日本人の物語01399【アイヌ神話】オマンペシカ姫との出会い
日本神話を語っていたときと同様、突っ込み所が多すぎるストーリー展開です。まあ神話とはそういうものですかね。
ポイヤウンペが一人残された家に、イシカリ村の3人の戦士がラッコを奪い返そうと屋敷に忍び入ってきました。
ポイヤウンペはあえて下人の装束に着替えて敵の様子を窺い、敵の1人がラッコに手をかけたところで装束を脱ぎ捨て、敵を斬り倒しました。そしてまた下人の装束を着て機会を待ちます。
次の1人がまたラッコに手をかけるとポイヤウンペは装束をまた脱ぎ捨て、敵を斬り倒します。一気に3人と戦えば良いじゃないかと思ってしまいますが、ここは「ユーカラ」の歌い上げるような美しい言い回しで同じ歌が繰り返されることに意義があるのです。
3人目はなかなか手ごわく、黄金のラッコをつかんでポイヤウンペの太刀をかわして逃げていってしまいます。そのまま海辺に出た敵は、待ち構えていた味方の船に乗り込んで逃亡しました。ポイヤウンペは名刀「クドネシリカ」を持って追跡し、敵の船に乗り込み、船上で敵と戦いラッコを奪い返しました。
ところが戦っているうちに敵の船はどんどん沖へ流されていきました。やがてオマンペシカの岬(知床岬:北海道斜里町)で船は暗礁に乗り上げ、敵兵は海に投げ出されました。敵兵が溺れまいと必死に泳いでいるのを尻目に、ポイヤウンペは空高く飛んで見事陸地に降り立ちました。
さらに敵が押し寄せてきましたが、幸いそこに駆けつけたオマンペシカの酋長が味方してくれたおかげで、ポイヤウンペは勝利しました。
勝利したポイヤウンペは、同盟の証に酋長の妹・オマンペシカ姫を娶ることとなりました。ところが同盟の儀式の最中に、ポイヤウンペを後ろから抱き締めて
「さあ、黄金のラッコを渡してください」
という者がいます。振り向くと、それはあの醜いイシカリ姫でした。ポイヤウンペは何も言わずにそのイシカリ姫を斬殺します。
再び背後から声が聞こえたので振り向くと、今度はチュプカ姫という女でした。ポイヤウンペはこれまた無言で斬殺します。このチュプカ姫のプロフィールが全く説明されていませんが、「悪の女」と書いてあるので悪者なのでしょう。
背後から三度目の声がしたので振り向くと、やっとオマンペシカ姫がいました。ポイヤウンペはオマンペシカ姫に黄金のラッコを託し、結婚することとなりました。やがてポイヤウンペは、オマンペシカ姫を連れてシヌタプカへと凱旋帰国することとなりました。
『ユーカラ』の特徴として、同じ文言が繰り返されて歌われる点があります。「背後から声が聞こえて振り向く」という動作が3回繰り返されるのも、美しい歌に乗せて同じ文言を繰り返すためなんですね。
