離島の宿が足りない、キャンピングカーという答えはアリか
宿が足りない島で、何ができるか
与論島には、慢性的な悩みがある。
宿の数が、圧倒的に少ないのだ。
レンタカーも同様で、繁忙期になると予約はあっという間に埋まる。
先日も友人が急遽、与論島に行きたいという連絡があり、8月31日に1台だけレンタカーが残っていた。
また、観光客が来たいと思っても、泊まる場所が見当たらないことは、更に根深い問題だ。
動きたくても、車の予約が取れず足踏みすることになる。
せっかくの関心も、そこで止まってしまう。
この課題への一つの答えとして始めたのが、ヨロキャンという試みである。
※与論島でキャンピングカーを楽しむ、これを「ヨロキャン」と命名した
部屋を新しく建てるのではなく、車そのものを寝泊まりできる場所に変える。
キャンピングカーを、宿として活用する発想がヨロキャンだ。
「動くリビング」、と呼んだ方が近いかもしれない。

なぜ私が、この話にかかわるのか
私は2022年、ヨロン島観光大使に就任した。
この肩書きを持つ以上、島を訪れる観光客やフォロワーに、特別な体験を提案し続ける責任があると考えている。
ただ、理由はそれだけではない。
私自身、与論島で生まれ育ち、島に恩を返したいという思いがずっとある。
具体的には、島にお金が落ちる仕組みを作ること、そしてその税収で島の課題そのものを解決していくこと。
この2つを、いつも頭の片隅に置いている。
そして何より、私は与論島でのキャンピングカー泊(ヨロキャン泊)を実際に3泊体験した。
頭で考えた企画ではなく、自分の身体で確かめた事実がある。
車内のベッドの上で朝を迎えた時、クーラーが効いている快適な車内に「おおー!すげー!」と驚嘆した。
また、昼間は海の近くでのんびりしていると、波の音だけが響く時間が流れていく。
このキャンピングカー体験が本物だと確信できたのは、机上の計算ではなく、実際の体験があったからだ。

1台では変えられない。それでも動かす理由
正直に言うと、ヨロキャンはいま、車両が1台しかない。
島全体の宿不足を解決するには、あまりにも小さな規模だ。
これだけで何かが劇的に変わるとは、私も思っていない。
だが、最初の1台には意味があると確信している。
トライアル的に始めることで、次につながる可能性が生まれる。
賛同する事業者が少しずつ増え、それを見た行政も関心を持つようになる。
やがて島の外から、新しい発想を持った人が訪れるかもしれない。
そうして1台の実績が、2台目、3台目を呼び込む種になっていく。

与論島に、新しい宿の選択肢を
宿を新たに建てるには、時間もお金もかかる。
すぐに宿を増やせない現実は無視できない。
だからこそ、これまでの枠組みにとらわれない選択肢が必要だと思う。
キャンピングカー泊は、その一つの形にすぎない。
私が直感で言葉にした「動くリビング」という発想は、宿不足に悩む他の離島にも応用できるはずだ。
与論島に、新しい宿の選択肢を作ること。
これが私の出した結論であり、これからも追い続けたいテーマである。
小さなキャンピングカー1台から、島の未来を少しずつ前へ進めていきたい。
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