メタルヘッズの世代間の分断は存在するのか?
先輩「ジュン君ってJudas Priestの曲聴いてカッコいいって思ったことある?」
自分「いや、一回も無いです」
一昨年のメタルのDJイベントの際に一回り上の先輩から質問されて間髪入れずにこう答えた時、ちょっと寂しそうな顔をしていた。
でもチルボドがライブの時に「Down Fall」の導入でMötley Crüeの「Too Young To Fall In Love」→Judas Priestの「Breaking the Law」→Dioの「Holy Diver」のイントロをカヴァーしてた時には素直にカッコいいと思った。
ただ原曲を聴いた時に何も感動を覚えなかった。
レコーディング技術の問題もあると思う。
例えば自分がMETALLICAを初めて聴いた20年くらい前のこと。
中学生だった当時KORNがMTV ICONでやっていたONEを聴いた時の衝撃と、それを楽しそうに見るメンバーのニコニコした顔は今でも覚えている。でもその後に原曲を聴いた時の感想は「長ぇ」だった。
その後高校生だった自分が「Master Of Puppets」を原版で聴いた時の感想は「曲はカッコいい。でも音がBOSSのWEBサイトで聴いたMetal Zoneのサンプル」だった。しかしS&Mを聴いたら鳥肌が立つくらいカッコよかった。
ちなみに初めて買ったメタリカのアルバムはスタジオライブのDVD付きの「St. Anger」で今でも大好き。一番好きな曲は「Sweet Amber」
ちょうどこの翌年にSLIPKNOTがVOL.3を出して、ドラム3点を前に押し出してメタル業界のサウンドメイキングがガラッと変わって、後のメタルコアブームに繋がっていった時期。
しかし往年のメタリカファンからは「なんだこのドラム缶みたいなスネアの音は!」、「メタリカは終わった」みたいなことを言われてたのを覚えている。当時の2ちゃんねるで。
それを見て「お前らマジで耳ついてんのかよ。」と思っていたし、多分それっぽい事を書いたら怒られた記憶がある笑
この記事を書いている人間のメタル遍歴
自分は1989年生まれ。小学6年生(2001年)の時にファイナルファンタジーXの挿入歌でインダストリアルなサウンドに感化されたのがこの界隈への入り口だった。(ついこの間までRAMMSTEINが歌っていると思っていたら勘違いだった。)
その後ネットの掲示板で『この曲みたいな曲が聴きたいから教えてください』と聞いて回ってたらROB ZOMBIEとかSLIPKNOTとかLIMP BIZKITとかLINKIN PARKを教えてもらい、小6のお年玉を全てCDに注ぎ込んだ。
つまりゴリゴリのニューメタル世代。
当時は2000年代初頭のサウンドに耳が慣れていたので、KORNの初期のサウンドも「のっぺりした平面的な音」と思っていた。
その後厨二の頃にSLIPKNOTが好きすぎてギターを初めて、高校に入ってバンドを組み「作曲するにあたってルーツを掘ろう」と思いメタルやロックの歴史を横に縦に戻って1930年代のブルース、カントリーウェスタンくらいまで遡った。
そこからワールドミュージックやクラシックやジャズを掘っていたら高校生の頃には音楽の話が合う友達がいなくなっていた。なんせ長野県の人口5万人の街だから。People=Shit。
中学の時は友達がみんな当時のHIPHOPとかオレンジレンジとか湘南乃風とか歌ってる中でリンプを歌っていて皆ポカーンとしていてドリンクバーに行ってしまい、1人部屋に残った。まさにチョコレートスターフィッシュ。
クソとうんこに縁がある中高生時代だった。
本題であるメタラーの世代間の分断はあるのか?について
「あるけど無い」
なぜかと言うと
・『メタルが50年という歳月のなかで広義になった結果、年代・サブジャンルでリスナーの聴き始めた時の形状が全然違う』
