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共感力ゼロ!? 寅さんに相談してみる意義

AIのほうが人間よりも思いやりがある!?


過日、IT系ニュースサイト「GIGAZINE」の記事(2025年03月17日)を読んで、そりゃ、そうなるよね、と妙に納得した。

以下、当該記事の超要約。

サイエンスのカナダ・トロント大学の心理学者ダリヤ・オフシャンニコワ氏らの研究チームは、「AIと人間のどちらがより共感的に感じられるか」というテーマで実験を行った。

結果は予想を覆すもので、AIによる応答の方が人間の応答よりも16%高く共感的と評価され、全体の68%がAIの返答を好ましいと判断したという。興味深いのは、それがAIによる返答だと明かされた場合であっても、この傾向が変わらなかった点である。

筆頭著者のオフシャンニコワ氏は、AIは客観性を保ちながら相手の状況や感情の細部を的確に捉える能力に優れており、それが結果的に高い共感性につながったのではないかと分析している。


そして、私なりに、このことを考察するなかで思い当たったのが、ポール・ブルーム(ブルックス・アンド・スザンヌ・レーゲン・イェール大学心理学・認知科学名誉教授/トロント大学心理学教授)『反共感論―社会はいかに判断を誤るか』という論考。

ブルームは、“情動的共感(empathy)”と“認知的共感(sympathy あるいは cognitive empathy)”を明確に区別し、前者(情動的共感)は特定の対象に偏りやすく、道徳的・政策的判断を誤らせる危険があるため、その乱用には注意が必要だと論じている。

一方、後者(認知的共感)は、冷静に他者の視点を理解しようとする態度であり、理性的な思いやり(rational compassion)に結びつく可能性があると考察している。

*解説補足*
情動的共感(empathy)
他者の感情を「自分のことのように」感じ取ってしまう力。直感的・感情的であるがゆえに、判断を偏らせたり、感情的疲労や不公平な支援に繋がる。

認知的共感(cognitive empathy / perspective-taking)
他者の視点や状況を感情に巻き込まれずに理解しようとする力。冷静さとバランスを保った判断が可能であり、道徳や公共政策においては有用とされる。

※この区別が本書『反共感論』の核心のひとつ。

『反共感論―社会はいかに判断を誤るか』


共感力なんかいらない?


ブルームは「共感そのものが悪なのではなく、無批判に情動的共感を重視する態度」を警戒しているわけだが、トロント大学の実験で用いられたAIは(AIだから)情動的共感ができるはずはなく、認知的共感(客観性を保ちながら相手の状況や感情の細部を的確に捉える)のみでやりとりしていたはずなのに、それが結果的に高い共感性につながったということが興味深い。

一方、昨今、AIを用いたカウンセリングの危険性を指摘する情報も頻繁に目にするようになった。さまざまな問題が指摘されているが、例えば、AIの共感力が依存を招くなど。ChatGPTがやたら「よいしょ(持ち上げ)」してくる問題と相通じるものがあるのではないか。

そして、また思う。共感力とは一般的に<他者の感情を理解し、まるで自分のことのように感じて、寄り添う能力のこと>とされているが、それって、ことさら重要な能力なのか?


寅さんに相談してみる意義


以下は、不朽の名作映画『男はつらいよ』シリーズの1作目(1969年8月27日公開)での寅次郎と博の会話。

寅「なに? オレに好き人がいてその人に兄さんが…。バカヤロー! いるわけねえじゃねえか! 冗談いうなって」
博「いや仮にそうだとしても、いまのオレと同じ気持ちになるはずだと…」
寅「冗談いうなよ! オレがオマエと同じ気持ちになってたまるか! 馬鹿にすんなこの野郎!」
博「なぜ?」
寅「なぜだ? オマエ、アタマ悪いな、オレとオマエは別の人間だ、早ぇ話がオレがイモ食えば、テメエの尻からプッと屁が出るか? どうだ!

共感力ゼロ!!!


敬愛するコピーライターの糸井重里氏は、この寅さんの「芋と屁」の名セリフが大好きだそうで、「ほぼ日刊イトイ新聞」の「ダーリンコラム」で、「他人の苦しみや悲しみを、本人のように感じることができるなんていうのは、思い上がりの嘘つきじゃねぇのかい?」と述べている。

大いに同感。共感能力が高いとされているカウンセラー(人間でもAIでも)は、良き相談相手になってくれることは間違いない。しかし、平均的思考からハズれたクセのある考え方をするニンゲンの意見を聴くということも、大切なのではないだろうか?


まとめにかえて


公認心理師の椎名規夫氏(日本コミュニケーショントレーナー協会 認定コミュニケーショントレーナー)は、著書『人を動かす力 (アスカビジネス)』のなかで、以下のようなことを述べている。

◎共感能力とは、こちら側が相手の気持ちに共感することではありません。相手から 「この人だったらわかってくれる」 「この人だったら信頼できる」 と感じてもらうことです。

◎どんなに相手の気持ちを感じ取ることができたとしても、同じ体験をしていない限り 「あなたの気持ちがわかります」 という言葉は、安易に使わないことをお勧めします。

とても参考になります、というか「じぶんの専門家。」として、肝に銘じます。感謝!!


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じぶんの専門家☆okamitsu 一文無しの風来坊、超大金持ちのセレブ、どちらも似合うヒトになりたい。ですから、小額チップでも有り難く頂戴します。一方、驚くほどの高額チップをもらっても、決してビビりませんので、どうぞご遠慮無く。もちろん「スキポチ」していただくだけでも、承認欲求ウルウル!! 充分です。