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【栃木ダービー分析】「2025 J3リーグ 第7節」栃木SC vs 栃木シティ 分析レポート

「2025 J3リーグ 第7節」

栃木SC vs 栃木シティ 分析レポート

1-1(前半1-0/後半0-1)


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Ⅰ.「フォーメーション」

 栃木SCは「3-4-2-1」をベースに採用。
 前線からのプレス時は「5-2-3」(3-4-3)。
 ブロック時は「5-4-1」(5-2-3)。

 シティは「4-3-3」(中盤逆三角形)をベースに採用。
 前線からのプレス時も「4-3-3」ベース。
 ブロック時はIHを1枚下げての「4-3-3」(中盤三角形)。

 スターティングメンバ―他、出場選手に関しては「Jリーグ公式HP」をご参照ください。

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Ⅱ.「マッチレビュー」

栃木SC

 栃木SCの試合を90分通して観るのは初めてだったのですが、流石は「昇格請負人」の異名を持つ、小林伸二監督が率いるチーム。シティの弱点を明確に突いていました

 前節の「カマタマーレ讃岐vs栃木シティ」の分析レポートで、シティに対する狙い所として紹介・指摘させて頂いた「ブロックからのカウンター」「WBの幅を使った攻撃」に加え、システムの噛み合わせ上、優位性が働く2シャドーが、シティのアンカーの脇でボールを受ける形も効いていたかと思います。
 後者に関しては、五十嵐・棚橋選手という、足元でボールを受けてのプレーを得意とする選手が配置されており、この起用が噛み合わせ上の効果を増幅させていた印象。

 守備では、相手のプレスをいなす能力に長けているシティに対する、プレスバックが嵌まっており、初見のため、スカウティングの成果なのか、普段から徹底しているプレーなのかは不明ですが、この点も非常に良かったと思います。
 また、前線からのプレスに関しても、前節、シティが対戦したカマタマーレと同じ「3-4-2-1」でありながら、掛け方が異なっており(1トップが背中でアンカーを見ながら、GKにプレス)シティは嫌がっていた様に見受けられました。

栃木シティ

 前半、シティは前節に引き続き、GKや中盤の底からWGへのロングボールを活用。
 この点も前節の分析レポートで触れた通り、相手チームが5バック化する前に前線にボールを送り込み「3対3」の同数で勝負できるという点において、少なからず脅威となっていた印象。
 前半8分のGK相澤選手から右WG鈴木国選手前半18分のアンカー宇都木選手から右WG(に一時的に入っていた)パウロ選手へのロングボールは、正にこの形であり、シンプルながら良いシーンであったと思います。
 ただ、その一方で、栃木SCの前線からのプレスを嫌がっていた様にも見受けられ「蹴らされていた」シーンも。

 あとは栃木SCのレビューの裏返しとなりますが、システムの噛み合わせ上、浮いてしまう、相手のWB・シャドーが捕まえ切れず、ここには苦しめられていたかと思います。
 前節に関しては、前線からのプレスが嵌まっており、前で封じていたため、ここまで顕在化していませんでしたが、今節は課題が浮き彫りになってしまった印象。

 ただ、システムの噛み合わせでいうと、攻撃時はシティに優位に働く部分もあったのですが、そこを活かせていれば、もう少し早い段階で点が取れた可能性も(詳細は後記)。

 それでも90分に同点に追いつけたことはポジティブな結果。
 昇格・優勝するためには「勝ち点0を1に」「勝ち点1を3に」土壇場で変えられる力が必要になって来るという意味でも、価値ある勝ち点1であったかと思います。

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Ⅲ.「システムの噛み合わせ(「3-4-2-1」×「4-1-2-3」)

 過去の分析レポートで「3-4-2-1」と「4-4-2」の噛み合わせに関する話は飽きる程、繰り返して来ましたが、今回は「3-4-2-1」と「4-1-2-3」という、ある種、特殊な噛み合わせとなっております。
 本章では、このシステムの噛み合わせから生じる優位性を3パターン紹介したいと思います。

図Ⅰ.「3-4-2-1」と「4-1-2-3」の噛み合わせ(WB・シャドーの優位性)

① 「WB」の優位性

 これは「3-4-2-1」×「4-4-2」でも起こる典型的な問題となりますが、栃木SCのビルドアップに対して、シティが3トップで3バックにプレスを掛けると、図Ⅰの様に栃木SCのWBが浮いてしまいます

 図Ⅰの矢印(黒色)の様な同サイドでのパスであれば、SBが遅れて前に出ても何とか対応できる(SB裏はDFライン全体でスライド)可能性もあります。
 しかし、矢印(黄色)の様に、一度、片方のサイドに寄せられてから、逆サイドのWBまで展開された場合「噛み合わせ」に「幅」の問題も加わり、シティとしては対応がかなり難しくなります。

