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『BURRN!』の表紙はなぜ40年間「同じ顔ぶれ」なのか?〜HM/HR界を支配する不変の大御所たち〜

ヘヴィ・メタル(HM)/ハード・ロック(HR)専門誌『BURRN!』。1984年9月の創刊から40年以上にわたり、日本のHM/HRファン(特にヘヴィ・メタルファン)の情報源であり続けている専門誌だ。
ところで、長年の読者であれば誰もが一度は感じたことがあるのではないだろうか。
「あれ? 今月の表紙、またこのバンドか…」
そう、書店の雑誌コーナーに並ぶ『BURRN!』の表紙を飾る顔ぶれは、80年代から2020年代に至るまで、驚くほど変わっていない。
今回は、創刊から現在までに『BURRN!』の表紙を飾り続けてきたバンドたちの「年代別トップ10」を振り返りつつ、“なぜ『BURRN!』の表紙を飾るバンド(アーティスト)の顔ぶれは変わらないのか?” という素朴かつ深い疑問について考えてみる。

1. 年代別・表紙登場回数トップ10の変遷
まずは、各年代において誰が『BURRN!』の顔だったのかを挙げてみる。(※関連ソロプロジェクトや派生バンド等を含む)。
※ランキングは、公開されている表紙画像などをもとにAIを活用して集計・整理したものであり、厳密な公式記録ではありません。

【1980年代】空前のメタルブーム

  1. Bon Jovi

  2. Mötley Crüe

  3. Whitesnake

  4. Iron Maiden

  5. Ozzy Osbourne

  6. Metallica

  7. Yngwie Malmsteen

  8. Deep Purple / Rainbow(リッチー・ブラックモア関連)

  9. KISS

  10. Guns N' Roses

創刊初期の80年代は、LAメタルブームの全盛期。ボン・ジョヴィやモトリー・クルーが人気を誇り、表紙を飾った。一方で、1983年にアルカトラスのメンバーとしてメジャーデビューしたイングヴェイ・マルムスティーンや、80年代後半にはガンズ・アンド・ローゼズが時代の寵児として現れる。しかし、この時点で既に70年代からの重鎮(オジー、ディープ・パープル、KISS)もしっかり上位に食い込んでいる。

【1990年代】オルタナティヴ/グランジ・ロックを横目でやり過ごし、「メタル」の信念を貫く。

  1. Guns N' Roses

  2. Ozzy Osbourne

  3. Bon Jovi

  4. Metallica

  5. Megadeth

  6. Helloween

  7. Yngwie Malmsteen

  8. Mr. Big

  9. Aerosmith

  10. Skid Row

全米でオルタナティヴ/グランジ・ロックの嵐が吹き荒れ、オーソドックスなHR/HMが世界的に低調の時代を迎えた90年代。しかし『BURRN!』の表紙は揺るがない。ガンズやメタリカ、メガデスといったビッグネームが表紙を飾り続け、日本ではMr. Bigやハロウィンなど「日本で熱狂的に愛されるバンド」も表紙になってきた。

【2000年代】絶対王者の確立と派生メタルの活躍

  1. Metallica

  2. Bon Jovi

  3. Megadeth

  4. Iron Maiden

  5. Ozzy Osbourne

  6. Judas Priest

  7. Mötley Crüe

  8. Dream Theater

  9. Angra

  10. Yngwie Malmsteen

2000年代に入ると、メタリカやメガデスはシーンの絶対王者としての地位を確立する。ドリーム・シアターやアングラといったテクニカル/プログレ/パワーメタル勢も台頭したが、トップ層の顔ぶれは80年代・90年代とほとんど変わっていない。

【2010年代〜現在】もはや「神々」となった大御所たち

  1. Iron Maiden

  2. Megadeth

  3. Metallica

  4. Judas Priest

  5. Mötley Crüe

  6. Michael Schenker

  7. Helloween

  8. KISS

  9. Whitesnake

  10. Avenged Sevenfold / Volbeat等

2010年代以降、表紙の「固定化」は最高潮に達する。アイアン・メイデン、ジューダス・プリースト、メタリカ、メガデス、モトリー・クルー、マイケル・シェンカー……。彼らはもはや単なる人気バンドではなく、クラシック・ロック/メタルの「生きる伝説(神々)」として表紙を飾り続けている。

2. 通算ランキングで見える『BURRN!』の表紙
40年以上の歴史を通算してみると、表紙獲得数のトップ10はおおむね以下のバンド(およびその関連ソロ)で占められている。

