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生演奏で「RRR」を満喫

RRRコンサートに行ってきた。
正式には、「RRR in コンサート」。映画上映に合わせて、本物のオーケストラが映画内で使われる音楽を演奏し、「生演奏」で映画鑑賞を楽しもう、という企画だ。

映画も音楽も好きであるならば、もう聞いてるだけでワクワクしませんか??

しかも、大好きなインドのテルグ語映画「RRR」だ。関連するイベントは逃せない!
ということで、春の一日、都心部まで赴いた。


いただいたパンフレットの表紙。永久保存版ですね

まず、演奏してくれた東京フィルハーモニー交響楽団に心から感謝したい。

「RRR」で使われる音楽はインドの独特のエスニック(民族音楽)な曲調やリズムも多く、普段演奏している曲とは曲調などががらっと異なると思われる。きっと、団員の方々には思わぬ苦労もあったに違いない。
特に、劇内でも印象的な使われ方が目立つパーカッションの担当者は大変だったのでは、と推察した。
(実は私も、中学校の時吹奏楽部でパーカッションを担当し、ティンパニその他を演奏していた。リズムを崩さずオーケストラ全体をリードしなければならず、間違えれば超目立つポジションで、めっちゃプレッシャーだったことを覚えている)

そんな想像をしながら聞いた、生演奏による「RRR」。
映画とはまた別の、これぞ「東京フィルハーモニー交響楽団のRRR」だった。

映像を流しながらそれに生演奏をかぶせるという、今ここに書いてるだけで「難易度高っ!」と恐怖で身がすくむようなことをしているのに、生演奏という失敗も調整もできない「その場限りの一発勝負」を3時間ちょっともしているのに。
映画で聞くのとはまた違う曲調で魅せながら、さらに時々はアレンジまで織り込む余裕!
もともとの「RRR」の音楽の醍醐味はしっかりと残しつつ、「東京フィルハーモニー交響楽団オリジナル」のRRRもかぶせてくる。

プロフェッショナル集団の達人技を目の当たりにしました。

冒頭。
大きなスクリーンに静かに映像が流れだす。最初に、映画製作に関わった企業や人物等のクレジットが入れ替わり現れる。
「あ、ここからきっちりやるんだ」
と思っていたら。。。

指揮者が指揮棒を振り上げる。
息をのんでみていると、

「ジャヤ、ジャヤ!」
流れたのは、RRRの制作会社であるDVVエンタテイメントの、あの印象的なロゴと会社紹介の動画。
映画が始まる前、この時点ですでに身も心もインドに連れていかれる、大好きな動画だ。
おおおおっっっ!あの部分から演奏してくれるんだ!
わーーーん、感動!!
RRRファンのツボを分かっておるな!


映画を観ていない方にはなんのこっちゃ?と思われるかもしれないが、
観てる人にとってはこれだけで胸アツな画像

そしてすべての始まり、映画の大事な導入部である。インドの素朴な少女マッリが、圧倒的権力を誇る英国側にあっという間に連れ去られてしまう場面。

管弦楽とパーカッションで不穏な旋律が高まり、聴いている私の胸のドキドキもそれに伴って高まっていく。

こんな調子で、ついつい「あっ、この場面はどの楽器が主役なのかな?」「この旋律はどう演奏するのかな?」といったことが気になり、しばしスクリーンよりも楽団の皆様に見入ってしまいました(すでに映画も20回以上も観ているから、とも言える)

RRRの特徴は、インドの音楽ならではのエスニックさというか、独特の音階やリズムがあらゆるところに濃く盛り込まれているところだと思う。
その音楽を、管弦楽で表現するのはとても難しかったのではと思う。
もともとのオーケストラにシンセサイザーなどを使って「RRR」らしさを出す工夫もしていて、オーケストラでRRRの音を出すということに苦心した様子もうかがえた。

とはいえ、間近でバイオリンやコントラバスの弦楽器の音色の美しさを聞き、団員の方達の迫力ある演奏姿を目の当たりにできるのは本当に感動した。感動のあまり、最初の方はひたすら団員さんたちの演奏ぶりをガン見していて、ほぼ映画を観てなかった。


パンフレットには、今日のオーケストラの配置も掲載されていた

とはいえ、やはり生演奏。時々「ん?」と思うpような箇所もなかった訳ではない。
映画よりも音が小さかったり、映像にしっくり合う音を管弦楽では出せずシンセサイザーで対応したり、本物(映画)の複雑で速すぎる音の推移には対応できないのか、演奏せずに映画の音をそのまま流したり。

でも逆に、不完全な部分があったからこそ、改めて映画「RRR」のパーフェクトさも浮き上がって見えた。
RRRは脚本、ストーリー展開、演出、映像編集、そして音楽も含めて、すべての要素がかちっと完璧なパズルのようにそれぞれの位置にはまり生み出された、完全無欠の作品なんだということを改めて実感した。

映画「RRR」のファンは、もはや「何度も見てます!セリフも音もタイミングもすべて体に染みついてます!」という人が多いので(私がそうです)、演奏する側もプレッシャーが半端なかっただろうなあ。。。

でもでも、そんなオーケストラの真剣ぶりというか、覚悟もちゃんと伝わってきた。

インターバル(休憩)中にも、「ラーマのテーマ」をオーボエ?ファゴット?で練習する音が聞こえてきた。
昼の回が終わった後には、団員も客も引けた会場内で、コントラバスの奏者たちが何事かを話し合い、楽譜にメモを書き入れていた。

「RRR」を演奏するのは今日だけかもしれないのに、アップデートする機会は逃さず、練習は怠らず、真剣に向き合ってるんだなあ。

コントラバスの奏者の一人が、手先だけでなく上半身も頭もそして両足もと、体全体を揺らすように演奏していて、あーいいな、RRR好きなのかな、音楽も好きなんだな、というのが伝わってきた。演奏がないときにはスクリーンをじっと見上げて、映画に見入っているのも微笑ましかった。

ラーマの父が村人たちと共にゲリラ戦の特訓をしているところでは、オーケストラの皆さんが座ったままで足を「ざっ、ざっ」というように動かし、まるで行進しているかのような雰囲気を醸し出していた。
そんな遊び心も盛り込まれて、好き。

生演奏を聴いたことで、改めて映画とその中に出てくる音楽の完成度の高さも痛感した。なんてすごい映画なんだ、「RRR」は!

映画を生み出したS.S.ラージャマウリ監督と音楽を担当したM.M.キーラヴァ―二先生、そして東京フィルハーモニー交響楽団の皆様と指揮者のベンジャミン・ポープ氏。
それぞれの方々の創造に対する真剣さと、深い愛情を感じた幸せな一日でした。

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