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日本人と中国人の“常識のポケット”はこうも違う

私たち日中夫婦の会話の中で「あれ、これって常識じゃないんだ?」という瞬間がよくあります。
妻は中国で約15年、日本で約15年。
私は中国で1年、日本で40年ほど。
どちらも相手国の文化をそれなりに理解しているつもりなのに、どうしても“常識のポケット”のようなものが埋まらず、会話の中で時々ポロッと出てきます。

先日、妻から「中国人なら全員知ってるよ」と言われた民謡がありました。
それが「茉莉花(モーリー ホア)」。妻に教えてもらい初めて聞いたのですが、僕が知らないと言うと、妻「えっ?これ知らないなんて、爷爷(中国にいる妻の父方のおじいちゃん)に怒られちゃうよ。中国人はたぶん全員聴いたことあるレベル」と本気で驚かれました。いや、僕も中国好き歴はそこそこ長いのに……まだまだ“中国常識の基礎”が足りてないらしい。
ちなみに、妻は日本の人気アーティストや人気曲にも結構詳しんですが、ジューク(19)やウルフルズは知らない・・みたいなやはりジェネレーションポケットはあります。

一方で、「日本側の常識」でも妻が驚くほど理解していない分野があります。
それがスポーツ。日本で育つと、別にスポーツが好きでなくても、なんとなく野球やサッカーの基本ルールくらいは知っているものです。
オフサイドがわからなくても、ゴールしたら喜べばいいし、野球ならストライク・ボールがあるくらいは誰でも知っている。……と思っていましたが、妻にはまったく通用しない。

まずサッカー。世界中で人気のスポーツで中国でも人気は高いものだと思っていましたが、妻はルールを一切知らない。ボールを蹴るスポーツであることは知っていても、それ以上の知識はゼロ。それが変わったのは、前回のW杯。アルゼンチン代表を優勝に導いたリオネル・メッシ選手のあのカリスマ的な活躍。妻は「この人はやりよる!」と興味を持ち、そこから初めてサッカーの試合を観るようになりました。メッシという存在が、彼女の中のサッカー常識ポケットを開けてしまったらしい。

そしてもう一つ、日本の国民的スポーツ・野球。これは中国では全然人気がないのは確かですが、妻は大谷翔平には連日のスポーツニュースで興味を持ち、大谷翔平選手のホームランシーンは楽しみにしていますが、実は未だにルールはほぼ全滅。「三振って何?」「攻撃と守備ってどうやって入れ替わるの?」このあたりの説明からスタートです。

日本では小学校の体育の授業である程度サッカーやソフトボールとかやるし、子供同士で野球をしたりするし、家でスポーツ観戦してる親も多かったのである程度基礎知識として持ってるとは思うんですよね。ただ、中国では学校で習うスポーツ競技みたいのはあまりないらしく、興味ないものは見ない!やらない!で一貫しているようです。バドミントン、バスケ、卓球あたりはある程度みんなわかるしやったこともあるって感じかな。

結局のところ、文化の常識って「長く住んだかどうか」だけじゃ埋まらなくて、その国のスターや名曲や人気の風景に“心を動かされる瞬間”があって初めて、ポケットが一つずつ満たされていくんだと思いました。

僕が知らなかった「茉莉花」。妻が知らなかったサッカーと野球。そんな違いを笑い合えるのも、日中家族ならではの楽しさなのかもしれません。

(ちなみにいまだに妻は野球の基本ルールが壊滅的ですが、大谷選手だけは毎回チェックしています。メッシと大谷、やっぱりカリスマは国境を軽々と越えていく・・・)

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