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「揺れているのに、揺れていない」──船乗りさんが陸で感じる不思議な感覚


船酔いという言葉は、きっと多くの方に馴染みがあると思います⛴️
でも今日ご紹介するのは、その"逆バージョン"とも言えるちょっと不思議な現象、陸酔い(おかよい)のお話です😳😳



陸酔いとは🤔❓

陸酔いとは、長時間船に揺られたあと、陸に上がっても体がまだ揺れているように感じてしまう現象のことです。

航海士や漁師さんのように3か月近く乗船を続けることもある船乗りさんにとって、これは珍しくない現象です。「夜、自宅のテーブルで食事をしていたら、なんだかテーブルが揺れている気がして気持ち悪くなった」という体験談もあるほど。
歩いているときや乗り物に乗っているときは感じないのに、じっとしているときに限って揺れを感じる、というのが特徴的なパターンです。

船の上では"揺れているのが普通"の状態に体が慣れてしまうため、揺れていない陸が逆に異常に感じられてしまうのですね😳


なぜそんなことが起きるの?😳

私たちの体には、速度蓄積機能と呼ばれる、体験した加速度や回転運動の情報を蓄える仕組みが備わっています。長時間にわたって揺れを体験し続けると、脳がその揺れを"通常の状態"として学習してしまいます。

そして陸に上がった瞬間、外からの揺れ入力はぴたりと止まりますが、脳内に書き込まれた"揺れプログラム"はすぐにはリセットされません😭目と足は「静止している」と伝えているのに、平衡感覚を担う前庭系は「揺れているはず」と予測し続けてしまう。この感覚のズレが、陸酔いの正体です。


どれくらいで治るの?

陸酔いは基本的に時間が経てば自然に解消されます。

乗船時間が短い場合(通船など)は数分で落ち着くことがほとんど。2日ほどのフェリーであれば数時間程度。ただし、3か月近く乗り続けた航海士さんや漁師さんの場合は、数日かかることもあります。「治る」というよりも「陸に慣れていく」という感覚に近いようです⛴️


"下船病"という少し深刻なケースも

陸酔いとよく似た症状に、下船病(Mal de Débarquement Syndrome、略してMdDS)という疾患があります。フランス語で「下船時の不快感」を意味するこの病名は、揺れを感じる状態が数週間から数年にわたって続くことがあるのが特徴です。

通常の陸酔いとの大きな違いは、座ったり横になったりすると症状が強くなり、逆に動いているときは楽になるという点です。また、一般的な乗り物酔い止め薬はこの症状にはほとんど効果がないとされており、現在のところ確立された治療法もないとされています。

陸に上がってから数週間経っても揺れの感覚が続くようであれば、耳鼻科や脳神経外科への受診をおすすめします🏥


船乗りさんにとっての"職業あるある"

船乗りさんたちの間では、乗下船のたびにこの陸酔いを経験することは珍しくないようです。
「乗船→陸慣れ→また乗船→また陸慣れ」というサイクルが年に何度も繰り返されるため、1年ほどすれば体もそのリズムに慣れてくるといいます。

私たちが「地面が揺れている!地震?」と思って周りを見回すような場面でも、長年の船乗りさんは「ああ、陸酔いかな」とさらりと受け止めているのかもしれませんね🥺

海の上で働くということは、感覚の基準点そのものが陸とは少し違う世界で生きることでもある。そんな船乗りさんたちの日常の一端を、今日は少し覗かせていただきました⛴️✨


参考資料

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