闇 525(池袋交響曲編)
闇 525(池袋交響曲編)

2026/04/14 tue
※この作品は、因果律に業を混ぜた小説です
前回の章

二千二十一年八月一日、日曜日仏滅。
八月に入り、俺のシフトは早番へ移行した。
相棒は片屋敷との二人だけ。
まず暇で自由気ままなのが素晴らしい。
朝七時に出勤するのは早いのでキツかったが、終わるのは昼の三時。
サラリーマンよりも早く提示で終わり、そのあと残りはすべてプライベートという解放感がいい。
唯一の難点は、三時だとほとんどの店のランチタイムが終了してしまう点。
それも歌舞伎町から大久保まで歩く間に、どこかしら開いている店があるだろうと楽観視する。
西武新宿駅前通りを歩いていると、北口手前にドラゴン餃子という店を発見した。
大久保通りにあったタイガー餃子と系列なのだろうか?

あっちはいつの間にか閉店してしまったが、聞いてみたところ、こちらのドラゴン餃子とはまったく関係ないらしい。

様々な餃子の種類があるものの、オーソドックスなドラゴン餃子を注文。
春巻きに揚げ茄子、冷しゃぶサラダを頼みながら、酒も飲む。

昼間から酒も出て、タバコを席で吸えるので、最高の店かもしれない。

餃子も中々美味しくいい店を見つけたものだ。
図に乗って遅い時間まで起きてないよう早めに寝ておくのが、早番のコツだろう。
夜の九時か十時頃には睡眠を取るよう時間調整をした。
二千二十一年八月二日、月曜日大安。
仕事が終わるとまずは部屋でゆっくり休む。
夕方になってから大明飯店へ向かい、茄子と豚肉の炒め定食と餃子を食べる。

何となくそのままエスパスへ行ってしまい、本当にパチンコを懲りた。
二千二十一年八月三日、火曜日赤口。
今日の業務は本当に大変だった。
珍しく客が入ってきたので、店内は大忙し。
俺と片屋敷しかスタッフがいないので、ホールをずっと駆けずり回る。
一人はキャッシャーにいないと話にならないので、接客とドリンク作り、出前の対応などすべて自分がやるしかない。
レディの一日の〆は早番で行う為、仕組みを知らない俺はホールを担当するしかなかった。
中番が来る時間帯が近付くと、皮肉な事に暇になる店。
ヘトヘトになった俺はアスクルームへ戻ると、そのまま寝てしまう。
夜になってから大明飯店へ行き、野菜炒め定食と餃子を食べる。

いきなり生活のリズムが狂ってしまったなあ。
明日出ればやっと休み。
あと一日頑張ろう。
二千二十一年八月四日、水曜日先負。
昨日と打って変わり暇なレディ。
睡魔が襲ってくるので、椅子に座りながら寝てしまう。
片屋敷に起こされて客の呼び出しに気付くレベルの寝方をしてしまったので、どこかで心が緩んでいる証拠だ。
ここへ来た頃の初心を思い出さないと。
大明飯店へ行くと、新メニューでカレーつけ麺があったので、餃子と一緒に注文した。

さて、今日これからを含めた連休はどう過ごすか?
久しぶりに女を抱きたい。
手っ取り早く抱けそうな身近な女……。
ベトナム人のリサへ連絡を入れる。
すると中野にあったベトナムパブは潰れてしまったようで、今新しい仕事を探しているらしい。
とうとう潰れたのか、あの店。
客である俺に女をつけず、雑誌記者へすべての女をつけるような指示をするママ。
あんな馬鹿げた接客をするような店だから、そうなって当然だろう。
「俺、明日と明後日休みだからさ、ご飯でも行かないか?」
「今日面接ネ。だからまた連絡スル」
リサは駄目か。
池袋のちかは…、あそこ高いもんなあ……。
まあこれから二日間ゆっくりできるのだ。
今日も入れれば二日半。
焦ったところでしょうがない。
アマゾンプライムで映画を見てのんびり過ごしていると、中野のガールズバーのひじきから連絡が来る。
完全な営業電話。
まあ休みだし、化粧品のプレゼントも渡そうと思っていたので、明後日店へ行くと了承した。
ひじきをすぐ抱けるとは思っていないので二日後に回し、明日何とか行動をしないといけない。
確実に女を抱ける方法。
今の俺では風俗か、出会い系サイトぐらい。
仕方なく懲りずに出会い系サイトで女を物色し、夏海という女とやり取りをしてみた。
『アド名にも出てるからわかると思うんですけど、私の本名は魚谷夏海っていいます! 約束のカフェの時の動画と自宅に居る時の動画お送りします! もうこっちでやり取りできるし、他の人からメッセージが来ちゃうので、アプリは退会しちゃいます。最初にホテルデートからでもいいですか? でもそれでただエッチだけしてバイバイってなっちゃうのも嫌だから最初に二万円預からせてもらえませんか? そうしてくれたら次のデートとかで二万で食事してもホテル代に使ってもいいかなって思うし、そこまでしてくれたら次も会って仲良くしていこうっていう覚悟を感じられて私も安心してお会いできるので。 魚谷夏海』

この出会い系サイトで共通するのは、あれこれ冗長な自分の状況をダラダラ言いつつ、結局いきなりホテルで会うから金を用意しろというただの援助交際に過ぎない。
金額も二万円から二万五千円、三万と人によって提示する額は違う。
送られてきた動画を見る限り、夏海は美人の部類であるが、本人ではない可能性があるだろう。
まあ二万円とホテル代でセックスができるのだ。
俺は割り切って、夏海に会おうと連絡を返す。
二千二十一年八月五日、木曜日友引。
前回川越へ行った以来の十一日ぶりの休みであり連休の始まり。
特に予定無いし、池袋にでも繰り出すか。
フェイスブックでは陽気にこんな形の投稿をしたものの、実際は懲りずにまた出会い系サイトで別の女と会う約束。
新大久保で電車に乗りながら、駅の入口を無意識に写真を撮った。

池袋駅北口で待ち合わせ、出会い系女夏海と落ち合う。
予め見ていた写真と違うと思ったが、誰かに似ている。
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