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【超初級|交流分析入門】 交流分析&エゴグラムの誤解を解く


「じぶんの専門家」のサービスの事業化を進めるなかで、以前から抱いていた “交流分析やエゴグラムが正しく理解されていないことについての危惧” が大きくなってきました。

最大の元凶は、交流分析の機能分析で用いられる代表的な方法であるエゴグラムを、単独で心理テストと称して用いたり、エゴグラムの描写的側面のみで自我状態の構造を判断したり(自我状態の構造の過度の単純化)するケースが横行していることにあるといえます。

「じぶんの専門家」のサービスでは、まず最初に「Persona Check」というWebアプリケーションを用いて “利用者の言動の傾向” をアセスメント(数値的・客観的に評価)します。

Persona Checkは「交流分析(TA=Transactional Analysis)」の理論を応用して独自に開発したシステムで(実用新案登録済)、その有用性は過去に実施したテスト運用(約50名)によって確認されています。

それだけに、交流分析の本来の意図をないがしろにしかねない行為には憤りいきどおを覚えるのですが、怒るだけでは、な〜んも変わらない。

というわけで、交流分析とエゴグラムについての誤解をほぐし、その本質を理解していただくための記事をnoteで公開することにしました。

超入門レベルの内容ですが、多少なりとも、みなさまのお役に立てたなら、嬉しいです♪

超初級|交流分析入門


交流分析とは


交流分析とは、米国の精神科医「エリック・バーン(Eric Berne:1910年5月10日 - 1970年7月15日)が提唱した “体系的な心理療法の理論” です。

バーンは、“ヒトの自我状態は3つのカテゴリー(「P(Parent:両親)」、「A(Adult:大人)」、「C(Child:子ども)」)に分類できる” と仮定して、“個人心理学とコミュニケーション心理学を紡ぐパーソナリティの構造” を分析。自我と行動に関する理論体系(=交流分析)を構築して心理療法に活用しました。

その端緒は、彼が1957年に「米国集団精神療法学会」で発表した「交流分析:新しい効果的な集団療法(Transactional Analysis: A New and Effective Method of Group Therapy)」という論文です。

発表当初は多くの心理学者から通俗心理学だと批判されて伝統的精神分析コミュニティから追放されたりしたものの、1970年代にかけて “人間学的心理学に基づく治療のための療法” として徐々に発展。

現在ではメンタルヘルス対策における一次ケア(予防)、二次ケア(早期発見・早期治療)、三次ケア(職場復帰支援)の各々の段階において活用されています。

交流分析の基本理論は「自我状態の構造のモデル」から成ります。バーンは、“個人のパーソナリティを構成する無数の思考 / 感情 / 行動” を理解するために、「ヒトの自我状態とは一連の感情/思考/体験がまとまったパターンで、必ずそのパターンに直接対応する行動を伴う」と定義して自我状態の構造をモデル化しました。

交流分析の最大の革新性は、“観察できる行動” に焦点を当てたことにあります。バーンが定義した各々の自我状態は、“内面的に自覚すること” も “外部からの観察によって確認すること” もできるため、“個人の内的体験に行動を関連付ける(逆に個人の行動をその個人が内的に体験しているものに関連付ける)” ことを可能にしました。

その革新性は、従来の伝統的な精神分析(洞察指向)にとらわれない心理療法の開発と実践に大きく貢献することになりました。

なお、バーンが交流分析の理論で仮定した自我状態はジークムント・フロイト(Sigmund Freud/1856.5.6 – 1939.9.23)が提唱した「自我」(が持つ精神機能)を分類して説明したものだといえますが、フロイトが定義した自我と大きく異なる点は “誰もが同じように観察できること” にあります。


交流分析の要素と概念


交流分析の前提となる仮定:
ヒトの自我状態を3つのカテゴリーに分類

☆ P(Parent:両親)
幼児期後期(3〜6歳頃)に親や親の役割をした人物をモデルとして形成された感情/態度/行動のパターン。12歳頃までにほぼ固定すると考えられている。
※ 過去(幼少期)に蓄えられたプログラム的なものが、“現在で再生”される。


