『プリデスティネーション』──数奇という歯車の物語
『プリデスティネーション』
2025年見た映画の中、
マツリカランキングで栄えある1位獲得です!
(作品は2015年に作られたもののようです)
正直、複雑すぎてあらすじを書くことも難しい、そして性別を扱うテーマのため、向き合い方に悩む作品でしたが、続きが気になって仕方ない作品でした。
途中で物語の仕組みを理解できてしまう方もいると思います。
私もバーでの会話で理解してしまったクチですが、それでもどう種明かしされていくのか、楽しみでした!
◆頑張ってまとめたあらすじ(長いです)
主人公はタイムトラベルを駆使して、未然に犯罪を防ぐエージェント。
爆弾魔の設置した爆弾の解除に失敗、顔に大きな火傷を負い、整形手術をし新たな顔で生きることになります。
主人公は任務で過去に向かい、バーテンダーとなります。
そこに風変わりな客、ジョンが来て、彼の奇妙な過去を聞きます。
ジョンはかつて、孤児院で育てられ、非常に賢く、ケンカの強いジェーンという名前の女の子でした。
他人と上手く馴染めず、誰からも引き取られないまま、大人になります。
ジェーンの元に、宇宙飛行士のスカウトが入ります。
訓練所で優秀な成果を出すジェーンですが、トラブルからケンカになり、訓練所を追い出されます。
そんな中、ジェーンは自分と同じくらい教養があり、自分の事を見透かす不思議な魅力を持つ男性と出会い、妊娠します。
ですが、男性は姿を消してしまいます。
ジェーンは帝王切開で女児を産みますが、出産と同時に子宮と卵巣を失い、同時に両性具有だと知らされます。
彼女は性転換にて男性として生きることを強いられます。
ジェーンは自分の名をジョンと改め、娘にジェーンと名付けます。
娘は、生後まもなく新生児室から誘拐され、ジェーン改めジョンはその後の10年を、男性として必死に生き抜きます。
自分の人生を壊した男を殺したいと望むジョンに、主人公はタイムトラベルさせ、復讐のチャンスを与えます。
見返りとして、自分の仕事を引き継ぐ事を約束させます。
ジェーンが元交際相手と出会った場所で、復讐のタイミングを待つジョンですが、自分こそがジェーンを妊娠させた相手だと気付きます。
ジョンは、自分であるジェーンを愛してしまったのです。
「こんなに魅力的だったのか」と。
主人公は、新生児室からジェーンの赤ん坊を誘拐、さらに時を遡り孤児院前に赤ん坊を置いていきます。
ジェーン=ジョン=赤ん坊 というおかしな図式ができます。
主人公は、幸せそうにジェーンといるジョンを呼び出し、仕事の引き継ぎの約束を守らせます。
ジョンは新たなエージェントとなり、多くの犯罪を未然に防ぎます。
主人公は、引き続き爆弾魔を追います。
タイムトラベルには重ねるにつれ、精神病の引き金となり、認知症が進むという副作用がありました。
限界以上のタイムトラベルを主人公は行い、爆弾魔と顔を合わせます。
爆弾魔は、老いた主人公の顔をしていました。
未来の主人公は、犯罪を防ぐために、違う犯罪を犯し、さらに多くの被害者を生み出していたのです。
「俺を撃てば、お前は俺になる。殺しても意味がない、どうにか俺を愛するんだ」と主人公へアドバイスをしますが、主人公は爆弾魔を撃ち殺します。
主人公は自分の姿を思い出します。
両の乳房を切除した、帝王切開の傷跡のある体。
主人公は、ジョンでした。
ジェーン=ジョン=赤ん坊=主人公=爆弾魔。
「自分の人生を壊した男を殺したい」は、
こんな形で決着が付きます。
◆航時局の目的
ジョンの所属する『航時局』の真の目的は、
犯罪を未然に防ぐ事ではなく、ジョンのような人生の循環ループを回収し、時間に秩序をもたらすこと。
ジョンの上司 ロバートソンは、ジョンを密かに監視し、ジョンに自身を撃たせるよう仕向けています。平エージェントであるジョンと、ロバートソンの任務は異なるのです。
孤児院や、赤ん坊のジェーンが生まれた病院、宇宙飛行士訓練所も組織の息のかかった施設だと匂わせられます。
◆ジョンの考え方の変遷
タイムトラベルを重ねるにつれて、
ジョンは選択する自由を減らしていきます。
犯罪を未然に防ぐことだけが全て。
「過去を変えられる?」
「選択肢はある?宿命には逆らえないのでは?」
↓↓
「任務以外、一切考えない」
「変えられない物事もある」
↓↓
「局の指示より多くを救った」
「結末が決まってる物事もある」
◆ループを止める方法
ループを止める方法はありました。
ジョンが赤ん坊を誘拐せず、その世界線で生かすこと。
爆弾魔ではなく、自分の息の根を止めること。
その選択をしなかったのは、タイムトラベルを重ねたジョンには、正常な判断ができず、もはや選択肢を失っていたのです。
◆ジョンのループは筋書き通り回収される
ジョンのループ回収は、全てロバートソンの筋書き通りに完了。
ただ、『時の秩序を守る』という壮大な目的は、
ロバートソンの更に後ろにいる巨大な存在からの命であるように感じました。
◆未来から過去を変えられた
ジョンが爆弾魔にならなければ、ジョンは顔を焼かれなかった。
顔を焼かれなければ、バーにいるジョンに会えなかった。
バーにいるジョンに会わなければ、ジェーンは女性のまま、赤ん坊も生まれなかった。
赤ん坊が生まれなければ、ジェーンは存在しなかった。
このように、未来から過去に遡ることで、元凶は消えるのです。
鶏が先か卵が先か。
それを問う映画でした。
来年も面白い映画に出えるといいな〜♪

