平らにしたりする方法もありそうです。
ただ、バッグが傾いたときには、
重さだけで向きが戻るとは限りません。
表裏で手触りを変える、
反対向きでは収まりにくいガイドをつけるなど、
向きを間違えにくくする工夫も必要です。
③薄い吸水性のシートを重ねる
素材は吸収ポリマーよりも、
薄手のセルロース系不織布や吸水紙から
試すのがよさそうです。
厚くすると熱が伝わりにくくなるため、
保冷剤の表面へ密着する一層にする。
水分を吸ったあとにずれたり剥がれたり
しないかも、確かめる必要があります。
交換式にするのか、洗って繰り返し使うのか。
繊維が落ちないことや、
濡れたまま保管しないための扱い方も
考えたいです。
必要な冷たさは保ちながら、
一部だけの冷えすぎや、
バッグ内へ広がる水滴を減らせるか。
課題は多そうです!!
【✍️まとめ】
夏のお弁当の持ち運びに欠かせない保冷剤。
テイクアウト食品についてきた保冷剤を添えたら
パックが裂けてべとべとになってしまったり、
大きい保冷剤を添えたら
今度はごはんが硬くなりすぎてしまったり。
その体験から今回は、
保冷剤の性能自体を変えるのではなく、
そのまわりへ目を向けてみました。
食品側へ開く範囲を変えるスライド窓、
外気側と食品側の役割を分ける断熱面、
熱を妨げすぎず結露を受け止める
薄い吸水シートを考えました。
保冷剤を溶けにくくするのではなく、
必要な熱をしっかり受け取りながら、
熱の伝わり方や水滴の広がりを整える。
実装には温度変化や吸水量の確認が必要ですが、
目には見えない熱の流れも、
周辺のかたちによって支えられるのではないかと考えました。
今日も読んでいただき、ありがとうございます!
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