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【ゼルビア苦戦の要因】「2024 J1リーグ 第34節」柏レイソルvs町田ゼルビア 分析レポート

「2024 J1リーグ 第34節」

柏レイソルvs町田ゼルビア 分析レポート

1-1(前半0-0/後半1-1)


Ⅰ.「はじめに」

 残留争い中のレイソル。3バックに可変した上でのビルドアップ・サイド攻撃・セカンドボールの回収と良さは出ており、内容は決して悪くなかった一戦。それだけに上位チーム相手に「勝ち点1を獲得」したことは事実である一方で、より正確な表現としては「勝ち点2を逃した」と言わざるを得ない幕切れ。今節は残留を争うチームの多くが勝ち点3を上積みしており、降格圏に沈む18位ジュビロとの勝ち点差は僅か4ポイントに。水曜日には勝ち点で並ぶ16位レッズとの6ポイントゲーム(埼スタ開催)を控えているだけに、早めに気持ちを切り替え、良い準備をして臨みたいところ。

 対して優勝争い中のゼルビア。「町田らしさを取り戻す」という想いを胸に臨んだ一戦。その姿勢は見えたものの、特に前半はそれがレイソルにとって脅威になっていたかといえば、そうとは言い切れない印象。それでも後半、藤本選手・ナサンホ選手が投入されて以降はサイドで主導権を握れる時間が増え始め、徐々に「町田らしさ」を取り戻せていた様に見受けられ、その流れから同点に追いつけたことはポジティブな出来事。上位2チームが揃って敗戦したため、僅かながら差を縮めることが出来ており、そういった意味でも、次節以降に繋がる一戦であったと捉えるべきか。

 そこで今回のレポートでは「レイソルのビルドアップからの崩し」「ゼルビアが苦しんだ要因」をメインに分析・解説していきたいと思います。

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Ⅱ.「フォーメーションの確認」

 レイソルは「4-4-2」(中盤BOX型)をベースに採用。ビルドアップの際はボランチの一角が最終ラインに入り、両SBが高い位置を取る「3-1-4-2」に可変。アタッキングサード侵入以降は、ゼルビアの2トップが自陣に戻って守備に加わることもあってか、2CBだけを残す「2-2-4-2」の様な形に。

 ゼルビアもベースは「4-4-2」(中盤BOX型)を採用。ボランチの白崎選手が最終ラインに入り、レイソルと同じ形でビルドアップを試みる時間帯もありましたが、基本的には攻守共に「4-4-2」で戦っている様に見受けられました。

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Ⅲ.「レイソルのビルドアップからの崩し」

 「4-4-2」をベースとするチーム同士のミラーゲームを予想していましたが、同数で嵌められることは避けたかったと思われるレイソルは、形を変えながら工夫を凝らしてビルドアップに取り組んでいました。
 具体的には自陣ゴール前ではキーパーと幅を取ったCB2枚で3バックを形成、もう少し高い位置に入るとボランチの一角が最終ラインに入り、両SBが高い位置を取る「3-1-4-2」の様な形に可変していました。
 前者に関してはGKから縦パスを差し込むことはリスクが高いこともあり、サイドへのロングボールを中心に、良くも悪くも無難な展開に終わってしまっていましたが、後者に関しては、ゼルビアにとって脅威となっていた様に見受けられました(詳細は後記します)。

 対してゼルビアは、オセフン選手・藤尾選手の2トップに左SHの相馬選手が加わり、3トップの様な並びで基本的にはプレスに行かず、背中で相手を見る様な守備をしていました。

 上記の様な構図の中、レイソルはサイドの選手が幅を取ることでゼルビアの守備陣形に隙間を作り出し、そこを上手く活用しながらゴール前まで迫っており、その良さが凝縮されていた前半30分のシーンを「ビルドアップ」と「アタッキングサードでの崩し」に分割して解説していきたいと思います。

レイソルのビルドアップ

 ビルドアップの流れは以下の通りです(図Ⅰ参照)。

① ボランチの白井選手が2CBの中央に入って3バックを形成
② ①に対してゼルビアは相馬・オセフン・藤尾選手がブロックを形成
③ レイソルの幅を取る左右のCB・左右のWB(SB)に気を取られ、相馬・オセフン選手の間が開く
④ ③で出来た隙間に白井選手が縦パスを差し込む
⑤ 小屋松選手がパスを受け、ブロックの背後にいた手塚選手に落とす
⑥ ゼルビアのダブルボランチの間で細谷選手がボールを受ける

図Ⅰ.レイソルのビルドアップ

 ②の局面での相馬選手に関しては、SHとして前線からのプレスは得意としていると思いますが、最前線での背中で相手を見る守備には慣れていない様に見受けられたため、ゼルビアはいつも通り、2トップで構えていた方が良かった印象を受けました。

レイソルのアタッキングサードでの崩し

 先程のビルドアップの流れで、サヴィオ選手にパスが入ったシーンから再開したいと思います。流れは以下の通りです(図Ⅱ参照)。

サヴィオ選手がボールを受けてから中盤の低い位置までドリブルで下がって前を向く
サイドに張っているジエゴ選手に気を取られたバイロン選手と、バイタル付近まで上がって来た白井選手に気を取られた白崎選手の間にスルーパス
③ ジエゴ選手が敵陣の深い位置でボールを受けてクロス
④ 望月選手に当たってCKを獲得

図Ⅱ.レイソルのアタッキングサードでの崩し

 ①に関しては31節のコンサドーレ戦でも同じ様な構造のシーンが見受けられました。恐らく、チームとしての原則があるのだとは思いますが、ゼルビアのボランチは、マークしている相手が中盤の低い位置まで下りた場合、基本的についていくことはありません。  
 ただ、個人的には少なくともこのシーンに関しては、後ろの枚数は揃っていただけに白崎選手が前に出ても良かったと思います。

 ちなみに黒田監督も試合後のインタビューで言及されていましたが、この試合、このシーンも含めてレイソルがCKを獲得するシーンが非常に多く、先制点もCKの流れから生まれています。
 その要因はレイソルの「サイドに掛ける人数」と「敵陣サイド深めのスペースを突く意識」にあると考えられます。
 前者に関しては「WB(SB)・IH(SH)・ボランチ」の3枚がサイドで連携しながら攻めているシーンが多く、ゼルビアは相手を上手く掴み切れていない印象を受けました。前半にはサヴィオ選手が逆サイドまで顔を出し、4枚で崩すシーンもあり、サイドの制圧という部分には、かなり力を入れていた様に見受けられました。
 後者に関してはカウンターやリスタートの際、必ずと言っていい程、敵陣サイドの深めのスペースにボールを送り込んでおり、前者も含め、この様な意識の高さがCKの獲得に繋がった可能性は高いと思います。

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