・『揉める時はそれぞれが勝手に作ったメタル観をぶつけ合っているけど、基本的には偉そうにする歳上が悪い』
の 2点。
サブジャンルの増加とリスナーごとの出発点の違い
大枠で「メタル」に括られる1970年代と2020年代のメタルを見比べてみる。
まずはじめにメタルの始祖。2025年いよいよラストライブを行うOzzy Osbourne率いるBLACK SABBATHが『Paranoid』をリリースしたのは50年以上前のこと。
続いて2025年の2月にZEPPダイバーシティを単独来日で即ソールドアウトさせたLorna Shoreから代表曲である『To The Hellfire』。ParanoidのMVがスタジオライブっぽい雰囲気だったのでスタジオライブバージョンを。
全く別のもの、少なくとも同じジャンルではないと聴こえた人が大半じゃないだろうか。しかしこのバンドはWACKENなど名だたるビッグフェスにJudas Priestら大御所と一緒に名を連ね 数万人の観衆を沸かせている。
少し極端な事例を並べたものの進化なのか変化なのかは置いておくとして、1970年代にメタルを聴き始めた人と2020年代にメタルを聴き始めた人では認識にかなり隔たりが出そうなのが感じられると思う。
少なくとも10年前だったらLorna Shoreのようないわゆるデスコアバンドが単独来日で2000人オーバーの箱をソールドアウトするのはあり得なかった。
2010年代にメタルを聴き始めた若手リスナーでもビックリしていると思う。
次にメタルがエンターテイメントとして商業的にも成功を収めた1980年代のメインストリームのアーティスト、2010年代のアーティストを比べてみる。せっかくなのでライブの熱狂が伝わるものを。
1980年代 IRONMAIDEN、SLAYER
ギターのハモりに煌びやかな伸びのあるハイトーン。
畳み掛ける様なリフとツーバスにがなり声。
1970年代に築き上げられたHR/HMの土壌から、サブジャンルが細分化されながらシーン全体が巨大化していった1980年代。
今はレジェンドとされるギターヒーロー達がしのぎを削り合った戦国時代、テクニック面での競争が激化し世界中で熱い戦いが繰り広げられた。
伯爵も大暴れ。
大衆化とエンタメ化は急速に加速した分、しぼむスピードも早く1980年代後半をピークに90年代入り口頃には多くのミーハーリスナーは離れて気合の入ったオタクとヘッズが残った印象。
今20代の人は2010年代にEDMとフェスが突如ものすごい勢いで盛り上がってから急に落ち着いたのを思い出してもらうと分かりやすいかもしれない。
あの頃ノリでDJ機材買って『俺DJ始めたんだ!』って言ってたのにすぐ辞めちゃった人多かったでしょ?そんな感じ多分。
そしてメインストリームの裏側でシンフォニック、デスメタル、ブラックメタル等のサブジャンルも続々と世界中で産声をあげながら急成長していったとんでもない時代。
2010年代 Bring Me The Horizon 、Parkway Drive
ニューメタル、メロデス、メタルコア、テクデス、デスコア、エレクトロコアなど2000年代の変化の早いグッチャグチャの潮流を経て激しさもエモーショナルさも洗練された時代。
というか2000年代の戦乱を生き延びた武将と、それに匹敵するか追い越す様な猛者しか表に出てこれなかった雰囲気だったと当時を思い返すと感じる。
レコーディング技術の発展もあったせいか新人がデビューアルバムからめちゃめちゃ音像の綺麗な音源を出しまくっていた。
ボーカルはメロもスクリームもできて当たり前だし、スクリームの声色もたくさん使いこなせる。
2000年代初頭は上物のSE程度に流れていた電子音も、楽曲の存在感を担う一部になる。
楽器隊はめちゃめちゃスキルフルなのに、技術を前面に出す時以外はグルーヴ重視の渋いプレイをするし刻み方のパターンも多様。
