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舌が憶えている「50年前の焼豚(やきぶた)」の味~記憶のフシギ~

東京は練馬区、氷川台(ひかわだい)


今では東京メトロが開通して、池袋まで10分、有楽町まで25分と、めちゃくちゃ交通の便が良くなりました。

が、今から50年前ぐらい遡りますと、

「何もない」街でした。


正確には「モンシロチョウがテフテフと舞う、キャベツ畑しか無い」街でした。
野原はありました。
野良犬も結構いて、怖かった。
エロ本自販機、多数ございました。
ポッカ珈琲の自販機、ぽつんとございました。

そんな氷川台近くに「南町スーパー」なる、「掘っ立て小屋風の個人商店が寄せ集まった、今でいえばスーパー風」の商業施設がありました。

街のお肉屋さん


その一角に、お肉屋さんが。
昔はいずれこの街にもあった、
・ガラスのショーケースにお肉が並んでいる
・パックにはなっていない
・店主は小太りか大太り
・エプロンは汚れ気味

焼豚やきぶた


そんなお肉屋さんで、いつも買っていたのは「焼豚(やきぶた)」
チャーシューなんてシャレオツな単語なんて知りません。
焼いた豚、だからやきぶた。

少し表裏をフライパンであぶるか、当時は珍しい電子レンジで数十秒「チン」する。
添えられたタレが最高。
焼いた焼豚に、チューブから「チュッチュッ」とまとわせる。

両親が外出するような時には、いつも冷蔵庫にはこの焼豚が鎮座していました。調理は簡単、ごはんに乗せるだけで美味しい焼豚丼。

I have never been


61年ほど生きておりますが、この焼豚とタレ以上に旨いのとは、まだ出会ったことはありません。

40年ほど前には、そのバラック建ては取り壊されマンションに。
お肉屋さんも、どこかほかの街に移ったのか、消滅したのかは、定かではありませんでした。

調査開始


が、どうしてもあの焼豚の味を復活させたく、近くの不動産屋、地元の古株のじいさん、関係者風のご近所さんなどに訪問調査。
ある方から、「都下に移ってお肉の卸やってたんぢゃないの?」との有力情報をゲット。
その会社に電話してみるも無関係。

豚だけに頓挫(とんざ)


結局、その焼豚の再現には至っていません。

焼豚が名物、人気。そんなお店があれば、一切れ二切れ買い求めては「違う…この味ぢゃない」と落胆すること数知れず。
今ではもうそのチャレンジもすることもなくなりました。

「あの味は忘れられない」

ワタシにとって、その1つが「南町スーパーの焼豚」

この記憶は、死ぬまでボクの脳に焼き付いているんだろうか?

お後がよろしいようで。

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