痛風と糖尿病は、なぜ、セットで語られるのか
「痛風の人は糖尿病にも気をつけましょう」
病院や健康診断で、そんな言葉を聞いたことはありませんか?
私は29歳で初めて痛風を発症しました。それ以来、30年以上にわたり、数十回どころか数百回とも思える発作を経験してきました。
ところが、ある時から不思議なことに気づきました。
痛風について調べると、必ずと言っていいほど「糖尿病」「高血圧」「脂質異常症」といった言葉が一緒に出てくるのです。
「痛風は尿酸の病気ではないのか?」
そう思った私は、長年の体験と学習を通じて、痛風と糖尿病が深くつながっている理由を知ることになりました。
もし、あなたが、
痛風発作に悩んでいる
尿酸値が高い
血糖値が気になる
将来の健康に不安がある
のであれば、この記事はきっと役に立つはずです。
今回は、なぜ、痛風と糖尿病がセットで語られるのか、その本質について分かりやすく解説します。
痛風と糖尿病は別の病気なのに、なぜ関係があるのか
まず結論から言います。
痛風と糖尿病は、原因の一部が共通しているからです。
痛風は尿酸が体内に蓄積し、関節に結晶化して炎症を起こす病気です。
一方、糖尿病は血糖値をコントロールするインスリンの働きが弱くなり、高血糖状態が続く病気です。
一見すると、全く別の病気に見えます。
しかし、近年の研究では、
肥満
インスリン抵抗性
内臓脂肪
糖質の過剰摂取
などが、両方の病気に、深く関係していることが分かっています。
つまり、
「痛風だから尿酸だけ下げればいい」
という単純な話ではないのです。
実際、痛風患者には、糖尿病予備軍やメタボリックシンドロームの人が多いことが知られています。
尿酸値と血糖値をつなぐ「インスリン抵抗性」の正体
ここで重要になるのが、
「インスリン抵抗性」
という言葉です。
少し難しく聞こえるかもしれませんが、簡単に言えば、
インスリンが効きにくくなった状態
のことです。
本来、インスリンは、血液中の糖を細胞へ取り込む働きをしています。
しかし、糖質の摂り過ぎや肥満が続くと、細胞がインスリンに反応しにくくなります。
すると、体は、
「もっとインスリンを出さなければ!」
とがんばります。
ところが、この過剰なインスリンが問題なのです。
インスリンが多い状態になると、腎臓から尿酸が排出されにくくなります。
その結果、
尿酸値が上昇する
のです。
つまり、
糖質過多
↓
インスリン増加
↓
尿酸排出低下
↓
高尿酸血症
↓
痛風
という流れが生まれます。
これが、痛風と糖尿病が深く結び付いている最大の理由です。
現代人が増やしている「見えない犯人」
昔の痛風は、
「贅沢病」
と呼ばれていました。
肉や魚卵などプリン体の多い食品ばかりが悪者にされていたのです。
しかし、最近では、見方が変わってきています。
実は、現代人が大量に摂取している
白米
パン
麺類
菓子パン
お菓子
清涼飲料水
などの糖質が、大きな問題になっています。
特に、注意したいのが果糖です。
ジュースやスポーツドリンク、缶コーヒーなどに含まれる果糖は、体内で尿酸を増やしやすいことが知られています。
アメリカでは、肥満、糖尿病、痛風の増加と果糖摂取量の増加が、ほぼ同じタイミングで進行しました。
つまり、
痛風の原因=プリン体だけ
という考え方は、すでに古くなりつつあるのです。
私自身が体験した糖質制限の変化
私は、30年以上、痛風に苦しんできました。
発作が起きるたびに、
「また歩けなくなるのか…」
と絶望したものです。
ところが、糖質制限を始めてから状況が変わりました。
ご飯
パン
うどん
ラーメン
などを大幅に減らし、
肉
魚
卵
豆腐
納豆
野菜
海藻
を中心とした食生活に変えたのです。
すると、
体重減少
空腹感の減少
体調改善
痛風発作の激減
を実感しました。
もちろん、個人差はありますし、すべての人に、同じ結果が出るとは限りません。
しかし、少なくとも、私の場合、
「尿酸値だけを見る健康法」
から
「血糖値やインスリンも考える健康法」
へ発想を変えたことが、大きな転機になりました。
今日からできる痛風・糖尿病予防の習慣
では、具体的に何をすれば良いのでしょうか。
私が、おすすめするのは、次の5つです。
①甘い飲み物をやめる
最優先です。
ジュース1本には、角砂糖10〜15個分の糖質が含まれていることもあります。
水、お茶、炭酸水を基本にしましょう。
②主食を少し減らす
いきなり、ゼロにする必要はありません。
まずは、
ご飯大盛り→普通盛り
から始めるだけでも違います。
③体重を5%減らす
体重70kgなら3.5kgです。
この程度でも、インスリン抵抗性は改善しやすくなります。
④十分な水分を摂る
尿酸を排出しやすくするためです。
特に、夏場は意識して飲みましょう。
⑤定期的に検査を受ける
尿酸値だけでなく、
HbA1c
空腹時血糖
中性脂肪
も確認することが重要です。
痛風は「関節の病気」ではなく「生活習慣のサイン」かもしれない
多くの人は、
痛風=足の痛み
と思っています。
しかし、本当は違います。
痛風は、体の中で起きている代謝異常を知らせる警報装置のような存在です。
尿酸値が高いということは、
糖質過多
肥満
インスリン抵抗性
運動不足
などが隠れている可能性があります。
つまり、痛風は敵ではなく、
「今の生活を見直してください」
という体からのメッセージなのかもしれません。
私は30年以上苦しんだからこそ、そう感じています。
まとめ
痛風と糖尿病がセットで語られる理由は、非常にシンプルです。
両者の背景に、
インスリン抵抗性
糖質過剰
肥満
メタボリックシンドローム
という共通の原因が存在するからです。
尿酸値だけを見るのではなく、血糖値や食生活全体を見ることで、健康改善の可能性は大きく広がります。
私自身、長年の痛風経験から「糖質との付き合い方」が健康を左右すると実感しています。
もし、今、あなたが、痛風や高尿酸血症で悩んでいるなら、ぜひ、尿酸値だけでなく、血糖値にも目を向けてみてください。
そこに、あなたの健康を変える大きなヒントが隠されているかもしれません。
