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舞台『カッコーの巣の上で』観客に一切媚びない間宮祥太朗のマクマーフィーは当たり役になった



ジャック・ニコルソンの映画版と同じテイストを期待して観に行った方はつまらなかったらしい



(という感想をSNSやnoteでも結構見かけた)。
キャストも演出家も作られた時代も全然違うのに、映画版と違うからイヤだとはいったい何を期待して観に行っているのだろう?不思議。
(多分つまらなかった原因は本当は他にあるのだと思う)
とはいえ”賛否両論”ある舞台作品は良い作品です。
大絶賛のみと言う方がおかしい。

『カッコーの巣の上で』@PARCO劇場 ポスター

刑務所の強制労働を逃れるため、精神異常を装い精神病院に入院してきた破天荒な男マクマーフィー(間宮祥太朗)。そこは、冷徹な看護師長ラチェッド(江口のりこ)と無気力な医師(皆川猿時)のもと、厳格な規則で患者たちの人間性まで徹底的に統制・管理する絶対権力の場であった。

マクマーフィーはラチェッドの抑圧的な管理体制に猛反発し、博打やゲームを持ち込んで病院のルールを次々と打破していく。彼のエネルギーは、母親に支配されたビリー(坂東龍汰)や、ハーディング(近藤公園)、チーフ(山口航太)ら心を閉ざしていた患者たちに、人間としての自由と生きる気力を取り戻させていく。

だが、マクマーフィーの自由への闘いは、次第に病院側との決定的な対立を生み、やがて衝撃的な結末へと向かう。凄絶な光景の果てに、理不尽な管理社会への抵抗と人間の尊厳を鮮烈に描く物語である。

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最後のカーテンコールから舞台袖に消えるまでマクマーフィーだった間宮祥太朗さん。

その昔、豊洲の回転劇場で『髑髏城の七人-花-』が上演されていた時、第六天魔王だった成河さんが「カテコで愛想が無い、なんでずっと役のままでいるのか?」とぶっ叩かれてた時があった。(当時、まだまだ”小劇場出身の人”みたいな見方をされていた成河さんのことを気に入らない観客も多々居たのだろう。カテコまでエラソーに、と。)

一幕で登場した間宮祥太朗さんのマクマーフィーは、最後のカテコで袖にはける後ろ姿までずっとマクマーフィーだった。
舞台では私は、「目線を頂く」とか「フィナーレは本人」というタカラヅカ的なものや東宝のミュージカル(観客のほとんどが推し活目的のキャストファン)とは全く違うと思っているので、本当はカテコも無くてもいいかな派です。

ミュージカル『ドン・ジュアン』の主演だった藤ヶ谷太輔さんがカテコになったとたんにご自身のファンに向かってまるでヅカのトップスターのように満面の笑みでまんべんなくお手振りをしながら袖に捌けていった姿も今思い出したw スタエン(旧ジャニーズ)の方々はカテコではどんな悲劇的な作品であろうと、必ず”アイドル”として舞台から去るのだな、を学んだ日。
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間宮祥太朗さんのことは私は”映像の人”だと思っていたのですが、若いころから舞台経験がとても豊富な方だった。
舞台で私が拝見するのは今回が初めて。
まず1幕はずっとハイテンションで大声で喋りまくっているマクマーフィー。声の大きさがずっと変わらず、掠れもせず、驚いた。
昨日はもう上演期間の後半戦で、あの声の出し方でずっとやってきたのなら本当に発声がきちんとできていらっしゃるのだなとリスペクト。

勘違いしてはいけない点は、『マクマーフィーは本当は善い人』では、決して無い。
そもそも「刑務所の強制労働を逃れるため、精神異常を装い精神病院に入院してきた」のだから、罪を犯しても全く反省していないサイテー男だ。
精神病院の患者たちから金を巻き上げようとしていたことも本当であろう。善人なんかでは無いのだから。
世の中ナメきって、上手い具合に精神病院に潜り込み、半年で出られると踏んでたところはバカなのであるが、そのくらいの脳みそのセコい悪人だったのだ。1幕の間宮祥太朗さん演じるマクマーフィーは本当にその辺がお見事。

何が正常で何が異常なのか?何が健全で何が不健全なのか?何が本当で何が嘘なのか?

作品の中の精神病の患者たちは自分たちを「自ら望んでココに入った、だから自分がもう大丈夫ですと言えばいつでも出て行ける」と言い、マクマーフィーは驚く。ある意味患者たちは精神病院が適合出来ない社会から逃げるための”駆け込み寺”だと言っているようなものだ。
で、恐らくこれは患者たちがそう思っているだけであって、実際にはそうでは無いはずである。
それでもマクマーフィーは自分は「自ら出て行けない側」であることが分かって、既存の入所していた患者たちとは立場が違うことに愕然とする。
マクマーフィーとしては「自分は気が狂ってはいない、あいつらとは違う」と思っているが、実は”あいつら”もマクマーフィーを「出て行けない人」として気の毒に思っているのだ。

病院の管理側の人たちも、患者も、キャンディー・スターも、ビリーの母親も、もちろんマクマーフィーも。自分は”あいつら”とは違うと思っている異常な世界。だけど今の社会も同じなのでは?