時代的にメタルに何を混ぜるかという実験が一周終わった後だったので、売れるのにこんなにセンスとスキルのハードルが高い時代があったんだろうかという気がする。
日本でラウドロックシーンの地盤が固まって激しいバンドが国内の大型フェスの常連になり、自分達のフェスを作り始めたのもこの時代。
ただ2012〜15くらいまで自分はK-POPとダブステップとドラムンベースにハマっていてメインストリーム以外はあまり追えていなかったので、その辺りの細かい空気感は把握できていない。
前述したBLACK SABBATHとLorna Shoreほどの違いではないにせよ、1980年代と2010年代はその間の20年の影響でかなり毛色の違うシーンになっていると思う。
またライブでヘドバンしている人は両方にいるが、2010年代のライブ映像にはモッシュピットがあるのもリスナーの遊び方の変化がわかるポイントかも。
つづいて1990年代と2000年代へ
1990年代 KORN,SLIPKNOT
1980年の終わりに大量にいたミーハーなリスナーが離れて巨大なムーブメントが一回落ち着く。
かと思えばMETALLICAは速さよりもグルーヴ重視のアルバムを出してめちゃめちゃ売れる。PANTERAがグイッと表に出てきたけどなんか今までと作風が違う。
そして本来メタルシーンに入ってきそうだったタイプの若者たちはNirvanaに代表されるグランジに流れていく。
『俺たちの好きなメタルどこいった!?』とファンが困惑した時代だったんじゃないだろうか。
しかしその裏で初期のメロデスが産声をあげたり、シンフォニック、メロスピ、ジャーマン系はより一層盛大になったり、パンク経由のハードコアシーンとの融合で元祖メタルコアが産まれたりと細分化されたアンダーグラウンドシーンは確かに進化を続けていた。
ブラックメタルはあの有名な事件も起きるくらい過激化していた。
ただメインストリームの様子がガラッと変わった。
HIPHOPが80年代の熟成期間を終えてどんどん資金が注入されR&Bシンガーとのコラボ等も含めてメジャーな音楽シーンの代表格となり、ギャングスタ界隈では東西闘争も始まろうとしていた1994年。突如フォースの暗黒面から飛び出してきたかのようにKORNが現れる。急に異世界のゲートが開いた。
ギターソロが消えたことはそれまでのメタルシーンを追っていたファンからは衝撃だったかもしれない。そしてHIPHOP的な縦ノリ。多弦の弦楽器隊の重苦しいサウンド。
マイクパットンがMCハマーみたいなフロウで愉快に飛び跳ねていたのとは似ても似つかない。↓↓↓
でもそれがグランジの陰鬱な雰囲気が既に受容されていて、HIPHOPの爆発的な市民権の獲得という時代背景もあってめちゃめちゃウケた。(と思う)
それまでのメタルヒーローたちはどこかで最低限カッコつけていた。
一般的な人達から見たらチンドン屋に見えていたとしても、メタルシーンの中ではマッチョであろうとしたりタフであろうとしたり、陽キャであろうとしていた。
しかしKORNのフロントマンは自他共に認める100%濃縮還元のいじめられっ子。なんならバンドに加入する前はバンドメンバーからもいじめられていたし、学校では教師ぐるみでいじめられ『HIV』と呼ばれていたので、腕にHIVとタトゥーが入っている。
そのいじめられっ子が鬱っぽい重々しい演奏を切り裂くかの様に叫び散らして等身大のヘイトソングを歌う、異世界からきたダークヒーローの爆誕。
今までのメタルの価値観は崩れ去り、楽曲面での連なりもあまり感じられないがセールスは良い。
『ニューメタル』という言葉はそんなニュアンスとムーブメントから生まれたんじゃないかと思う。
ガンダムのアムロや、エヴァのシンジ。見ていてこっちが心配になるキャラクターが主人公になった感覚と近いかもしれない。
