Obsidianの整理、AIに「よろしく」って言うだけにした話
はじめに
こんにちは、Tinklyです。
Inboxフォルダにメモを放り込んで、AIに「よろしく」って声をかける。それだけで、タグもリンクもフォルダ整理も全部やってくれる。
今日はそんなシステムを作った話をします。
……でもその前に。ここに至るまでに一回心を折られているので、そこから聞いてください。
Obsidianに心をへし折られた日
Obsidianって知っていますか? 自分のパソコンの中だけで動くノートアプリです。マークダウンという書き方(「# 見出し」「- 箇条書き」のような記号で装飾する方式)でサクサク書けて、プラグインで好きなように拡張もできる。なんだかカッコいい。
ずっと気になっていました。
でも、少し触ってみて思ったんです。「……Notionでよくない?」と。一度目の挫折。
それでも諦めきれず、YouTubeで「Obsidian 使い方」を片っ端から漁りました。そこで見たのは、人によってやり方がバラバラという現実。使っているプラグインも違う。フォルダ構成も違う。「ゼッテルカステン」とか「MOC」とか、聞いたことのない概念が飛び交っている。
さらに追い打ちをかけたのが、ネット上の解説記事でした。
Obsidianはエンジニア寄りのツールだ
仕組みを理解しながら使う姿勢がないと続かない
なんとなく使っているだけなら、別のツールでいい
どれも正論だと思います。でも、YouTubeで打ちのめされた直後の私には完全にトドメでした。私は見事に「向いてない側」だった。
半分やけになって、Geminiに愚痴を吐いてみました。
「Obsidian使いたいけど難しすぎる。自分には向いてないのかな」って。
そしたらGeminiが返してきたんです。「開発者だって、もっと気軽にたくさんの人に使ってもらいたいはずですよ」って。
……なんだかすごく腑に落ちました。
Obsidianってエリートしか使っちゃいけないツールなの? そんなことないよな。AIという相棒がいる2026年、「無理だ」という壁をAIの力で乗り越えられないかな。
「私なりのやり方で、Obsidianに再挑戦してみよう」
そう思った瞬間でした。
作ったもの:AIに「よろしく」で動く整理システム
Obsidianに挫折する人のパターンを考えてみると、だいたいこうじゃないでしょうか。
整理の仕方がわからない(フォルダ? タグ? リンク?)
設定や拡張が難しい
結局めんどくさくなって続かない
つまり、「整理が面倒」「設定が難しい」「続かない」が挫折の三大要因。
じゃあ、面倒な整理はAIにやらせればいい。設定もAIと一緒に作ればいい。続かないなら、続く仕組みを作ればいい。
この発想から作ったのが obsidian-vault-autopilot というシステムです。大げさな名前ですが、要するにAIに「Obsidianの整理お願い」と頼むだけのもの。先に断っておくと、これはObsidianの補助輪みたいなものです。普段からObsidianを使いこなしている人には正直まったく必要ありません。
仕組みはシンプル。
Inboxに放り込む — メモでもURLでもスクショでも、とにかく00_Inboxフォルダに雑に入れる
AIに「よろしく」と言う — Antigravityというツールでエージェントを起動する
エージェントが整理してくれる — カテゴリ判断、タグ付与、リンク付与、フォルダ移動まで全部
ユーザーがやることは「放り込む」と「よろしく」だけ。プログラミングの知識は一切いりません。

