穏やかな日曜日のドライブが、一瞬で「110番」の緊迫に包まれた話
私の日曜日は、長女とのドライブを兼ねた、
買い物に出かけることが多い。
重度の知的障害がある長女は、
家にずっといることができない。
毎日、文句も言わず生活介護の福祉施設に通っている。
だから、日曜日は、羽を伸ばして出かけたいのだろう。
今年はそのお出かけに、私の趣味のひとつ、
神社巡りをちゃっかり追加した。
(自分の楽しみもないと、やってらんないっすw)
―今日はこの神社に行ってみようかな?
まずは自分が行きたい神社を決める。
この神社へ行くなら、買い物はここで。
お昼を食べるなら、あのお店がいいかも。
と、おおまかな行程を決めて、家を出る。
次女はお留守番。
「えっ! 小3の子どもを置き去りにして出かけるの?」
そんな声が聞こえてきそうだけれど、
ご心配なく。
不登校の次女は、平日もひとりで家で過ごすことが多い。
この日も、早く長女と出かけて欲しいと、
家にいながら私のスマホにLINEをしてくる始末。
「ねぇ、まだ出かけないの?」
―すいませんねぇ、お化粧くらいさせてくださいよ(笑)
次女の日曜日は、友だちとオンラインゲームをするのが決まり。
1人で過ごせる時間も、次女なりに楽しみにしている。
私と長女は、バタバタと支度を済ませ、
火の始末を確認して家を出た。
―まずは神社へ行かせてもらいますよ
長女は出かけること自体が楽しみなので、
行き先に文句はつけない。
私の趣味にも付き合ってくれる。(いい子だ)
神社で売られている熊手やお守りにも、興味津々。
時より数千円の縁起物を買ってくれ!と
訴えてきて、しぶしぶ買わされる日もある。
そんないつもの日曜日が、
1本の電話で……いや、目の前の光景で一変する。
神社へと車を走らせていると…
えっ!え〜~~っ!
逆走車じゃん!
なんと、前から白い軽トラが
ゆっくりなスピードで近づいてくる!
田舎道とはいえ、片側二車線の幹線道路。
見通しが良いので、スピードを出す車もいる。
一歩間違えば大惨事になってしまう。
白い軽トラはどこから逆走してきたのだろうか?
30キロくらいのスピードで、私の横を通り過ぎた。
幸い、私の車は左側を走行中。
ほんの数秒のことなのに、頭の中が真っ白になった。
なのに、その運転手の姿が目に焼き付いて離れない。
運転していたのは高齢の男性。
ボーッとしていたような顔つきだった。
隣には同じく高齢の女性が乗っていたような気がする。
その白い軽トラとすれ違った1分後、
私は冷静になった。
バックミラーを見ると、まだ逆走を続けている。
警察に電話しなきゃ!
車を停められる場所がないため、
スマホをスピーカーにして
110番通報をした。
「いま、逆走車とすれ違ったので電話をしました」 と。
スマホを耳に当ててはいないけれど、
いくら通報とはいえ、運転しながら電話をしている私も違反じゃね?という思いが頭をよぎる。
けれど、あの軽トラがもし事故でも起こしたら…と思う見て見ぬフリはできなかった。
パニックになりながらも、スピーカーにして冷静に通報した、
#わたしってすごない ?
電話の向こうの警察官の対応ときたら、
冷静かつ沈着で素晴らしかった。
(当たり前だろw)
ほどなくして、目的の神社に到着した。
その間、サイレンを鳴らしたパトカーや救急車も
見かけなかった。
あの軽トラのおじいさんは、自分で逆走に気が付き、車線を変更できたのだと思いたい。
その夜、ドラマ『教場』を、
いつになく真剣に観ている私がいた。
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