「僕の知らない君は誰?」──その答え
kingGnuの楽曲で『カメレオン』『硝子窓』というものがあり、『カメレオン』のアンサーソングが『硝子窓』となっています。
トップスターになったテレスという女性と、
置いていかれる気から自信を失くすレオンという男性のすれ違いの物語です。
『カメレオン』でレオンが問う
「僕の知らない君は誰?」に、
『硝子窓』でテレスが答えています。
レオンは「理想の自分になれる薬」を飲みます。
それは、理想と同時に、劣等感も増幅させるものでした。
テレスはレオンの元に駆け寄り、抱きしめます。
けれど、間に合いませんでした。
テレスはレオンを追います。
外は雨。窓ガラスの雨粒が流れ落ち、テレスの頬を涙が伝っているように見えます。
レオンは自分の劣等感を受け入れます。
ようやくテレスはレオンと再会し、2度目は間に合いました。
カメレオンと硝子窓の対比
カメレオンは変化、環境変化に適応する、偽りを意味します。
レオンから見るテレスは役割を演じるために作り笑顔を浮かべ、何が真実なのか分からなくなっているのです。
硝子窓に反射する人物は、鏡に映った自分であり、誤魔化せない偽れない姿です。
カメレオン→偽
硝子窓→真
の構成となります。
質問の答え
『カメレオン』では、自分より先に進んで手の届かない存在になったテレスに、レオンは「僕の知らない君は誰?」と問いかけて終わります。
その答えが、『硝子窓』でテレスから語られています。
今日だけは総てに糸目は付けないの
硝子窓に映る あなたはわたし
他人事では居られない あなたはわたし
あなたに会えるなら、キャリアもお金も宝物も何もかも差し出す。
硝子窓に鏡のように映る、狼狽え涙を流す女性がわたし。
あなたを失った事に、他人事では居られない女性がわたし。
レオンはテレスが自分をどう思っているのか、分からなくなってしまったけれど。
テレスの行動は何よりも、雄弁。
理想の自分
『カメレオン』のラスト、列車のシーンは、レオンが見た幻なのだと私は思っています。
テレスと対等でいられる自分。
そんな自分にレオンはなりたかった。
「理想の自分になれる薬」でそんな幻を見た彼ですが、もしかしたら黒いモヤモヤは、理想の自分になるために、きちんと自分の弱さを見つめ直さなければならない、そんな副作用が含まれていたのかもしれません。
2つの楽曲のメッセージ
私は『カメレオン』のラストは、レオンはテレスに会えたもののバッドエンドになってしまったのかなと推察しているのですが、
『硝子窓』のラストでは再会できており、リスタートできる可能性を感じました。
弱さは負けじゃない
壊れたら直せばいいよ
硝子窓の歌詞がそう示すように、
壊れても、闇に飲まれても、
まだ終わりじゃない、やり直したらいいよというのが、2つの物語のメッセージとして挙げられます。
私は、「僕の知らない君は誰?」とその答えを、
きちんと2人で話し合ってほしいなと思っています。
お互いに届くように。
伝えないと、案外伝わらないものだから。
