AIバブルの時代に、心は豊かになれるか
日経平均は5万2000円を超え、史上最高値を更新し続けている。
株式市場がバブルのようになってきているけれど、足元ではそこまで景気の良い話が聞こえてこない。
街の声でも、賃金が上がったといえども、食料品、生活用品などの値上げで豊かさを感じられない、といったものが多い。
確かに、AIへの期待感から投資が過熱している“AIバブル”の側面もあるし、不動産価格もチャイナマネーの流入で高騰しているとも指摘される。
そうした事例は明らかに庶民の豊かさとは結びついていないように感じる。
もちろん、お金≒幸せではない。それでも、この株価の高騰と相反して、なんだか心に余裕がない人が増えたと感じるのは私だけだろうか。
そんな話を同僚としていたら、20年前にはほぼなかったSNSの存在も人間の豊かさに影を落としているのではないか、という仮説にたどり着いた。
昨今、旅行や食事などインスタやXで写真や動画をアップする人たちがいたるところにいる(私もその一人だ)。
目的は様ざまだろう。発信する側からすれば、それが日常というわけでもなく、単純にきれいな風景だから、その非日常の空間を共有しよう、という感覚かもしれない。
ただただ、見せびらかしたいという人もいるかもしれないけど、笑。
一方、みる側からは、美味しそうな食べ物、素敵なホテル、といった美しいものだらけがスマホの画面に映し出される。
SNSで拡散される”豊かな世界”をみて、人はどう思うだろうか。
「いいな、私もそこに行きたい!」と思う人がいる半面、むなしく感じさせる余計な情報にもなりかねない。
人と比較しても仕方ない、と言っても、やはり自分は全体からみてどのあたりの層だろう、なんて考える人も少なくないのではないか。
生活を切り詰めて、今日の夕飯はコンビニおにぎり1個です、とインスタにアップする人はどれだけいるだろうか。
SNSで“豊かさ”を垣間見るほど、現実との落差が心の豊かさを奪っていく──そんな逆説もあるのかもしれない。
実際はよくわからない。それでも、このSNSの時代、情報過多の時代に、人々が本当の豊かさを株式相場の底堅さと合わせて、感じられればいいな、としみじみ思う。