 そして、このWBからWBへのサイドチェンジをアタッキングサードで許してしまうと前節ではカマタマーレの右WB内田選手今節では右WB森璃太選手にシュートを打たれた様なシーンが、今後も再現されてしまうことになります。

 ちなみに前節のカマタマーレ戦では、同じ「3-4-2-1」の相手に対し、(相手の立ち位置の関係もあったかと思いますが)前から別の形で完全に嵌めに行っており、それが嵌まっていたため、この問題・優位性を無効化・無力化できていました。
 そのため、シティの対応策としては、上記の様に前線で封じてしまうか、せめてサイドチェンジだけはさせない
 もしくは守備時のシステムを「4-4-2」にして、SHに相手WBを明確につけることなどが考えられます。

 ただ、何れにせよ、ネガティブトランジションの際は「4-1-2-3」となっているため、何でもそうですが、言う程、簡単ではないかと思います。

 なお、90分通して試合を観られる環境にある方は、下記のシーンを確認しながら、本章を見ると分かりやすいかもしれません。
・WBに対してシティSBが前に出る(13:32~)
・サイドに寄せられてからのWBへのサイドチェンジ(27:01~/59:54~/66:41~)
・アタッキングサードでのWB→WBのサイドチェンジ/森選手のシュート(41:58~)
・WBに対してシティWGのプレスバック(53:24~)


② 「シャドー」の優位性(アンカー脇)

 次は「3-4-2-1」×「4-1-2-3」ならではの問題となります。

 アンカーシステムに対して、アンカーの両脇のスペースを突くことは定石でありますが、今回の噛み合わせの場合、初期配置の時点で栃木SCのシャドーがシティのアンカー脇に位置しています。
 更にそのシャドーに五十嵐・棚橋選手という、足元でボールを受けてのプレーを得意とする選手が配置されていたため、シティとしては守り難い状況にあったと言えるかと思います。

 もちろん、シティも何も対策を講じていないわけではなく、守備時はダブルボランチとなるのですが、やはり、ネガティブトランジションの際は「4-1-2-3」であるため、カウンターを受けると難しい対応となってしまう傾向にあります。
 実際に「17:20~」「54:45~」のシーンは、アンカー周りのスペースを栃木SCのシャドーに上手く使われてしまっていました。


③ 「シティ攻撃時」の優位性

 ここまでは栃木SCにとっての優位性に触れて来ましたが、最後はシステムの噛み合わせから生じる「シティ攻撃時」の優位性に関して解説したいと思います。

図Ⅱ.「3-4-2-1」(5-2-3)と「4-1-2-3」の噛み合わせ(シティ攻撃時の優位性)

 星座みたいになってしまいましたが(笑)、図Ⅱは実際にあったシーン(61:45~)となります。

 栃木SCは自陣で守備をする際「5-2-3」と「5-4-1」を使い分けていました。
 「5-4-1」ブロックを組まれてしまうと、一般論として崩すことは容易ではありません。そのため「5-2-3」の時に攻め込むべきであり、このシーンは正に「4-1-2-3」×「5-2-3」の噛み合わせとなっています。

 図Ⅱを見て頂ければ分かる通り、シティ中盤3枚の選手は、初期配置に各々の位置取りの妙も加わり、かなり効果的なポジションを取れています。 
 具体的には、IH関野・土佐選手が栃木SC中盤2枚の脇のスペース、且つ、三角形の中アンカー宇都木選手に至っては五角形の中に位置取れていただけに、図Ⅱの時点でCB佐藤選手からアンカー宇都木選手にボールが入り、右サイドまで展開できていると、得点の可能性も十分にあったかと思われます。

 ただ、実際には、(恐らく)CB佐藤選手は栃木SC1トップのプレスを気に掛け、少し持ち運んでから左SB乾選手へとパスを入れています。
 そこから左サイドに偏った攻撃となってしまい、最終的には栃木SCにサイドラインに逃げられてしまいました。

 佐藤選手は正確な左足のキックを持っているだけに、図Ⅱの様にシンプルに、もう少し開いてヨニッチ選手からのボールを受けていれば、角度がつき、宇都木選手へのパスコースが確保できたため、佐藤選手の良さがより活きる形となっていたかと思います。


 他にも色々と書きたいことはあるのですが、今週2本目の分析レポートということで、試合開催日から既に日が経っているため、今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。

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 「2025 J3リーグ第7節 栃木SC vs 栃木シティ」の分析レポートは以上となります。
 有難うございました。

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