痛風改善の第一歩!今日から始める3つの習慣
「また、あの激痛が来たらどうしよう……」
痛風を経験したことがある人なら、この不安はよくわかるのではないでしょうか。
私が初めて痛風発作を経験したのは29歳のときでした。
ある日、突然、左足の親指の付け根が真っ赤に腫れ上がり、歩くことさえつらくなりました。
それから、長い間、足首、膝、肘、指、手首などにも症状を経験してきました。
63歳になった今、振り返ると、痛風との付き合いは実に30年以上になります。
しかし、長く痛風と向き合ってきたからこそ、ひとつ気づいたことがあります。
それは、
痛風対策は「何か特別な健康法」を始めることではなく、毎日の小さな習慣を変えるところから始まる
ということです。
この記事では、私自身が食生活を見直す中で、特に大切だと感じた「今日から始められる3つの習慣」を紹介します。
難しい方法ではありません。
今日の水分補給、今日の食事、そして、自分の尿酸値を知ること。
まず、この3つから始めればいいのです。
※この記事は、私自身の体験をもとにした情報提供であり、治療を保証するものではありません。痛風・高尿酸血症の治療中の方は、必ず、医師の診察・検査・服薬指導を優先してください。
痛風改善を考える前に知っておきたい「尿酸」の基本
そもそも、痛風は、単純に「プリン体を食べすぎたから起こる病気」ではありません。
血液中の尿酸が高い状態が続き、尿酸塩の結晶が関節などにたまり、炎症を起こすことで、痛風発作が起こります。日本では、血清尿酸値が7.0mg/dLを超える状態を高尿酸血症としています。
つまり、大切なのは、
「プリン体を一切食べない」
ことではなく、
尿酸が増えすぎたり、排泄されにくくなったりする生活を少しずつ見直していくこと
なのです。
実際、痛風・尿酸財団も、プリン体の多い食品だけを極端に制限するのではなく、「食べ過ぎ・飲み過ぎを避け、適量を食べる」という考え方を紹介しています。
ここを理解すると、痛風対策が、かなりシンプルになります。
【習慣1】こまめに水分をとる
私が、最初に意識してほしいと思うのが、水分補給です。
痛風対策というと、
「レバーはダメ」
「ビールはダメ」
「魚卵はダメ」
と、「食べてはいけないもの」ばかりが話題になります。
しかし、その前に、見直したいのが水分です。
脱水は、痛風発作のきっかけの一つとされ、NHSも痛風の再発予防として十分な水分をとり、脱水を避けることを勧めています。
私自身は、水やお茶を中心に、1日を通して、こまめに飲むようにしています。
目安として、1.5〜2L程度を意識する日もありますが、これは、あくまで私自身の習慣です。
体格、気温、運動量、食事内容によって、必要量は変わりますし、心臓病や腎臓病などで水分制限を受けている人は、自己判断で大量に飲んではいけません。
ポイントは「一気飲み」ではありません。
たとえば、
・起床後に1杯
・食事のときに1杯
・午前中に少しずつ
・午後にも少しずつ
・入浴前後にも適量
というように、生活の中に組み込むのがおすすめです。
「のどがカラカラになってから大量に飲む」のではなく、水分補給そのものを習慣にしてしまうのです。
これなら、今日からできます。
【習慣2】腹八分目にして「食べ過ぎ」をやめる
私が、痛風との長い付き合いの中で、特に重要だと感じているのが、食べる量そのものを見直すことです。
痛風になると、
「プリン体○mg」
「この食品は食べていい」
「これは絶対ダメ」
と細かな数字ばかり気になってしまいます。
もちろん、プリン体への配慮は必要で、痛風・尿酸財団では『高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン』の生活指導として、食品からのプリン体摂取を1日400mg程度を目安にする考え方を紹介しています。
しかし、同じページでは、制限しすぎて栄養状態を悪くするのではなく、食事全体の量を減らし、食べ過ぎ・飲み過ぎを避けることも勧めています。
私は、ここが非常に重要だと思っています。
私自身も食生活を振り返ると、
「何を食べたか」
だけではなく、
「どれだけ食べたか」
が大きかったと感じています。
そこで、私は、糖質をとりすぎない食事とともに、少食・腹八分目を意識するようになりました。
ご飯や麺類を大量に食べる。
菓子パンを何個も食べる。
甘い飲料を飲む。
