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日本人の物語00079【神代】八十神の謀略

 さて、主人公がいきなり死んでしまったわけですが、オオクニヌシ(オオアナムジ)の物語はまだまだ終わりません。オオアナムジが死んだことを知った母・サシクニワカヒメはひどく悲しみ、高天原に上ってカムムスビに我が子を助けてほしいと願いました。
 さて、カムムスビが久しぶりに登場しました。どこで登場したか覚えている人は少ないでしょうから、古事記の冒頭を再掲しましょう。
「天地が初めて現れたとき、高天原に現れたのはアメノミナカヌシ(天之御中主)であった。間もなく、タカミムスビ(高御産巣日)、カムムスビ(神産巣日)が現れた。この三柱の神はいずれも独り神で、すぐに御身をお隠しになった」
 カムムスビとは、3番目に登場する神なのですね。「すぐに隠れた」と言いつつこんなところで再登場するわけです。
 カムムスビが作らせた薬をオオアナムジの体に塗ると、なんとオオアナムジは生き返りました。死んだはずのオオアナムジがまた元気にしているのを見て、八十神たちはまた謀略をめぐらします。
 八十神たちは、木の幹を縦に切り裂き、両側から幹を引っ張った状態で、真ん中にオオアナムジを座らせました。その上で幹を手放すと、木の復元力で幹は元通りになり、オオアナムジは圧死してしまったのです。そんなところに唯々諾々と座るオオアナムジもどうかしていると思いますが。
 母・サシクニワカヒメは再びオオアナムジを生き返らせます。2回目はどうやって生き返らせたのか、古事記には記述がありません。考えるのが面倒だったのでしょう。
 サシクニワカヒメはオオアナムジに、
「あなたはここにいるとまた殺されてしまう。木の国にいるオオヤビコ(大屋毘古)の元へ行きなさい」
と言いました。木の国とは、後に「紀伊国」と呼ばれる和歌山県のことで、オオヤビコは神産みのときに「住居に関する神 7柱」とだけ紹介した7柱のうちの1柱です。もう二度と登場しないので、特に覚える必要はありません。ちなみに古事記においては島根県、宮崎県、和歌山県の登場頻度が高いのですが、和歌山県は今回が初登場ですね。
 オオアナムジはオオヤビコの元に身を寄せますが、そこにまた八十神が現れ、オオアナムジを引き渡すよう迫りました。オオヤビコはオオアナムジをこっそり逃がし、
「スサノオのいる根之堅州国へ行きなさい。そこに行けば助けてくれるでしょう」
といいます。
 スサノオはオオアナムジにとって6世先祖です。「まだ生きていたのか」と思ってしまいますが、神々には寿命がありませんからいつまででも生きているのでしょう。
 さて、オオアナムジはスサノオに会いにいくのですが、そこでまた様々なトラブルに巻き込まれることになります。

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