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【与論島】故郷が朝ドラの舞台に決定!

7月13日(月)、NHK大阪放送局が2027年度後期の連続テレビ小説として、現代の大阪とヨロン島を舞台にした作品「なぎさの進化論」を制作すると発表した。

このニュースは、たちまち島内をかけめぐった。多くの友人、フォロワーさんから「おめでとう!」のDMやLINEが届いたが、正直個人的にはあまりピンときていない。というのも、本当にテレビを観ないから…。

主人公は獣医師。朝ドラ史上初めてこの職業がヒロインに据えられるようだ。人よりも牛が多い畜産の島として、獣医師が牛の出産や急患対応に奮闘する姿を描く物語だという。確かにヨロン島は島民約4,900人よりも牛が約6,000頭と多い。

ヒロインはこれからオーディションで選ばれ、撮影は2027年3月に始まる予定とのこと。鹿児島県が舞台になる朝ドラは、2002年度後期の「まんてん」以来のことである。

脚本を手がけるのは「おっさんずラブ」や「ライオンの隠れ家」などの徳尾浩司さん。半年間かけて全国の獣医師を取材し、そのひとつひとつの体験を物語の指針にしたとコメントしている。

なぜこのニュースが「観光」にとって重要なのか

朝ドラの舞台になるということは、単発の話題づくりとは意味が違う。半年間、毎朝全国のお茶の間に島の景色と暮らしが流れ続けるということである。旅マエの情報収集の段階で、テレビの前で無意識にヨロン島という名前と映像が刷り込まれていく。これは広告費に換算すれば莫大な金額になる露出であり、放送終了後も聖地巡礼という形で数年単位の来島動機になり得る。

ただし、ここで浮かれてはいけないとも思っている。

朝ドラ効果で来島者が増えた地域の中には、宿泊施設や交通のキャパシティが追いつかず、一時的なブームで終わってしまった事例も少なくない。ヨロン島は宿不足という構造的な課題を抱えている島でもある。話題性だけを追いかけて受け入れ態勢が整わなければ、来た人ががっかりして帰るという最悪の結果すら起こり得る。

観光の本質は、来てもらうことではなく、来た人に満足してもらい、また来たいと思ってもらうことにある。

今回のニュースは、ヨロン島にとって最大級の追い風であると同時に、島の受け入れ体制を本気で見直す最後の機会でもあると捉えている。

鹿児島県最南端の離島「ヨロン島」

生まれ育った島だからこそ、思うこと

私はヨロン島で生まれ育ち、いま、この島の観光大使を務めている。実家は父が57年続けている民宿で、島の暮らしと観光の両方を、生活の中で見てきた人間である。

だからこそ、このニュースを他人事として喜ぶだけでは終われない。撮影が始まれば、地元の事業者、行政、観光協会がそれぞれの立場で動くことになる。その時に必要なのは、勢いだけの発信ではなく、これまで積み上げてきた情報発信の土台と、島内の関係者をつなぐ動きだと考えている。

私自身、2019年からヨロン島に関する情報発信やSNSでの問い合わせ対応(島内観光のヘルプデスク)を続けており、2022年からは与論町、つまり行政からの案件も対応し、観光の枠を超えた対応をしている。今回のような大きな話題が来た時にこそ、こうした地道な積み重ねが生きてくるはずだ。

朝ドラ決定の喜びと、心のどこかにある小さな引っかかり

ヨロン島が朝ドラの舞台になると聞いた瞬間、素直に嬉しかった。生まれ育った島がこれほど大きな形で全国に紹介される機会は、そう何度もあるものではない。

ただ同時に、心のどこかで小さな引っかかりも感じている。この島の一番の魅力は、何もない時間の流れ方そのものにあると思っているからだ。急かされない一日、予定通りにいかなくても誰も気にしない空気、島時間と呼ばれるあのスローな日常。話題が広がり人が増えていく先で、この一番大切な部分が薄まってしまわないかという不安が、喜びの裏側にずっと張り付いている。

出身者として、観光大使として、一人でできることは正直大きくはない。地域の仲間と足並みをそろえ、島らしさを守りながら次の世代に渡していくために、自分にできる範囲でできることをやっていきたいと思っている。

朝ドラの舞台に決まったヨロン島。
これから注目を浴びるだろう。

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