Antigravityって?
ここで使っているAntigravityについて簡単に説明しておきます。
AntigravityはGoogleが2025年末に発表したAI開発プラットフォームです。「開発プラットフォーム」と聞くと身構えるかもしれませんが、このシステムではプログラミングをするわけではありません。AIに「このフォルダを整理して」と指示する窓口として使っています。
Googleアカウントがあれば使えます。2026年2月現在、パブリックプレビュー中のため個人利用は無料です(正式リリース後は有料プランが導入される可能性あり)。
公式サイト: antigravity.google
フォルダ構成
00_Inbox/ # ここに放り込むだけ
01_Daily/ # 日記
02_Notes/ # 一般ノート
03_Projects/ # プロジェクト管理
04_Resources/ # 資料・クリップ
90_Templates/ # テンプレート
98_Archive/ # アーカイブ
99_Attachments/ # 添付ファイル
GEMINI.md # エージェントルール(心臓部)このフォルダ構成はChatGPTと相談して決めました。ゼッテルカステンでもMOCでもない。「とりあえず放り込む場所を決めて、あとはAIに任せる」というシンプルな発想です。
GTD(Getting Things Done)という考え方を知っていますか? 頭の中の「気になること」をまず一箇所に全部書き出して、あとから整理する。そのInbox概念をObsidianに持ち込んだだけです。
心臓部:GEMINI.mdという「ルールファイル」
このシステムの核は GEMINI.md というファイルです。
これはAntigravityの公式機能で、フォルダの中にこの名前のファイルを置くと、AIエージェントがそこに書かれたルールに従って動いてくれます。毎回「こうやって整理して」と指示しなくていい。ルールが永続化されるんです。
しかもこのファイル自体がマークダウン(つまり普通のテキストファイル)なので、メモ帳で開いて中身を読んだり書き換えたりできます。プログラミング言語ではなく、日本語で書かれたルール集です。

エージェントがやってくれること
エージェントの仕事は「軽い整理」だけ。勝手に内容を書き換えたりはしません。
フロントマターの付与・補完
見出しの整形、空行の調整
重要キーワードにバックリンクを最大12個付与
適切なフォルダへの移動
変更履歴の自動保存
ここで2つの用語を説明させてください。
フロントマターは、ノートの冒頭に書く「情報カード」のようなものです。「種類: 日記」「タグ: 仕事, アイデア」「作成日: 2026-02-16」といった情報をまとめておくと、あとから「仕事タグの日記だけ表示」のような絞り込みができるようになります。
バックリンクは、ノート同士をつなげるリンクのことです。日記に[[読書メモ]]と書くと、その日記から「読書メモ」にジャンプできる。さらに「読書メモ」側からも「この日記からリンクされていますよ」と表示されます。ノートが増えていくと、自分では忘れていた過去のメモが自動的につながって浮かび上がってくる。これがObsidianの醍醐味です。

どちらも手動で毎回やるのは面倒ですが、このシステムでは全部AIがやってくれます。
AIの間違いを防ぐ仕組み
「AIに任せて大丈夫? 間違えたらどうするの?」と思いますよね。
このシステムには Reviewモード(推奨) があります。AIが「このファイルはDailyフォルダに移動、タグは #仕事 でいいですか?」と提案してきて、ユーザーが承認してから実行される仕組みです。気に入らなければ却下して別の指示を出せます。
さらに、Git(ギット) という仕組みで変更履歴を自動記録しています。「超強力な元に戻す機能」だと思ってください。いつ、どのファイルを、どう変えたかが全部記録されるので、AIが間違った整理をしても「やっぱり元に戻して」が簡単にできます。
このGit操作もAIが自動でやってくれるので、自分でコマンドを打つ必要はありません。しかも、まだ保存されていない新規ファイルだけを検出して、エージェントが触ったファイルだけを記録に残す設計にしているので、他の作業中ファイルを巻き込む心配もないです。
タグのカスタマイズ
タグについても工夫しています。GEMINI.mdの中に「優先タグリスト」というセクションがあって、よく使うタグを登録しておけます。エージェントはこのリストを参考にしつつ、新規タグも積極的に提案してくれます。
使い続けるうちに自分好みのタグ体系が育っていく。ちょっとした育成ゲームみたいで楽しいですよ。
現在のバージョン(v5)ではこのタグリストは別ファイルで管理するように設定されてます。