☆ A(Adult:成人)
現在(今・ここ)の現実に対応する感情/態度/行動の自律的なパターン。論理的・理性的。ヒトが大人として成長する過程で形成されていく。
※ 絶えず流動する現在の体験。軸は常に現在にあり、“現在の現実に直接反応”する。


☆ C(Child:子ども)
幼児期前期(0〜3歳頃)に親や親に代わる養育者などに影響されて形成された感情/思考/行動のパターン。6歳頃までにほぼ固定すると考えられている。
※ 過去(幼児期)に蓄えられたプログラム的なものが、“現在で再生” される。



交流分析の基本的なジャンル


☆ 構造分析 (structural analysis)
自我状態が成長の過程でどのように発達して形成されてきたのかという観点からパーソナリティを分析する。


☆ 機能分析(functional analysis)
個人の “今・ここ” での心の動き(どの自我状態のどの機能が働いているか)を観察可能な行動を参考にして分析する。


☆ 交流分析(transactional analysis)
ある時点における対人交流(やり取り)のパターンを、その時点でお互いが相手に向けている自我状態を参考にして分析する。


☆ 心理ゲーム分析 (game analysis)
対人関係で繰り返し行われる一連のパターン化した行動。最後には嫌な気分で終わるという結果が予測できるはずなのに、その因果に気づいていない(関連性が認識できていない)ので繰り返される。


☆ 脚本分析 (script analysis)
個人の “人生脚本” を分析する。人生脚本とは、“ヒトが幼い頃に世界と自分の立場を理解するために描いた生き方の筋書き” で、一般的には7歳頃までに知覚した世界観/生きる目的/道徳観等によって決められるが、それが自覚されることはない。



交流分析の理論の背景にある概念


☆ストローク(stroke)
言葉や態度での働きかけによって生じる(他者に与える)情緒的な刺激。一般に次の4つに分類される。「肯定的ストローク」「否定的ストローク」「条件付ストローク」「無条件のストローク」。


☆時間の構造化(time structuring)
ヒトはストロークを(その内容にかかわらず)欲して止まない。そこで、ストロークを得るために「閉鎖/儀式/雑談/活動/ゲーム/親交」という6つの手段のいずれかを用いて時間を構造化する。


☆ラケット(racket)
無意識に周囲を操作して自分の人生脚本を推進しようとすること。一般的には慢性。定型化された「ラケット感情(不快な感情)」が伴う。


☆汚染(contamination)
異なる自我状態(から放出された心的エネルギー)が論理的判断に流れ込んで思考や感情が混乱すること。


☆基本的構え(Life Position)
子ども時代(小学校低学年頃まで)に形成される“自分や他人の価値に関する深く根を張った信念”。次の4つに分類されており、バーンは“すべての心理ゲーム/人生脚本/運命はこれらのいずれかに基づく”と述べている。
“OK/not OK” という表現は、“価値がある/価値がない” という認識を幼児的認識として短く表現したもの。

「I am not OK, You are OK.」 ※ 抑うつ的なポジション。
 → 私はOKじゃない、あなたはOK:自己否定・他者肯定。

「I am OK, You are not OK.」 ※ 妄想的なポジション。
 → 私はOK、あなたはOKじゃない:自己肯定・他者否定。

「 I am not OK, You are not OK.」 ※ 不毛なポジション。
 → 私もあなたもOKじゃない:自己否定・他者否定

「 I am OK, You are OK.」 ※ 健康的なポジション。
 → 私もあなたもOK:自己肯定・他者肯定。

「自我状態の構造のモデル」に基づく「やり取り」の例

※ P(Parent:両親)/A(Adult:成人)/C(Child:子ども)