故に当時のBurrn!は頑なに取り上げなかったし、熱心な読者の中ではあの頃メインストリームのメタルは死んだことになっていた。
しかし当時なぜかSepulturaが表紙になっていたのは大きなものと戦うファイティングスピリットがあった(それまでのメタルのメンタリティを壊していないと中の人が判断した)からじゃないかと邪推もできる。
KORNの躍進でニューメタル、ラップメタルの突破口が一気に開かれ90年代の後半から縦ノリ系のバンドが続々と登場する。おそらくメタル史上最も演奏が簡略化されていたのでそういった意味でもプレイヤーが参入しやすかったのかもしれない。
ルックス面で行くとヒゲ、ロン毛、ハゲがかなり減ったのでそれも従来のメタラーの反感を買うポイントだったかもしれない。端的にいうとチャラく見えたんじゃないかと。
それと同時にOZZFESTが始まり若手を引っ張り上げ始めたのもこの頃なので、従来のリスナーは困惑していたかもしれない。
90年代の終わり頃にLIMP BIZKITがデビューしてより一層人気とヘイトを集め、仮面集団のSLIPKNOTが現れて第二の風穴を空けニューメタルは2000年代の成熟期へ突入する。
また90年代はヨーロッパを中心にレイヴシーンが急拡大した時期でもあり、それと時を同じくして現れたMinistry、Fear Factory、Nine Inch Nails、RAMMSTEIN、Marilyn Manson等のインダストリアルメタル(ロック)も後の2000年代のバンドに大きな影響を与えている。
2000年代 LINKIN PARK、Killswitch Engage
1990年代の後半に玉石混交のニューメタルやインダストリアルシーンを経て美味しいとこどりで1つの完成系を作ったのがLINKIN PARK。
2000年にデビューアルバムをリリース。
そして90年代のメタルコア、デスメタル、メロデスの活況を経てメタルコアをメインストリームに押し上げたKillswitch Engage。
なんでそこでKillswitch Engage をあえてチョイスするのかという声もありそうなところだけどこれには理由がある。
2000年前半から中盤のメタルシーンの新規リスナーは映画のサントラからの流入が多かったからだ。
マトリックス、バイオハザード、フレディVSジェイソン、スコーピオンキング、デアデビル、スパイダーマン、クイーン・オブ・ザ・ヴァンパイア等々。
当時話題を呼んで大量に動員していた有名な映画のサントラの多くに、その時売れていたメタルバンドが収録されていた。
なんでこんなにメタルだらけなんだろうと今でも不思議に思う。
エンターテイメント業界がメタルシーンを猛プッシュするという1980年代の再来の様な時代だった。
そんな流れの中でメタルコアの存在を多くの人に認知させたKsEの功績は他のバンドと比べて頭1つ抜けているんじゃないかと思う。
バイオハザードの1作目でSLIPKNOTにハマった人たちが期待して2作目を見たらエンディングでいきなり壮大でメロディックなメタルコアが流れるんだから、それはもう結構な衝撃だったんじゃないかと。
その後2000年代の中盤からメタルコアブームが始まり、よりエクストリームなデスコア、テクデスが現れ、電子音の存在感が増したエレクトロコア、(局所的な現象として蟹コア)が流行り90年代からの連なりが分散して進化していきながら2010年代に突入する。
この時期80年代の影響を色濃く受けたまましっかり売れていた若手はAvenged SevenfoldとTriviumが目立っていたと思うが、そのスタイルが若者のメインストリームのど真ん中にいたかというとそうではなかったと記憶している。
年代によって聴き始めた時のメタルの形が違いすぎる
