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日本人の物語00001【まえがき】「日本人の物語」まえがき

 前々から、時間に余裕があればやってみたいと思っていたことを今日から始めてみたいと思います。それは通史を書いてみようという試みです。
 私はよく歴史博物館に出かけることがあります。多くの歴史博物館は、先史、古代、中世、近世、近代、現代と日本の通史を順序立てて堪能できる構成となっており、中には丸一日かけてようやく鑑賞できる規模のものもあります。
 しかし、私はどうも展示内容に満足できないことが多いのです。というのも、展示は庶民の暮らしに関するものばかりで、誰もが見知った歴史上の有名な人物がほとんど登場しないのです。おそらく、「歴史は少数の英雄が作るものではなく、名もなき庶民が作るもの」というトルストイ的な思想が根底にあるのでしょうが、これでは歴史好きのニーズに応えられていないなあ、と思ってしまいました。
 歴史上には、個性に富んだ政治家や武将がたくさんいます。しかしながら戦後の歴史学は、あえてそういった個人から目を背けようとしていると思われます。
 それはそれで学問のあり方としては正しいのかもしれません。しかしその歴史観が博物館や教科書を覆い尽くした結果、歴史が無味乾燥なものとなり、若い世代の歴史離れが進んでしまっているのではないでしょうか。人々が求めているのは、もっと人間の個性がぶつかり合うドラマティックな歴史だと思うのです。
 そういった歴史好きのニーズに答えるコンテンツとして、大河ドラマや歴史小説があるのかもしれません。ドラマや小説は、学問としての歴史学とはまるで逆で、時には史実から逸脱しつつ登場人物の個性あるキャラクターに重きを置いており、非常に魅力あるコンテンツとなっています。
 しかし、いかんせんドラマや小説には「通史」がありません。ドラマや小説はあくまで歴史の一場面にスポットを当てているだけで、歴史を最初から順序立てて知るのには適していないのです。
 歴史教科書のように先史から現代まで網羅的に、できるだけ史実から逸脱をせず、しかしながら大河ドラマや歴史小説のように登場人物の個性にスポットを当て劇的に描き出した歴史。それが私の最も理想とする通史です。そのような通史シリーズが世の中には存在しないようなので、かくなる上は自分で書いてみようではないか、と思い立ちました。
 日本史を最初から現代まで全て書こうとすると、途方もない分量になると思います。継続しやすいよう、とりあえずは1日にWord1ページ分(1行あたり40文字で36行)を書き進めることとします。
 旧石器時代から令和時代まで辿り着くには何ページかかるかを自分なりに見積もってみたところ、どうやら約1万ページで30年弱かかる計算となり、途中で力尽きる可能性は十分ありますが、とりあえず書き始めてみようと思います。

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