狭き門をこじ開けろ!【アマノ文筆クラブ】
「『狭き門をこじ開けろ!』ですか。
うん! 創作大賞っぽい、いいフレーズですね!」
あたしはできるだけ明るい声を作って言った。でも、没山先輩はまったく表情筋を動かすことなく、「ああ。」と応答しただけだ。
創作大賞2026。
弊社、謀談社の担当者はあたしだ。
でも、あたしは今年度の新入社員。やりかたは、すべて没山先輩に教わることになっている。
「各部門、もうこんなに投稿が来てるんですね!
毎日、ちょっとずつでも読んでいったほうがいいですよね?」
「いや。担当者は審査しない。締め切りまで、放っておいていい。」
そうか。ちゃんとしたコンテストだから、審査員がつくんだな。
あたしはそう解釈して──。
……別の仕事に振り回されているうち、創作大賞のことは、本当に締め切りまで忘れてしまっていた。
「没山先輩! 創作大賞を忘れてました! 締め切りになったので、審査に出さないと!
でも、今から審査員が何万件も読めるんでしょうか……。」
「ん? すぐ終わるぞ?
俺がURLを送るから、そこに見せろ。
順位をつけて、上位だけ出してほしいって伝えればいい。」
先輩がキーボードを叩くと、あたしのデスクトップが受信した。
──ChatGPT、Gemini、Claude、Grok……。
「──素人の書いたものに、これ以上のリソースを割くわけないじゃんか。」
完
参加させていただいたのはこちら。