自分の主観と少ないサンプル数であるものの1970と2020、1980と2010、1990と2000というくくりで年代別に比較をしてみた。『メタル』と名がつくだけでかなり音楽性の違うものが流行っていたのがわかると思う。
BLACK SABATHから始まった小川が、プレイヤーの大量参入で大河になったが日照りでやや細くなる。
KORNで地殻変動が起きてまた新しい川が生まれて大河になり、もともと細っていた川とも再度合体。
他ジャンルの川とも合体して史上最大規模のアマゾン川みたいな状態になった。
アングラなシーンで起こっていたことは横において商業的に認知された部分だけに絞って言えばこんな流れじゃ無いかと思う。
KORNの登場とニューメタルブームはパラレルな出来事だったかもしれないが、そもそも始祖のオジーオズボーンがパラレルワールドの住人達を集めて自分たちの認知度も再度復活させたのがOZZFESTなので、アーティスト達は連なっている。
となると分断しているのはアーティスト側ではなくリスナーの方では。
リスナーは聴き始める時にヒナドリみたいな状態なので初めてハマったアーティストを親として認識する。それが基準になる。
アーティストはそれぞれデビューする10年、20年前の音楽から影響を受けていることは間違いないが、アウトプットされた作品がそれを感じさせるものかどうかは別の話。
たとえば今35歳の自分が2002年に聴いた時ですらかなり古く感じたから『メタルを聴いてるならメタリカは聴いてるよね?』と今の若者にいっても無理がある。例えばこんな感覚が近いかもしれない。
『紅白の演歌って誰得やねん、要らんやろ』
— Henry (@HighWiz) December 31, 2024
って子供の頃から今までずっと思ってたけど、
GLAYとかB'zとかでおっさんおばさんが大興奮してるのを見て、『これか』と。
なお自分はこんな見解。
1980年代当時のメタル好きに、「君はメタル好きならそのルーツである1950年代のブルースとかロックンロールは聴いてるよね?良いよね?」って言っても「なんか違う」って言われてたと思う。
— JUN 主にMETALのVDJ (@jay0528jay) February 10, 2025
今のHIPHOP好きの若者がみんなバンバータ聴いてる? https://t.co/QVgUdJhzUG
例えば速さ、重さといったエクストリームな要素を求めてLorna Shoreを聴いている20代がSlayerを激しいと思うだろうか。
少し物足りなさを感じると思う。2000年以降はスクリームやデスヴォイスが当たり前に曲の要素としてあったので、そのあたりも影響するかもしれない。
かといって今の若手バンドもRaining Bloodのような伝説的な名曲はライブでカヴァーして、会場を沸き立たせているので『カッコいい』ことは伝わっているはず。
20年前にSLIPKNOTのドラムのジョーイも「Heretic Anthem」のドラムブレイクでSlayerの「Angel of Death」を『オマージュしている』と本人たちに伝えたことがあったそうな。
Slayer『そうなのか!つまり俺たちのパクリだろ!笑』
ジョーイ『そのくらいあんた達が大好きなんだ』
該当部分のパートはこちら↓
その後当時のスレイヤーのドラムだったポールが脱退した時にジョーイが加入する話まであったくらいだから結構な仲良し、マイメンであることは間違いない。
hiphop好きなのにJay-Z知らないなんてのはググれば解決するんだからいい。
— 橋本Jazzyhiphop (@zinruinosinka99) April 4, 2024
問題はJay-Zは好きなのにhiphopにリスペクトのないやつだ。
hiphopの世界でも去年こんな話題があったけど構造は似ている。
リスナーが自分の好きなアーティスト像をカルチャーに対して押し付けることは、そのジャンルへのリスペクトが足りないんじゃないか?
