モンドセレクションは「賞」ではない
知っておきたい品質認証の裏側
新しく発売されたビールのCMなどでよく見かける「モンドセレクション金賞受賞」というフレーズ。パッケージや広告に大きく書かれていると、なんだかすごい評価を受けた商品のように見えますよね。
しかし、この「モンドセレクション」の実態を詳しく知ると、世間のイメージとは少し異なる側面が見えてきます。
そもそもモンドセレクションとは?
モンドセレクションは、さまざまな製品の技術的水準を審査するベルギーの民間団体です。
「金賞受賞!」と聞くと、多くのライバルの中から選ばれた一品のように感じますが、実はこれ、他社と順位を競うコンテストではありません。
あらかじめ定められた品質基準を満たしているかを評価する「品質認証制度」なのです。(※制度の名称として「賞」という言葉が使われています)
審査基準を満たしていれば、出品されたすべての商品にそれぞれ賞(最高金賞、金賞、銀賞、銅賞)が与えられます。
費用と有効期限の仕組み
審査は年に1回行われ、審査料は1点につき約1,100〜1,350ユーロ(日本円で約18万〜22万円前後 ※為替により変動)。
一度認定されると、その受賞ロゴや名称を商品パッケージなどに使用できる権利は3年間与えられます。
3年を過ぎてロゴを使い続けたい場合や、商品の原材料・仕様を変更した場合は、再度出品して審査を受ける必要があります。
本質は「中小企業のための品質保証ツール」
この仕組みを踏まえると、モンドセレクションの本来の役割が見えてきます。
知名度の低い中小企業や新商品が、「自社製品の品質や技術水準がしっかりしていることを客観的に証明してもらうためのツール」という側面が強いのです。
「大手メーカーに負けないくらい、しっかりした品質の商品ですよ」という第三者からの担保を得られる点に、最大のメリットがあります。
そう考えると、すでに高い認知度と信頼を持っている大企業が「多数受賞!」と大々的にアピールしている様子は、本来の目的からすると少し大袈裟に映るかもしれません。
なぜ日本の商品ばかりが受賞するのか?
現在、モンドセレクションに出品される商品の約半数が日本企業からのものと言われています。
そして、もともと日本の製品はクオリティが高いため、出品されたうちの約8割〜9割が何らかの賞に認定されています。
実際、パッケージに認定マークを掲載することで売上が伸びるケースも多いため、技術力はあっても認知度に悩む中小企業にとっては、自社商品の良さをアピールする有効な手段となっています。
まとめ
モンドセレクションは、他社を押しのけて勝ち取る「競争の賞」ではなく、規定の基準をクリアしたことを示す「品質保証のマーク」です。
大手の華やかなプロモーションに使われることも多いですが、本質的には「優れた技術を持つ中小企業の確かな品質を担保するための制度」であると捉えるのが、一番しっくりくるのではないでしょうか。
