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日本人の物語01401【アイヌ神話】ウマンペシカ姫の仮病

荒唐無稽な話が続きますが、まあ神話とはそういうものだと思ってお付き合いください。

 どうにかシララペツ人とカネペツ人の襲撃を撃退したわけですが、次なる敵が現れます。ウマンペシカの酋長が黄金のラッコを狙ってポイヤウンペの命を狙っていたのです。以前登場したオマンペシカと名前が似ていて紛らわしいですが、どちらも知床半島内のどこかの村とみられています。
 しかし、ウマンペシカ酋長の妹・ウマンペシカ姫は密かにポイヤウンペへの恋心を募らせていました。どうにか兄が出陣するのを止めようと、ウマンペシカ姫は仮病を使って引き留めにかかります。
 ところがこの仮病は巫女の呪術によって見破られ、怒った兄はウマンペシカ姫を幽閉し、熱湯を使った拷問で苦しめました。
 このことを知ったポイヤウンペは、ウマンペシカ姫を救出すべく酋長の館に向かいました。館では近隣の村の酋長などが招かれて宴が催されていましたが、なんとその宴の場に縄で縛られたウマンペシカ姫が倒れており、死んでいました。酋長は妹の死体の前で酒宴を開いていたわけで、なかなかにサイコパスです。
 ポイヤウンペは宴会の奥の座にずかずかと進み、腰を下ろしました。参加していた酋長たちがポイヤウンペに
「何か芸をやってみせろ」
と迫ると、ポイヤウンペは四つん這いになって床を這いずり回ります。すると名刀「クドネシリカ」の憑神たちが暴れ出し、次々と敵を倒していきました。
 続いてポイヤウンペが魔法の息を吹きかけると、傷だらけだったウマンペシカ姫の体はみるみる治っていき、全快しました。実にご都合主義ですが、神話とはそういうものでしょう。
 ウマンペシカ姫はポイヤウンペの妻となり、一緒に暮らすようになりました。最初の妻であるオマンペシカ姫がどうなったのか分かりません。エピソードごとにヒロインが異なるのでしょう。
 ところがウマンペシカ姫は、山に行ったときに男に誘拐されてしまいます。男は、
「俺はチワシペツ(北海道登別市と室蘭市にまたがる鷲別岳)の者だ。俺の弟は優れた勇者であり、ポイヤウンペなどよりこの女の婿にふさわしい」
と言って、弟と結婚させる目的で姫を拉致したようでした。
 ポイヤウンペは姫の体を投げ飛ばして(ずいぶん乱暴な方法ですね)避難させた上で、この男と「五臓六腑を裂き合う」という壮絶な戦いを演じ、相討ちとなって共に死んでしまいました。死んだといってもすぐに復活するのですが。

結局、クドネシリカがあればどんな敵にも勝てそうな気がします。

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