ただ何度も言う様に多くのリスナーは『聴き始めた時の感覚が起点』なので、全てのリスナーがそのエッセンスを感じ取ったりそれ以前のアーティストを、『リアルタイムを知るリスナーと同じ濃度で楽しむことは難しい』と思う。
だけど基本的に「先輩リスナーが自分が最高だと思っているものを共有できないからヘソ曲げてしまうか、拗ねちゃう」のが世代間で分断が起きる一番の原因ではないかと思っている。
拗ねる先輩リスナーが生まれる理由を考察
例えばこんな研究がある。
ちょうど自分も就職したばかりの23~24くらいの時は仕事に一杯一杯でそれ以前と比べると新しい音楽に向き合えていなかった。
それに学生時代のように『自分の周辺との人間関係』だけに注意を払っていればよかった頃と比べたら、社会人になってからの生活は音楽に没入するにはノイズが多い。
こんな記事もある。
一番ピュアに音楽に向き合えていた時の没入感は、それだけリスナーにとって最高のエンタメ体験なんだろう。
そして孤高を愛するメタラーといえどやはり人。
共有できる喜びと肝心なところで分かり合えなかった時のショックみたいなものは大きいのかもしれない。
だからたまに『○○こそ至高』みたいな変なオタクやおっさんが現れてしまうんだろう。そんな強がんなって。
その年代のリアルタイムを知っている人にしか分からない各アーティストの最高潮のパフォーマンスは絶対にある。
今の自分がどんなに望んでもランディ・ローズのギタープレイは見ることが出来ないのと一緒で、今の若者がどんなに望んでもオリジナルメンバーのSLIPKNOTは見れないし、チェスターがいるLINKIN PARK、ミッチがいるSuicide Silenceも見れない。
それはそれぞれの年代の人達が大切な思い出にしながら、バンドと共に歳を重ねていけばいいと思う。
だからおじさんだらけになったLOUD PARKは一種の正解だと感じている。
若者がほとんど来なくても嘆く必要はないし、若者は若者で勝手に新しいフェスに行っているから何も問題ない。
それぞれの年代がそれぞれの激しさで勝手にムーブメントを作り出していくから、あとはリスナーがどこまで柔軟に楽しめるかの話だ。
ただいかなる理由でも歳下に説教くさいのはナチュラルに人間として良くない。
アラフォーの人ですら『メタルバーにいくとうるさいおっさんがいてイヤだ』って言ってるのを何度も聞いたことがある。
昔から口だけ達者な偉そうな先輩やおっさんは嫌いなので、そこには率先して中指を立て続けたい。
そして今の10代〜20代、サブスク世代の若者達の情報量は本当に凄いのであまり見くびらない方がいいし、自分は今でも色々教えてもらうことが多い。
サブスク世代の多くは彼らが生まれたくらいのメタルをかなり正確に把握している。
K-POPで例えたらBTSやNew Jeansを聴いている若者が冬のソナタの主題歌を歌えるのに等しい。これはかなりすごいことだと思う。
最後に

オジーがいよいよ自身のキャリアに終止符を打つ。
1980年代に生まれた後進、四半世紀前に拾い上げたパラレルワールドの住人、その子供たちまで全て集結させてライブを行う。
10代〜70代の世界中のリスナー達はこのラインナップを見てそれぞれどう思うんだろうか。
自分はいまだにブラックサバスの曲だけを聴いてもそこまで興奮はしないし、心踊ることもない。でもOZZFESTでオジーが引き上げたバンド達を聴いて楽器まで始めているので本当にオジーは偉大な人だと思っている。
ランディ・ローズもザック・ワイルドも大好きだ。
2006年の夏、高校生2年生の頃それぞれが奏でるMr.Crowlyのギターソロに興奮して交互に聴きまくっていたのは今でも忘れない。
だから多分BLACK SABBATHのラストライブを見たら泣くと思う。
もしかしたらその時はじめてBLACK SABBATHの曲をストレートにカッコいいと思うかもしれない。
今はまだDJをしていることや、20代の若者達と接する機会もあるので一応新しいサブジャンルやアーティストを楽しめている。
出来たらこのまま新しいものも昔のものも発掘しながら面白がって感動できる感性でいられたらいいなと思う。
でも基本的にメタルのリスナーってどこか捻くれてるのでずっと喧嘩してればいいと思う。その方が面白いし元々はみだし者達が発散してる音楽なんだからぶつかってナンボだ。
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長野県でやっているメタルのDJイベントでは、アラフォー、アラフィフ、アラ還のおっさん3人が今回の記事みたいな色々ぶつかり稽古をしながら運営しています。よければ聞いてみてください。
偶数月の第三土曜日に定期開催しています。
