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ドラクエ以前の日本のRPG豊穣の時代をなかったことにするな! 『RPG超特集』(ログイン 1986年4月号・なんと68ページ)

 こんな本を読んだ。

 ようするに今のゲームメディアが流布している「国産RPGは『ドラゴンクエスト』と『ファイナルファンタジー』が本流で、その元ネタは『Ultima』と『Wizardry』によるもの」という捏造史観を流布する本だ。
 いい加減ウンザリする。
 そもそも『ドラゴンクエスト』がファミリーコンピューターで発売された1986年5月27日がどういう時代か? という事をはっきり言っておくが、『LOGIN』も『コンプティーク』も『テクノポリス』も『POPCOM』もそれぞれ何万部も売り上げていた全盛期であり、もう各紙で何度も何度も「RPG特集」が組まれていたぐらいのPC88-98でのRPG全盛期である。
 特に以下の三作はいずれも前作のヒットを受けての続編であり、発売前から記事で取り上げられ各ゲーム紙のトップチャートを独占して、攻略記事も一年以上続くような大ヒットなる。

・『ザナドゥ』(1985年11月3日発売)(『ドラゴンスレイヤーⅡ』という位置づけ)
・『ハイドライド2』(1985年12月13日発売)
・『夢幻の心臓Ⅱ』(1985年11月発売)

 ここで大事なのは「いずれも続編だ」ということだ、すなわちゲームがシリーズ化するほどのヒット作であり、実際にこの「Ⅱ」たちはシリーズナンバー1の売り上げを誇っている。
 この時期ははっきりと「国産PCゲーム全盛期」であり、『LOGIN』、『コンプティーク』、『テクノポリス』、『POPCOM』などのPCゲーム雑誌の黄金時代と言っても良く、全国の毎月8日にはパソコンを持っていないオタク(気質のある少年たち)たちがこれらの雑誌を買い漁っていた時代だ。
 当時小学生だった私もその熱気ははっきり覚えている。
『週刊少年ジャンプ』の次に夢中になった雑誌がこれらだ、といえば当時の熱気はわかっていただけるだろうか?
 確かに当時のパソコンは廉価機種でもディスプレイ合わせても3-40万円はしていた時代であり、パソコンは子どものおもちゃにはしにくい時代であったのは確かだ。
 しかし一方でオフィスのOA化が進んでいた時代でもあり、私のように「子どもの将来のために」パソコンを買ってもらった家も少なくはないという景気の良かった時代であり(バブル前で新築一戸建てが水戸の田舎にもバンバン建設されまくっていた時代だ)、また親がPCを持っていたり、近くの会社や学校に導入されつつあったパソコンに「ゲームディスクだけ持ち込んで」遊んでいたり、さらには私なども記憶にあるが「近くの電気屋やパソコンショップ」に中高生が集まってショップの備え付けのパソコンでゲームに夢中になっていた時代である。
 実際、初期の日本ファルコムやハドソンなど、名だたるソフトハウスが「もともとは電気屋やパソコンショップで、そこにあったパソコン目当てに中高生が集まってゲームを遊び、ゲームを作り初めて商売になった」という時代なのだ。
 確かにパソコンを「個人所有している子供」自体は少なかったが、「これからはコンピューターの時代だ!」という勢いで会社や学校や電気屋やパソコンシップなどで「パソコンゲームを遊ぶ手段」自体は、普及台数以上にあった時代なのである。
 だから、『LOGIN』、『コンプティーク』、『テクノポリス』、『POPCOM』などが全国の書店に並んで何万部も売り上げていたし、小学生のわたしも毎月買っていたぐらいの勢いがあったのだ。
 そういって「数字には残っていないゲームユーザー」が土壌として存在していたからこそのファミコンブームであり、パソコンショップ上がりのソフトハウスの層の分厚さであり、エニックスもスクウェアももともとはPCゲームのメーカーとして大きくなっていったのである。
 どうにも、そういう歴史を無視して、ファミコンブーム! ゲームメーカーが多数設立! エニックスからドラクエ! スクウェアからFF! というような「国産PC88-98市場の豊穣さ」を無視した偽史がまかり通るのである。
 まあ、その方が本が売れるんだろうけどな……😩
 当時の雰囲気を感じていただきたいので、多分LOGIN誌上でももっともやけくそ気味な特集『RPG超特集』を掲載する。
 なにが凄まじいかって、特集が68ページ(4折越えである)あるだけでなく、この号のLOGINのページ数はなんと500ページ越え(505ページ)である。

 1986年3月8発売の『ドラゴンクエスト』発売半年以上前に、これだけの熱気が「国産RPG」には向けられていたのである。もちろん、『コンプティーク』や『POPCOM』や『テクノポリス』も鼻血出るぐらい国産RPGの記事まみれである。

 ムカついたので68ページ掲載する。

「特集」だけで目次つきである(本誌の目次も別にある)
目次だけでも当時の熱気がうかがえる

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