▼相補的なやり取り:コミュニケーションが継続する。

相補的なやり取り:コミュニケーションが継続する。

▼交差するやり取り:コミュニケーションが中断される。

交差するやり取り:コミュニケーションが中断される。

▼裏があるやり取り:「社交レベル(建前)」と「心理レベル(本音)」が異なる。

裏があるやり取り:社交レベル(建前)と心理レベル(本音)が異なる。

※ 実線矢印=社交レベル(建前)
※ 点線矢印=心理レベル(本音)。
※ 社交レベルと心理レベルが異なる裏があるやり取りにおいては、社交レベルのやり取りのプロセスをいくら分析しても、交流の結果を予測することはできない。心理レベルのやり取りのプロセスも認識することによって初めて予測が可能になる。
※ 上記の図版類は参考図書『エリック・バーンの交流分析』掲載の図版を参考に筆者が制作。



エゴグラムについて


Persona Checkは「利用者の言動傾向のアセスメント結果」の可視化に交流分析の機能分析で用いられる代表的な方法「エゴグラム(Egogram= Ego(自我状態)+Gram(図表)の合成語)」の仕組みを応用しています。

エゴグラムの考案者は交流分析の創始者であるエリック・バーンの弟子「ジョン・M・デュセイ(John.M.Dusay/1935 -)」です。デュセイはバーンが仮定した “3つの自我状態のカテゴリー” を下記の5つに再分類したうえで “各々の自我状態が外部に放出する心的エネルギー” を量的に表現(グラフ化)することを試みました。

☆ P(Parent:両親)
 → ☆ CP(Critical Parent/批判的な親)
 → ☆ NP(Nurturing Parent/養育的な親)

☆ A(Adult/成人)
 → ☆ A(Adult/成人)

☆ C(Child:子ども)
 → ☆ AC(Adapted Child/順応した子ども)
 → ☆ FC(Free Child/自由な子ども)


エゴグラムは考案当初 “勘” で描かれていましたが、1974年に九州大学の杉田峰康が「質問紙法エゴグラム」(設問に付与した数値を自我状態のカテゴリーごとに合算してグラフ化する方法)を開発。以降、1979年には米国のロバート・ハイヤーが、1984年には東京大学医学部心療内科TEG研究会が、と、独自の質問紙法エゴグラムが続々開発されました。その数は現在では10数種類にも及ぶそうです。

質問紙法エゴグラムは、ヒトがどの自我状態を用いて行動し考え感じているのかということを捉えやすくしました。また、再現性が高いことから、交流分析理論に基づく各種分析(交流分析 / 心理ゲーム分析 / 人生脚本分析)や基本的構え等の概念と併せて活用されるようになり、治療対象者が抱える問題の糸口を見つけることはもとより、問題解決の具体的策を見いだすことにも役立てられるようになりました。

しかしながら、エゴグラムはその “使いやすさ、わかりやすさ” から交流分析についての誤解を招く現象…  例えば、エゴグラムを単独で心理テストと称したり、エゴグラムの描写的側面のみで自我状態の構造を判断する(自我状態の構造の過度の単純化)といったことなど…  を招いてしまいました。

 エゴグラムはあくまでも交流分析の主眼である心的治療および人格や人間関係の改善などをより効果的に行うことを支援するための診断ツールです。エゴグラムによって可視化されるのは、<“ある時点” の “ある状況” における“観察可能な自我状態” に限定されたアセスメントの結果>だということ。また、“ヒトは内面の体験と一致するまとまった一連の行動を示す” が、“定義された自我状態と一般的な自我状態の現れは単純に同一ではない” ということなどに留意しなくてはなりません。


* 参考図書 *


『エリック・バーンの交流分析』
(イアン・スチュアート【著】、日本交流分析学会 【翻訳】)


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じぶんの専門家☆okamitsu 一文無しの風来坊、超大金持ちのセレブ、どちらも似合うヒトになりたい。ですから、小額チップでも有り難く頂戴します。一方、驚くほどの高額チップをもらっても、決してビビりませんので、どうぞご遠慮無く。もちろん「スキポチ」していただくだけでも、承認欲求ウルウル!! 充分です。