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日本人の物語00978【南北朝初期】四条畷の戦い 上山の忠義

今回、細川と仁木が初登場します。先日、細川氏のルーツである愛知県岡崎市細川町に行ってきたのですが、「細川」と書かれた信号機のすぐ隣が「仁木」という信号機でびっくりしました。そこで初めて細川と仁木が同族だったことを知りました。

 いよいよ楠木軍は武田軍を斬り破って、高師直の本陣に肉薄してきました。
 師直軍の中から出てきた細川清氏(ほそかわきようじ:?~1362)ら500騎がこれを迎え討ちます。楠木軍はこの500騎をものともせず次々と討ち、退却させました。
 二番手に現れたのは仁木頼章(にっきよりあき:1299~1359)ら700騎です。これまた、楠木軍のあまりの勇猛ぶりに追い立てられ、退却していきました。
 師直軍の兵たちは、
「これほどに覚悟を決めた敵を討とうとすれば、味方の多くを失うだろう」
と判断し、とにかく退却しようと必死です。正行はさらに本陣へと近づいていきました。
 一方、飯盛山から降りてきた北朝方7千騎はまだまだ士気が高く、正行を討ち取るべく我先にと楠木軍に突っ込んでいきます。正行らはこれに対しても次々と反撃し、討ち取っていきます。7千騎の兵たちは次々と逃亡していきました。
 高師直は落ち着き払って、配下の兵たちに
「逃げるとは見苦しいぞ。敵は小勢だ。師直を見捨てて逃げる者は、面目が立たないと思わないのか」
と叫んだので、これを聞いた兵の中には逃亡を思い留まる者もいました。このとき逃亡しようとしていた土岐頼明は、師直から
「ひどく無様な格好だな」
と声をかけられ、
「では討ち死にしてご覧に入れる」
と引き返して楠木軍の中へと駆け込んでいき、そのまま討ち死にしてしまいました。それだけの覚悟があるならば、最初から逃げずに戦えば良かったと思うのですが。
 いよいよ楠木正行と高師直の距離は数十メートルにまで近づいてきました。師直の運命もはやここまでかと思われたところに、上山六郎左衛門(うえやまろくろうざえもん)が現れます。上山は自ら身代わりとなって師直を救おうと考えていました。
 上山は、師直の立派な鎧が置いてあったのを手に取って肩にかけたところ、若い兵が
「これは執事のお召しになる鎧なのに、お許しも得ないで手に取るとは」
と言って防ごうとしました。これを聞いた師直は若い兵に
「私の命に代わろうとしている者に、千両、万両の鎧であっても惜しむことはない」
と言ってこれを止め、上山に鎧を装着させました。
 鎧を着た上山は楠木軍の前に立ち塞がり、大声で
「武功を世に知られた高武蔵守師直はここだ」
と叫びました。楠木軍は師直の首を取ろうと死に物狂いで討ちかかって来ます。上山六郎左衛門はそのまま身代わりとなって首を取られてしまいました。

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