「自己肯定感は高くないとダメなのか」の読書感想文|時空ラボ
いつの間にか浸透していた「自己肯定感」という言葉。
私が生徒・学生だったころ、この考え方は(たぶん)存在しませんでした。
いまや、そんな自分ですら「自己肯定感って大事だよな」とふんわり思っていたのですが、本書の「自己肯定感は高くないとダメなのか」というタイトルがそのマインドを変えるきっかけになりました。
◎個人的な評価
★★★☆☆
若者向けの書籍でしたが、「自己肯定感」という言葉に違和感を感じたら手に取ってみるといいでしょう。直球のタイトルがとても秀逸ですね。
◎「自己肯定感は高くないとダメなのか」の紹介
本書にとって50代の私は想定外の読者でしょう、「自己肯定感は高くないとダメなのか」を読んでも、そこまで心には刺さりませんでした。
それでも紹介したく思ったのは、自己肯定感を高める意義を問われたことに発見があったからです。
そもそも自己肯定感って何なのでしょうね。
この言葉は曖昧な指標に思われますが、実は統計結果があり、欧米諸国と比べると日本人の自己肯定感は低いそうです。
(あまり驚きはないかも?)
そして世の中は自己肯定感の低さを問題視していて、若者は「自己肯定感を高めなければ」と思い、周囲の先生や両親も「(若者の)自己肯定感を高めなければ」と考えるようになりました。
◎「自己肯定感は高くないとダメなのか」の感想
本書は諸外国と日本の文化的な土壌の違い、測定方法、ほめることの効果について考察する中で、自己肯定感が低いという言葉を向上心が高いという意味に捉えることを勧めています。
実際のところ「自己肯定感↓」=「向上心↑」という言い換えは、それほど的外れではなさそうです。
「自己肯定感が低い」というと聞こえはよくないですが、今の自分に満足していたら(自己肯定感が高かったら)、そこで成長が止まってしまいますしね。
ただ本音をいうと、上記の解釈は単純化し過ぎな気もするのですが……。
◎「自己肯定感は高くないとダメなのか」を深掘りしてみる
ここからは私の個人的な話です。
自己肯定感というワードに対し、何となく「自己否定感」という言葉を思いつきました。
私は高校時代、ほどほどの成績で、部活動には一応参加し、友だちは少な目で、クラスでは孤立しがち、体育が嫌い、積極的に人と会話するのは苦手といった感じの生徒でした。
まあ突出したところはなく、平凡そうではありますが、その内面は自分でも持て余すほどの強烈な「自己否定感」にさいなまされていたのです。
周囲は楽しく学校生活を送っている中、なぜ自分は楽しめないのか、打ち解けられないのか、引っ込み思案なのか……。
いまの自分なら、もっと折り合いをつけられたんですけどね。
そんな高校時代に、もし自己肯定感という言葉が存在していたら、私にとって苦しむ材料が増えてしまい、より辛かったかもしれません。
なんで自分には、自己肯定感がないんだろう……とか。
自己肯定感という優しいワードは、きっと、それを真正面から吸収できる(図太い?)性格の人ほど養分にして、どんどん自己を肥大化させるものでしょう。
私には「自己否定感を減らそう」くらいの言葉が、ちょうど受け止めやすいように思えました。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
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