減塩をつづけてきたことで甘さにも敏感になれた
はじめに
CKD(慢性腎臓病)による食事療法で医師と管理栄養士から生涯の減塩をすすめられ、実行してきた。かれこれ26年ちかくCKDのステージはG2程度で安定。その結果、あらわれてきたからだの反応について。
腎臓への負担をかるくするため(高血圧を避ける)の減塩だが、ほかの味覚も敏感になるとは。
減塩と減タンパク質そのものは
健康な方とちがいCKD(慢性腎臓病)の患者の場合、減塩そのものは以前から高血圧をある程度ふせぎ、腎臓の機能を温存する目的からその効果が広範囲の調査からあきらか。
たとえば、Cochraneに掲載されている2021年6月の報文によると、
減塩によりこうしたCKDの患者は、最近の19の試験で収縮期/拡張期血圧は-6.91/-3.91mmHg減少することが知られている。(前後の文を省略し日本語訳、原文は英語)
Review
24 June 2021
https://www.cochranelibrary.com/cdsr/doi/10.1002/14651858.CD010070.pub3/full/ja?contentLanguage=ja
食事療法の最初のころはとまどったが、数か月後にはむしろこのほうがおいしいとさえ感じるほどに。家族には減塩の点では協力をもらう結果となる。家族が多少あじをつけて食べたいときには調味料などで調節してもらう。
さむくなると下の血圧(拡張期血圧)があがりはじめる。その時期には2年前から血圧を下げるくすりを飲む。担当の薬剤師のはなしによれば、血圧を把握できさえすれば(あくまでも安定しているわたしの症状の場合にかぎり)そのように調節しながら飲んでよいとのこと。下げすぎやどうきやめまいなどの副作用があるため。
タンパク質もへらす
わたしの食事療法にはもうひとつある。減塩と同時に低タンパク質食。1日に45~50グラムの制限。体重1kgあたり0.8~1グラム(日本腎臓学会のガイドライン )。これは減タンパク質のレベルではかるいほう。
現時点でステージG2だがG3にそなえていまから慣れておこうと20年そのまま。これは中程度の体格の健康女性の摂取量とさほどかわらない。したがってこちらも家族とおなじ食事でよい。ふだんからうすあじの食事を摂られるかたにはあとすこしの調整ですむことすらある。
最近は年齢を重ねつつあるので、健康なかたでも筋肉量が落ちやすい。そこで担当医のはなしではわたしの場合、長年症状が安定しているので、多少タンパク質を摂ってもかまわない、むしろ筋力の低下に気をつけてとアドバイスをいただく。
メリットがふえた
これだけながくつづけられるとは思ってもみなかった。周囲のおかげと感謝している。いちばんメリットとして感じているのは、ほかの生活習慣病への対処も結果的にどうじにおこなえていること。いずれも進行するととりかえしがきかない。
わたしの患っている糸球体腎炎はCKDのなかでもっとも多いタイプ。したがってこうしたCKDの食事療法のうちもっともごくふつうの方法でいい。ところがべつのタイプではさらに糖質をおさえるなど加味される場合がある。食事ももっとくふうがもとめられる。
メリットはもうひとつ。ほかの味にも敏感になりつつあること。とくに甘味。たいていの市販のお菓子はあまさが半分以下でちょうどいい。そのままではあまい。
いまグラノーラを朝食にときどき摂る。すると「甘さひかえめ」の表示つきの商品ですらわたしにはあまい。そこで甘味のないべつのオートミールを同量くわえて食べている。これであまみを抑えられる。
手づくりのお菓子をネット上のレシピを利用させてもらいつくる。たいてい砂糖の分量を大幅にへらしてもおいしい。砂糖の消費量がごくすくないので、せっかく買うならと精製度の低い黒糖や三温糖をつかう。あじがまろやかでおいしい。
デメリットとは
しいてデメリットをあげるとすれば、極端なジャンクフードやかたよった栄養素ばかりの外食がむずかしいこと。たとえば最初のころうっかり1度だけ家族にたべさせようと行った焼肉屋。わたしは肉片1,2きれ。たれは1滴。下味がついている場合にはお湯で落としてから焼いて食べる。
上の記述でおわかりのとおり、1きれ1,000円で、しかもお湯で洗ってから焼く。おいしいはずはない。だったら足が遠のく。すでに四半世紀行っていない。魚だとさしみでふたきれがやっと。しょうゆはスプレーする程度。3きれめをとってしまうと、前後の食事でそのぶんタンパク質を半分にへらす。
したがって外食の場合には肉魚中心のところは避ける。野菜の多いもの、味がうすくてもおいしくたべられるものを中心にえらぶ。そばやうどんなどしかない店の場合にはだしを2~3倍に湯でうすめてもらう。
さらにわかりやすくいうと健康な方の食事の肉魚豆などをほぼ半分にすればいい。
したがってわが家で食べるほうがはるかに低コストでおいしく、外食の機会はほとんどない。
おわりに
昨今の世界的な病の状況下にあって、基礎疾患もちとして家庭でこもる生活をつづけている。食事の面でこうした生活は食事療法をつづけているわが身にとってはうってつけ。
やっと時代のほうが追いついてきた感じ。外食の機会がなくてもしごとや生活ができる。この30年のあいだの食事をほぼかえないで維持できている。
