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「何でもできます」が、いちばん困る

面接をしていると、ときどき言われる。

「何でもやります」
「特にこだわりはありません」
「必要なことは何でも対応できます」

前向きで、ありがたい言葉ではある。

ただ、人事としては少し困る。
本当に何でもいいのかな、と思うからだ。

採用する側としては、できるだけ長く働いてほしい。

だから、本人が何をしたいのか。
何が得意なのか。
逆に、何が苦手なのか。

そこは、できれば知っておきたい。

でも、
「何でも大丈夫です」
と言われると、こちらも少し探りにいくことになる。

営業でも大丈夫ですか。
事務でも大丈夫ですか。
異動も大丈夫ですか。
繁忙期も大丈夫ですか。
転勤はどうですか。

聞けば聞くほど、
「はい、大丈夫です」
と返ってくる。

すごい。

本当に全部大丈夫なら、かなり心強い。
でも、たぶん人には何かしらある。

苦手なこと。
避けたいこと。
大事にしたいこと。
働くうえで譲れないこと。

そこを無理にきれいに見せなくてもいいのにな、と思う。

採用では、どうしても「よく見せたい」が働く。

企業側も同じである。

こちらも求人票では、なるべく良く見せたい。

面接では、いい会社だと思ってもらいたい。

だから、お互い少しずつ背伸びをする。

でも、その背伸びが大きすぎると、入社後にしんどくなる。

「思っていた仕事と違った」
「そんな話は聞いていなかった」

そうなると、本人にも会社にもあまり良くない。

だから最近は、
「できないことがあっても大丈夫ですよ」
と、なるべく先に伝えるようにしている。

もちろん、何でも正直に言えばいいという話でもない。
面接なので、多少の緊張もあるし、言葉を選ぶのも普通だと思う。

ただ、採用は“完璧な人”を探す場ではない。
その人が、どこなら力を出しやすいのか。
そこをお互いに探す場なんじゃないかと思う。

なので「何でもできます」と言われたら、少しだけ聞き直す。

「逆に、あまりやりたくないことってありますか?」

そのとき出てくる答えのほうが、その人らしかったりする。


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