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瀕死のフジテレビ 悪ノリ体質の原因は「オレたちひょうきん族」?

実は私はテレビっ子

80年代、私は本当にテレビっ子でした。

特に土曜日はパラダイス。17時30分からテレビカーニバルの始まりですよ。この時間のサンライズ系ロボットアニメ、(天才クイズに浮気のケースも)、18時から東映戦隊、18時半からタツノコ系アニメ、19時からまんが日本昔ばなし、19時半からクイズダービーorあばれはっちゃくという流れ。

そして20時が重要。いわゆる「土8戦争」です。
土8戦争とはTBS『8時だョ!全員集合』とフジテレビ『オレたちひょうきん族』の超人気番組の視聴率バトルですね。どちらもすごい番組だったことはいうまでもありません。

全員集合で志村けんさんが「カラスなぜ泣くのカラスの勝手でしょ」と歌うと月曜日朝の集団登校ではそこいらで「カラスの勝手でしょ」の大合唱でした。エンディングまであっという間。

ところが1981年、土曜日8時にモンスターが登場するわけです。それがフジテレビの『オレたちひょうきん族』。
ビートたけし、明石家さんま、島田紳助、当時の漫才ブームで活躍した芸人を中心にアドリブ、内輪ウケ、業界パロディなどを多用。全員集合とはまた異なる制作スタイルでした。

番組スタッフもスポットライト

またひょうきん族の特徴として番組スタッフが表に出てきたことです。2代目プロデューサー・三宅恵介氏が「三宅デタガリ恵介」としてひょうきんディレクターズを結成。レコードまで出ました。

それからエンディングの「ひょうきん懺悔室」。これも名コーナーでした。番組プロデューサーの横澤彪氏が神父に扮してNGを出した出演者が反省が足りないと上から水がかけられるという演出。

裁定が下る時のBGMが『宇宙刑事ギャバン』の変身シーンのもの。こういうところの演出も面白かったですね。

時折、芸人ではなくてスタッフが懺悔の対象になることもありましたが、なんと今の日枝久会長が水をかぶったことも。今やマスコミ業界のドンだから隔世の感があります。全員集合でスタッフが前に出てくるということは皆無。予定調和の笑いの全員集合、ハプニングのひょうきん族といったところでしょう。

たけしさんにいじられていました。

私はもうひょうきん族が始まると全員集合から抜けました。そりゃもう笑いのスタイルがまるで異質で刺激的。

まあしかしこれも面白いもので1984年に全員集合が終了しますが、その頃になりますとひょうきん族も私は食傷気味。

1986年、『加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ』が始まると今度はこちらに乗り換えました。これが土8戦争ですね。ひょうきん族終了後はしばらくフジテレビは迷走しますが、1990年から『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』、1996年から『めちゃ×2イケてるッ!』といったお笑い番組を成功させます。

当時の感覚。あくまで当時の感覚ですが、たけしさんやさんまさんが制作者をいじるのは確かに面白かったんですよ。なんというか自分もその笑いの世界に混じれた感じがしました。

ただ後年、よく考察される通り、テレビの中を視聴者に見せるという手法はテレビ業界にとって好影響だったとは思えません。テレビのミステリアス部分が失われました。

またテレビの「中の人」が表に出ることでまるで自身も芸能人側として錯覚してしまう。これが悪ノリを生みまた引いては芸能人との一線を越えた関係を生んだのではないでしょうか。

『オレたちひょうきん族』は間違いなく人生でみたテレビ番組のうち最高傑作の一つです。しかしフジテレビ、というよりもテレビ業界全体に蔓延する悪ノリの発端がひょうきん族だったとすればとても残念なことです。



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