風が船を引っ張る時代へ——SeaJapanで見た「Seawing」という選択肢
先日、SeaJapan 2026に行ってきました\(^o^)/
会場に入った早々足を止めたのが、川崎汽船株式会社のブースに展示されていた自動カイトシステム「Seawing」です。大きなカイト(凧)を船の前方に揚げ、風の力で船を引っ張って燃料消費とCO2排出を減らす…。
そう聞くと「え!?タコ(; ・`д・´)??🐙」と思うかもしれませんが、開発は着々と進んでいて、2027年ごろの実用化を目指している技術です!!!
今日はこの「Seawing」について詳しくご紹介します\(^o^)/
そもそも「Seawing」って何?
Seawingは、船首付近に搭載した大型のカイトを空中に揚げ、そのカイトが風を受ける力で船全体を前に引っ張る省エネ設備です。
ポイントは「上空の風を使う」こと。他の風力推進補助装置と比べて、上空ほど安定して強い風が吹いていることが多く、単体で得られる推進力が比較的大きいのが特徴です。カイトは自動で「8の字」を描くように飛行しながら、効率よく風を受け続ける設計になっています(*ノωノ)
そして、この技術のもうひとつの強みが「汎用性の高さ」です。新しく造る船だけでなく、すでに就航している既存船にも搭載できる。燃料の生産設備や供給インフラも不要。LNG燃料船など燃料転換の取り組みとの組み合わせで、CO2削減効果をさらに高めることも期待されています(*ノωノ)
開発はどこまで進んでいるの?
Seawingはもともと、フランスの企業AIRSEAS社が開発を進めていた技術でした。川崎汽船は2019年にSeawingの搭載を発表し、段階的にパートナーシップを深めていきます。
そして2024年1月、川崎汽船はフランスに子会社「OCEANICWING S.A.S.」を設立し、AIRSEAS社のSeawing事業を承継しました。開発の主導権を自社に取り込み、商用化に向けて本格的に舵を切ったタイミングです。
その後、開発は段階を踏んで進んでいます。
2025年6月には、開発の第一段階(フェーズ1)が完了しました。300㎡サイズのカイトを使い、陸上試験場で張力やシステムの性能を検証。良好な結果が確認されています。
続く2025年7月からはフェーズ2に突入。カイトをさらに大型化し、海上利用を見据えた操作性・安全性の評価を陸上で行ったうえで、川崎汽船が保有・運航する大型バルク船での海上実証実験へと進む予定です。
さらに2026年3月には、フランスの船級協会Bureau Veritas(BV)と日本海事協会(ClassNK)の2機関から、フェーズ1の検証プロセスに関する第三者鑑定を取得しています。フェーズ1で使用した300㎡カイトの張力は理論上25トン、それを2倍の600㎡に大型化した場合は50トンが見込まれることも確認されました。50トンという数字は、一般的なタグボート1隻の曳航力と同等です(; ・`д・´)!(すごい!!!)
実際どのくらい燃料が減るの(; ・`д・´)?
気になる削減効果ですが、公式発表によると「約20%のCO2排出量削減」が見込まれています(2022年・2024年リリース)。
また、大型バルク船に搭載した場合、年間の燃料消費量を平均10%以上削減できる見込みとされています(2025年・2026年リリース)。削減効果は船型・船速・航路・季節などの条件によって変わり、組み合わせによっては10%を大きく上回る効果も期待されています。
展示パネルには「10%以上の燃料削減」と記載されていましたが、これは条件によって変わることを踏まえた保守的な表現、ということになりますね。
「未来の構想」ではなく、「課題への答え」として!(^^)!
SeaJapanの展示を見ていて感じたのは、Seawingが単なる「将来のアイデア」として出展されているわけではないということでした(; ・`д・´)!!!
フェーズ1完了・第三者鑑定取得・2027年ごろの実用化目標と、数字と手順が揃っていて、開発ロードマップがきちんと描かれていました(´;ω;`)
海運業界はいま、国際海事機関(IMO)が定める脱炭素目標に向けて大きな転換期を迎えています。代替燃料の普及にはまだ時間とコストがかかる。そんな中で、追加の燃料インフラなしに既存船にも取り付けられるSeawingは、現実的な選択肢のひとつとして存在感を持ち持ち始めています(´;ω;`)
風で船を引っ張る…
単純すぎるように聞こえるこの発想が、海運の脱炭素を少しずつ前に進めています(´;ω;`)!!!
わくわくしますね😍😍😍😍❣️
次回は「船が自分で考える」時代へ!というテーマでお届けいたします
\(^o^)/
参考資料
川崎汽船株式会社「自動カイトシステム”Seawing”の動画を公開しました」(2022年8月9日)
https://www.kline.co.jp/ja/news/other/other-20220809.html
川崎汽船株式会社「OCEANICWING S.A.S.設立およびAIRSEAS社の事業承継について」(2024年2月16日)
https://www.kline.co.jp/ja/news/other/other-20240216.html
川崎汽船株式会社「風力を活用した自動カイトシステム”Seawing”開発フェーズ1完了」(2025年9月4日)
https://www.kline.co.jp/ja/news/csr/csr-20250904.html
川崎汽船株式会社「自動カイトシステム”Seawing”が二つの船級協会から張力検証に関する第三者鑑定を取得」(2026年3月16日)
https://www.kline.co.jp/ja/news/csr/csr-20260316.html
