エッセイ|人間どもめ。
はい、ちょっとエロが通りますよ〜
人混みの中を進む時、私はそれはそれは小さき声で、人に聞こえないように、その時思ったことをつぶやきながら、人をかき分け前に進むのが趣味です。
気持ちが悪すぎる。
不気味だと、気持ちが悪いと、自覚症状があるし、慢性的で後天性の病だと私の中の匿名ネット民は診断を出している。友人からも不評である。
この行動には理由があって、
私は人混みが本当に本当に本当にほんとーーーーにライオンだあ、間違えた嫌いだ。嫌いすぎて平日休みの仕事を選んだほど。人混み好きな人がいるなら会ってみたいし、論破できる自信がある。かかってこいである。
人混みの中で、自分だけが聞こえる呟きをすることで、私は領域展開をし、私だけの世界を作っている。
「今日のパンツはトロピカル柄です。」
「浅はかな思考を持ちし我が名はエロ」
「領域展開 囁きの部屋 なんつって」
「待って…今日めっちゃ口臭い。」
「利根は坂東いちの川」
と呟くことで人混みという環境に身を置いていることを自分に感じさせないようにしているのだ。
呟きレパートリーを増やしたい。
ただそこに私だけが存在しているという錯覚を起こし、自らを錯乱させているのである。
そして人混みを抜けた後に私は思う。
今日もちょっと面白いことしてやった。
そんなわけないのである。
どこに面白みがあるのか。ただの自己満行動なだけで、お前しか面白いって思ってないからな?みんなに謝れ。そしてその自己肯定感の高さは褒めるよ。
と、この話をすると人混みを形成している、私と同じ人間であろう人間様の愚痴をつらつら連ねるだけの、私の性癖と私の性格の悪さをただ披露する、読み返した時に削除したくなる記事になってしまうので、私の心の平穏と連続投稿という使命のもと、自分勝手発動、ここで話をぶった斬る。
そして私はエレベーターが嫌いだ。
愚痴エッセイ再来である。
知らない人が乗って来て緊張して無言タイムが始まるのはわかるけど、知り合いと乗った時のあのなんとも言えない無言タイム。エレベーターが来るまではみんなで「今日楽しみにしてたー」「なんかめっちゃ久しぶりだよね〜」と、会話をしているのに、いざエレベーターが到着し乗りこんだ瞬間「何階だっけ?」と、答えを知ってるのにあえて聞くくだりをするまではいものの、エレベーターの扉が締まり、目的の階に着くのを、階数が表示される画面だけ見つめ、何も言わず、立ってるだけのあの時間。
たまに気を利かせて、
「このビルって、レストランも入ってるんだねー」
って言いだす猛者もいるけど、
その後また無言。無言無言無言。無言のぷよぷよフィーバーだ。
無言の再来。とでも言えば昇華できそうだが、無言が再来したところで、その場の空気は何も昇華できないのだ。
言葉では救えないものがこの世の中にはあることに気がついた私。←イマココ
勇気を振り絞って、または単にレストランもあるんだと、思ったことを口走っただけなのだと思うが、何を言おうその猛者は大体私なのである。
無言タイムを再来させているのは、まごうことなきこの私なのである。
無言に耐えられず、とりあえず何か話してしまう。
とりあえず場を繋げなければ!!!!無言だ!!無言が始まった!!何か話さねば!!!この使命果たさねば!!!!あ、レストランも入ってるんだ!みんなに知らせなきゃ!!
誰も求めてないのである。
noteでは間をうまく使いたいから、間というものを意識して、あえて間をおいてみたり、間をなくしてみたりと、間と共生して、仲良しこよしをしているのであるが、現実世界に一度でも降り立ってしまうと、間が怖いのである。
間が怖いから、謎の使命感に駆られ、変なことを言い出し、さらに間を作り、お前何?という視線を浴び、スルーされるのだ。なんなら、気を使わなくていいよなんて言われる始末。
現実世界では、間を作ることができる人こそ、コミュニケーションがうまく、心理的にも時間的にもゆとりのある、できるやつ認定をもらえる………
と、どこかで聞いたことがある。
確かに間を操れる現世の人間どもは、優秀な人が多い。相手の言葉を待つこと、無言タイムにあたふたしないメンタル、さらに間を自ら生み出す強者には余裕があるのだ。
人間どもめ。
私はそんなのに屈しない。
無言に立ち向かうのだ。
明日またエレベーターに乗り、間ができても、「あ、このビルってレストランも入ってるんですね」と言い続けてやる。
そして俺のターン。無言タイムリターンズを召喚し、フィールド魔法”罪深き無言タイム”を発動する。
いつか間を生み出す側の人間になるその日まで。
これは悪魔が天使へと昇格するまでの過程を記録した書物である。
いつかこれを読み、あの時は未熟だったなと噛み締めるその時まで、あのとき人混み好きな人に喧嘩売ってたなって笑うときまで、この書物は文字という魚が泳ぐ広大なnoteに封印しておくことをここに誓う。
