「キリエエレイソン(主よ憐れみたまえ)」と「日天」という神の不思議な関係
「キリエ・エレイソン」、kyrie eleison, Κυριε έλεισον 。
これは、主よ、憐れみたまへ、と言う意味の文で、また、音楽の名前、ジャンルにもなっている。
キリエというのは、あまりなじみがないが、ギリシャ語の「主よ」という呼びかけ、呼格である(主格は、クリオス、κύριος)。
印欧語は呼びかけの時、語尾が変わることが多かった。
Et tu Btute
ブルータス、お前もか
というシェイクスピア『ジュリアス・シーザー』のセリフも、ここはなぜかラテン語で書かれており、Brute の -e が呼格である。
ラテン語としては、Brutus ブルータスはブルートゥスと読むが、呼びかけは、Brute ブルーテ に変える必要がある。
それはともかく、クリオス、κύριοςは、キリスト教以前、権力者、という意味で、すべての長ゼウス、(Ζεύς ο πάντων κυριος )などというふうに使っていた。
この kúrios は、サンスクリット सूर्य Sūrya と同語源である。

インドの神とキリスト教の神が同じ語にさかのぼるというのは面白い。
まあ、同じインド・ヨーロッパ語族ではあるが。
しかし、ギリシャの太陽神と言われれば、まず、Ἀπόλλων アポローンが頭に浮かぶだろう。
もともと、へーリオスという神が太陽神なのだが(そもそも Ἥλιος は「太陽」)、疫病、神託、浄化のアポローンと同一視されていったらしい。
それはともかく、インドのスールヤ神は、仏教では、「日天」と訳される(水天(宮)、火天、帝釈天、兜率天などと同じ天部の神々)。

印欧祖語は、*ḱeuh₂- 「膨らむ、強い」という意味になる。
たしかに、権力者は外へふくらむ感じがする。
貧相な権力者は少ないのではないか。
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