2幕になると、間宮マクマーフィーが、ずっとハイテンションでは無くなり、話し声も大声では無くなる場面が多くなってくる。
”普通の男”のようになってきている不思議さ。精神病院にいるのに。
このあたりがもしかしたら「マクマーフィーって本当は善人なのではないか?」と観客が勘違いしてしまう点で、本来のマクマーフィー的には実はおかしくなっているのではないだろうか?と私は思った。要するに「どんどん調子が狂ってきている」状態。
間宮マクマーフィーのそういう変化が本当に見ごたえがあった。

マクマーフィーはみんな(患者たち)の人気者では無いし別にリーダーシップも無い。そもそも詐欺師なので”リーダーシップがある詐欺師”なんて変だ笑。
患者たちは本当に”人間らしさ”を取り戻したのであろうか?
本当の自由を手に入れたのであろうか?
それはマクマーフィーのおかげだったのか?
そうとも言えないあの時代の暗い現実がある。

だから最後のカテコでもニコリともせずお辞儀をしながらも鋭い目で客席を見渡す間宮祥太朗さんのマクマーフィーは、孤独な男だった。
それがとても役にはまっていたし、マクマーフィーってこういう人だと言う輪郭がとてもはっきりしていた。やはりお見事。凄い役者さん。

江口のりこさんの看護師長は・・・

”半地下~”の時の江口さんの芝居が好きだったので今回も期待してました。
が。
なんでしょう??上手なのですが、なんかラチェッドでは無いかな?
「人間性を奪うことを平気でする権力側」の人には全く見えず、
ひんやりするような怖さも無く。コンフリクトもあるのだか無いのだかはっきりせず。
もっと言うと(楽1週間前で)芝居が固まっていないというか。
『カッコーの巣の上で』は日本でも何度か過去に舞台化されているけれど、10年くらい前の時は看護師長が神野美鈴さんだったと知って、ああ、神野さんのラチェッドを観たかったなと思いました。

無気力な医師→皆川猿時さんのお芝居も秀逸でした。ああいうのが本当は一番悪い人なんだよな、と。
板東龍汰さんは天才的にお芝居を掴んでいる感じも素晴らしかった。

このチケット確か先着先行で席も選べたので段上がり前方席のドセンターを買ったのですが、楽1週間前という事もあってか、当日券の列が物凄かったです。坂東龍汰さんの「情熱大陸」効果もあったのでしょうか?

【タバコが嫌いな方は要注意】喫煙シーンにて

注意書きにあるように、喫煙シーンで使われているタバコは咳止め薬だそうなのですが、実は匂いはまるでタバコwww
前方席だとかなり匂います。
私は元喫煙者であるので、匂いは特に気にならなかったのですが、
タバコの匂いが大嫌いな人は多分耐えられないのではないかと思います。
とにかく常に誰かが舞台の上でタバコを吸っているような作品なので。
(1960年代のアメリカ、オレゴン州の精神病院)



今回の公演ドリンク『Medication time』(ノンアルコール)


PARCO劇場といえば何といっても公演ドリンク!
アルコールを飲みたいところですが眠くなってしまうといけないので、上演前にノンアルコールを頂く。輪切りのオレンジが爽やかで美味しかったです。
ただネーミングが・・・・『Medication time』(お薬の時間ですよ)
ちょっと怖い苦笑

初日のロビーは生のスタンド花でとても華やかだったでしょうねー。
私が観劇したのはもう楽1週間前なので画像のみですが、どんなお花が入っていたのかをちゃんと写真に撮って見せてくれるPARCO劇場さんがとてもステキです。
コロナ禍以来、(多分片づけとかメンテとかいろいろめんどくさいのでしょう)祝い花を受け付けない劇場ばっかりになってきてしまいました。
残念ですね。
舞台初日の華やぎはやはりお花があってこそ。
こういうところもPARCO劇場さん、大好きです!



PARCO PRODUCE2026「 #カッコーの巣の上で
開催日程・会場
2026年6月7日(日)〜29日(月)
東京都  #PARCO劇場

2026年7月4日(土)・5日(日)
愛媛県 愛媛県県民文化会館 メインホール

2026年7月10日(金)〜13日(月)
大阪府 森ノ宮ピロティホール

2026年7月18日(土)・19日(日)
福岡県 J:COM北九州芸術劇場 大ホール

2026年7月24日(金)〜26日(日)
宮城県 仙台銀行ホール イズミティ21(仙台市泉文化創造センター) 大ホール

スタッフ
原作:ケン・キージー
脚色:デール・ワッサーマン
翻訳:髙田曜子
演出:松尾スズキ

出演
#間宮祥太朗#坂東龍汰#近藤公園#山口航太 / 菅原永二 / 黒田大輔 / 徳井優 / 金子清文 / 篠原悠伸 / 片山萌美 /  #東野良平 / 吉田ヤギ / 中野亜美 / 田尻祥子 /  #皆川猿時#江口のりこ
声の出演(事前収録): #緒方恵美
スウィング:高橋卓臣 / 川﨑志馬

#観劇記録
#舞台感想

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