  • Mötley Crüe(ニッキー・シックス、ヴィンス・ニール等のソロ含む)

  • Metallica

  • Megadeth

  • KISS

  • Ozzy Osbourne(Black Sabbath含む)

  • Bon Jovi

  • Iron Maiden

  • Guns N' Roses

  • Judas Priest

  • Yngwie Malmsteen

驚くべきことに、全480号以上ある『BURRN!』の歴史において、上位15〜20程度のアーティストだけで全表紙の半数以上(50〜60%近く)を占めている。
つまり、2号に1回以上のペースで「いつものあの方たち」が表紙になっている計算になる。

3. なぜ顔ぶれは変わらないのか?
年代が変わっても表紙の顔ぶれが変わらない背景には、バンドや雑誌、メディアの事情も存在する。

①   アルバム発売・来日公演という「旬」が表紙を決める
そもそも『BURRN!』の表紙は、新作アルバムの発売、来日公演、ワールドツアー、再結成など、その時々で最も話題性の高いアーティストが選ばれる傾向がある。読者にとって最も知りたい情報を表紙で打ち出すのは音楽雑誌として当然の編集方針であり、その結果としてMetallicaやIron Maiden、Judas Priestといった大物が繰り返し表紙を飾ることになる。彼らは活動歴が長く、定期的に新作やツアーを行うため、「表紙になる機会」そのものが若手バンドより圧倒的に多いのである。

② 読者の高齢化と「確実な売上」
出版不況と言われて久しい現在、出版物にとって「表紙」は売上を大きく左右する重要要素だろう。
『BURRN!』を長年支えてきたコア読者層は、80年代〜90年代に青春を過ごした世代(現在40代〜60代)が中心である。彼らのヒーローは、やはりモトリー・クルーであり、メタリカであり、メイデンなのだ。
若手の期待株を思い切って表紙に抜擢するよりも、アルバムを出したメタリカや来日するメガデスを表紙にする方が、圧倒的に売上の計算が立つ。商業雑誌である以上「数字を持っている大御所」に頼るのは当然なのかもしれない。

③   「アリーナ級」の新世代ヒーローが生まれていない
90年代半ば以降にも素晴らしいバンドは多数生まれてきている。しかし、世界中のアリーナ級を完売させ、世代を超えたアイコンとなった80年代に活躍した大御所たちに比べると、どうしてもマーケットの規模が分断・細分化してしまっている。結果として、雑誌の「顔」になれるスケール感を持ったバンドが少なく、過去のレジェンドに頼らざるをえないのだろうか。

④ HM/HRというジャンル自体の「美学の不変性」
ポップ・ミュージックやヒップホップでは、数年単位でトレンドが移り変わり、主役も目まぐるしく入れ替わる。しかし、ヘヴィ・メタルというジャンルは、流行を追い求めるよりも、伝統や様式美を重んじる文化である。
「メタルの様式美」を極めた大御所たちは、時代がどう変わろうとも色あせることがない。むしろ年齢を重ねるほどに、卓越した演奏力や長年積み重ねてきた活動そのものが「職人技」や「生き様」としての説得力を増し、表紙を飾るにふさわしい「格(オーラ)」を放つようになるのである。
だからこそ、新世代が登場しても、大御所たちの存在感が薄れることはない

4. まとめ:変わらない表紙は「メタル界における偉大さの象徴」である
『BURRN!』の表紙が変わらないのは、80年代に黄金期を築いたヘヴィ・メタルという音楽が、今なお多くの人の心を強く捉え続けている証なのだろう。そしてそれは、その熱量を40年以上にわたって支え続けてきたレジェンドたちの存在の大きさを物語っている。
言い換えるのならば「表紙が変わらない」のではない。「40年経っても、表紙に載る資格を失わないバンドがそこにいる」のだ。そしてそれこそが、ヘヴィ・メタルというジャンルの特異性なのかもしれない。
そして来月も、おそらくまた「あのバンド」が表紙を飾るだろう。それを見て「またか」と思いながらも、どこか安心してしまう。それもまた、『BURRN!』という雑誌が40年以上にわたって築いてきた文化なのかもしれない。

参考として、以下に『BURRN!』の通算表紙登場回数 オールタイム・ベスト 3をあげておく。
第1位 Mötley Crüe  27回
第2位 KISS  22回
第3位(同率)
METALLICA  21回
MEGADETH  21回
OZZY OSBOURNE  21回


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