デジタルタトゥーを消したい【アマノ文筆クラブ】
あたしのハダカの写真。
AI生成したバカがいるらしい。
一種類じゃない。何種類あるのか、こっちが聞きたいくらいだ。
それはそれは卑猥なもので。
最初に見たとき、講義室であたしが叫び声を上げたものだから、『ホンモノ』の扱いになってしまった。
──以来、あたしは誰かが指をさしている感覚にとらわれるようになった。
デジタルタトゥー。消せるもんじゃない。それはわかる。
でも、あたしはべつに、なんにもしてはいないのに。作りもののプライベートをみんなに見られてしまって、それは作りもののくせに、現実のあたしを強い力で締め上げてくる。
「わかったよ。あのAI画像を作ったやつ。元カレの、あの男だよ。」
友人に聞いた。そうだと思っていた。
デジタルタトゥーを消す方法。
それは、実物が消滅すること。
本人がいなくなれば、付随するものはすべて無価値だ。
あたしは消えよう。デジタルタトゥーを消すために。
消す。
あたしを。
──名前を変えよう。
で、ちょっと顔を直したいって前から思ってたんだよね。
完
参加させていただいたのはこちら。
