「2万で処女を売りました」バイセクシャルパパ活女子・アキラの場合(後編)【シリーズ・極貧ライター及川浩人の終われない青春】
ガチ潜入がモットーの実話系アラフォーライターが取材裏話をこっそりお届けする好評シリーズ。今回はボーイッシュなパパ活女子・アキラ後編をお送りする。(前編はこちら)
母の実家があるバンコクへ……
生活費を得るために現地で起業
キャバクラ通いをモチベーションに活動を続けるバイセクシャルパパ活女子のアキラ。他のパパ活女子と比べて特筆すべき個性を持つ彼女は毎月200万円ほど荒稼ぎしている。〝エリート〟パパ活女子と言って良い月収だ。
……エリート。
実際にアキラはエリートでもある。
正確には、元、エリートだけど。
「実は私、高専に通っていました。勉強は1位以外取ったことがないんです。だけど鬱になって中退しちゃって……」
要領を得た話しぶりからも、アキラが聡明な女性だということは何となくわかった。病気とは言え中退が悔やまれるが、その後の人生でも彼女はバイタリティーの高さを発揮する。
「私、父が日本人、母がタイ人のハーフなんです。中退後はしばらく母の実家があるバンコクで暮らすことにしたんです。とは言え、家賃はかからないけど生活費がなくて。親の支援は無理。当時、父は無職。お金がなかったのも中退の理由です。とにかく自力でお金を稼がないといけなくて。……そこで起業することにしたんです。仕事内容ですか? 雑貨屋です」
当時の彼女の年齢は17歳。日本のテレビなら〝スーパー高校生〟という触れ込みで特集されそうな話だ。アキラいわく事業自体は成功したとは言い難く、結果日本への帰国時に〝タダ同然〟で手放したという。が、その際のエピソードも凄い。
「18歳になったら日本に戻ろうと思っていたんです。だけど、帰国するのに必要なお金がまったくない状態で、……ネットでアポを取りまくりましたよ。「この人お金持ってそうだな~」「地位が高そうだな~」っていう雰囲気の男性に片っ端から「迎えに来てくれ」って。はい見ず知らずの人たちです。だけど結局助けに来てくれたのは、私と同じ鬱病の大学生。その人は私とメールしたり電話したりするのが癒しになっていて、まあ持ちつ持たれつです」
ちなみにアキラはその時アポを取ったIT系の社長の元で会社としても働いている。「超実力主義の会社で月収は60万。IT系の会社はそういうところが自由で良いですね」と語るアキラ。出版社への営業もまともにできていない私は、彼女の話を聞きながら笑顔を引きつらせることしかできなかった。私の半分ほどの年齢しか生きていない彼女と今後〝人生相談〟と言う名のパパ活をしようかな。無論、私が相談する側で。
「何事も笑顔が大切ですよ! それで世渡りできます!」
取材の最後に彼女から受けたアドバイス。その夜、私は自宅の姿見でひらすら笑顔を練習をした。口角の上げる度に、私の鼻からにょきっと鼻毛が飛び出した。
元暴走族の男に有り金を奪われて
初・パパ活で処女を2万で売る
ただし、アキラもパパ活をはじめた頃は手痛い洗礼を受けている。
彼女は処女を2万円で売っている。
「帰国後はとりあえず何かアルバイトをしようと思っていたんです。だけど鬱がまた悪化してほぼ寝たきりの状態になっちゃって。パパ活という選択肢は頭にありました」
フルタイムで働くことができない女性にとって、短時間で高収入を得られるパパ活は悲しい話ではあるが有力な選択肢になるのだろう。ただ、彼女が実際に活動をはじめるまでには、〝シーズンゼロ〟がある。
「とりあえずアイフォンでも売ろうかなと思っていた時に、ネットで交流していた男性と遊びに行ったんです。その人も私と同じで鬱病を患っている人なんですけど、会ってみるとかなり柄の悪い人で。背中にはびっしり彫り物。元・暴走族って言っていました。私、未成年だけどお酒飲んでフラフラになっちゃって。それでホテルに連れ込まれて。豹変した彼がすごく怖かったです」
まだ処女だったアキラは「挿入させろ」と迫るその男をどうにかなだめてコンビニで煙草をワンカートン買うことで手打ちとなる。彼女が金銭的に負担をするという不条理はこの際置いておこう。これがただでさえ金欠の彼女にとって大きな打撃となった。さらに……。
「煙草をモバイルSuicaで手っ取り早く支払ったせいで、その時財布からお金が抜かれていることに気付かなかったんです。買った煙草を渡した瞬間に、その人がダッシュで逃げ出したので嫌な予感がしたんですよね。……全財産が奪われていました。次の日の夜にはネットでパパ活相手を探していました。はい、2万で処女を売りました。」
そんな経緯がありながらも、アキラはパパ活を「お金もそうだけど、色んな人と会っているうちに鬱が段々緩和して行ったりして感謝しています。お互いにWin-Winならそれで良いんじゃないですか」と前向きに捉えている。彼女はまだ19歳。どんな大人になるのだろう。アキラのここまでの人生の歩みは、偉人の若い時代のエピソードのようにも聞こえる。が、それ以上に何だか生き急いでいるような印象を私は受けた。
著者プロフィール
及川浩人(おいかわ・ひろと)
1988年生まれ、北海道出身。文学と音楽を愛する極貧ライター。ペンネームの由来は甲本ヒロトから。『EXCITING MAX ! DELUXE』(文友舎)にて『君たちはどうイキているのか』連載中。執筆依頼、取材のご相談、激励のお便りはX@@oihiroto1988宛DMお送りくださいませ。
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