動かしてみた:日記を放り込んでみる
実際の使い心地を見てもらいましょう。
00_Inboxに日記のマークダウンファイルを放り込みます。中身は雑でいい。今日あったことを適当に書いただけのテキストです。
Antigravityを開いて「よろしく」と打つ。するとエージェントが動き出します。




正直に言うと、処理にはそこそこ時間がかかります。途中で実行許可を求められることもあるし、一瞬で終わるわけではありません。
でも、AIがファイルを読み取って「これは日記だな……タグはこれかな……」と考えながら頑張っているのを眺めるのが、個人的にはめちゃくちゃ楽しいんですよ。自分のノートが勝手に整理されていく様子は、見ていて飽きない。こういうの好きなんです、私。
しばらくすると——
フロントマター(種類: 日記、状態: アクティブ、タグなど)が自動付与される
本文中の重要キーワードにバックリンクがつく
01_Dailyフォルダに自動移動される
変更履歴がGitに自動保存される

フロントマターもバックリンクもタグも、一切手動で設定していません。 全部AIがやってくれました。
慣れてきたら自分でファイルを編集してもいいです。その場合はエージェントに「コミットして」と指示すれば記録してくれます。
まとめ:「向いてない」は、工夫次第でなんとかなるかもしれない
正直に言うと、このシステムが「いいもの」かどうかは自分でもよくわかりません。
長年Obsidianを使い込んでいる人から見れば、もっと洗練された方法がいくらでもあるでしょう。Obsidian用のプラグインやコミュニティテンプレート、他の人が作った便利な仕組みもたくさんあります。
でも、私はこのやり方が好きなんです。AIがノートを整理してくれるのを眺めるのが楽しいし、気づいたらObsidianを毎日開くようになっていました。
補助輪だっていい。 自転車に乗れるようになったら外せばいいし、外さなくたっていい。
世の中の解説記事が示しているのは、Obsidianとの「正統派な付き合い方」です。それはリスペクトしています。でも、AIという相棒がいる2026年、初心者には初心者なりのやり方があってもいいんじゃないでしょうか。
気になった人は、気軽に試してみてください。合わなかったら別の方法を探せばいいし、自由だと思うから。
一緒にがんばりましょう。
配布リポジトリ
この記事で紹介したシステムを obsidian-vault-autopilot として配布しています。
配布フォルダの中身:
フォルダ構成一式
GEMINI.md(ルールファイル)
テンプレート3種(Daily / Note / Resource-Clip)
.gitignore(Gitの管理対象外にするファイルの設定)
README.md(使い方の説明)
ダウンロードして展開すれば、すぐに使い始められます。
使い始める手順
ステップ1: まずはObsidianだけで試す(5分)
Obsidianをインストールする(無料)
配布フォルダをダウンロード・展開する
Obsidianで「フォルダをVaultとして開く」を選んで、展開したフォルダを指定する
00_Inboxフォルダに適当なメモを作ってみる
この時点で、フォルダ構成とテンプレートだけでも手動で使い始められます。
ステップ2: AI自動整理を有効にする(+10分)
Antigravityをインストールする(Googleアカウントが必要、現在無料)
Antigravityで同じフォルダを開く
00_Inboxにマークダウンファイルを放り込んで、「よろしく」と言ってみる
Antigravityのインストール手順は公式サイトにガイドがあるので、迷ったらそちらを参照してください。
この記事の情報は2026年2月時点のものです。Antigravity、各AIサービスは日々アップデートされているため、細かい仕様は変わる可能性があります。
参考リンク
Obsidian公式サイト(無料)
Antigravity公式(Googleアカウントで利用、現在無料プレビュー中)
配布物
obsidian-vault-autopilot_v5
※この記事は以下のAIツールを活用して作成しています。
Claude AI: リサーチとGithubへのアップロード
Google Antigravity: 記事のリソースの整理
Claude Code: 記事作成
ChatGPT Atlas: 記事の修正、追記など
仕切り役: Tinkly