お菓子をだらだら食べる。
夜遅くに、満腹になるまで食べる。
こうした生活をひとつずつ見直しました。
現在の医療情報でも、甘い飲料・甘い食品やアルコールの摂りすぎは、痛風リスクと関連し、健康的な食事や適正体重を目指すことが勧められています。
だからといって、いきなり、極端な断食や極端な食事制限をする必要はありません。
むしろ、最初は、
「昨日より少し食べ過ぎない」
これで十分です。
たとえば、今日の夕食から、ご飯を大盛りから普通盛りへ。
甘いジュースを水やお茶へ。
お菓子を毎日から回数を減らす。
「満腹まで食べる」を「腹八分目」に変える。
これだけでも、立派な第一歩です。
痛風対策は、100点を取る競争ではありません。
70点の食生活を長く続けるほうが、3日間だけ100点の食生活をするより現実的です。
【習慣3】尿酸値と自分の生活を「見える化」する
3つ目は、意外に軽視されやすい習慣です。
それが、
自分の尿酸値と生活習慣を記録すること。
です。
「最近、痛くないから大丈夫」
これは、痛風では、少し注意したい考え方です。
発作がない時期でも、高尿酸血症が続いている可能性があります。
痛風・尿酸財団では、血清尿酸値が7.0mg/dLを超える状態を高尿酸血症としています。繰り返す痛風を放置すると、関節や腎臓などへの影響につながる場合もあります。
そこで、おすすめしたいのが、簡単な記録です。
スマートフォンのメモ帳でも十分です。
「尿酸値」
「体重」
「飲酒した日」
「甘いものを多く食べた日」
「水分が少なかった日」
「足に違和感があった日」
などを記録します。
すると、数週間、数か月後に、
「この時期は食べ過ぎていたな」
「暑くなって水分が減っていた」
「体重が増えた時期と調子が悪い時期が重なっている」
など、自分なりのパターンが見えてきます。
これは非常に大きな財産になります。
健康管理で大切なのは、「世間で何が良いと言われているか」だけではありません。
自分の身体が何に反応しているのかを知ること。
そして、その記録を健康診断や通院時に、医師へ見せれば、相談もしやすくなります。
痛風対策は「禁止」より「置き換え」で続ける
私は、30年以上、痛風と付き合ってきて思います。
健康習慣が続かない最大の理由のひとつは、
「あれもダメ、これもダメ」
になってしまうことではないでしょうか。
だから、私は「禁止」より「置き換え」をおすすめします。
甘いジュース → 水・お茶
大盛りご飯 → 普通盛り
夜食 → 早めの夕食
満腹 → 腹八分目
毎日の飲酒 → 休肝日をつくる
何もしない → 健康診断で尿酸値を確認する
このように考えると、痛風改善へのハードルが一気に下がります。
牛乳、ヨーグルトなどの乳製品、野菜、海藻類などを含めたバランスのよい食生活についても、痛風・尿酸財団が、尿酸値の高い人向けの食事として紹介しています。
「完璧な痛風食」を探し続けるより、
昨日の生活より1%だけ良くする。
私はその積み重ねのほうが大切だと考えています。
今日から始める「3つだけ」
最後に、この記事の内容をまとめます。
今日からすることは3つです。
1.水やお茶をこまめに飲み、脱水を避ける
2.食べ過ぎをやめ、腹八分目を意識する
3.尿酸値・体重・食生活を記録する
これだけです。
いきなり、人生を変える必要はありません。
私自身、29歳で、最初の痛風発作を経験してから、長い時間をかけて、食生活を見直してきました。
糖質の摂り方を考え、少食を意識し、水分をとり、自分の身体を観察する。
そうした小さな積み重ねによって、私の痛風との向き合い方は大きく変わりました。
痛風改善への第一歩は、明日からではありません。
今日の「水1杯」「腹八分目」「記録1行」から始められます。
もし、今、
「また痛風発作が来るのが怖い」
「何から変えればいいかわからない」
と思っているなら、まず3つ全部を完璧にやろうとしなくても構いません。
今日ひとつ。
明日もうひとつ。
それで十分です。
身体は、毎日の選択の積み重ねで変わっていきます。
私も、これから、自分自身の体験をもとに、糖質制限・少食・水分補給・痛風対策について、無理なく続けられる方法を発信していきたいと思います。
参考情報
公益財団法人 痛風・尿酸財団「食品・飲料中のプリン体」「尿酸値が高めの方にすすめられる食事」、日本整形外科学会「痛風」、英国NHS「Gout」などを参考にしています。
