27.古代ギリシャの嘘⑩
画像は以下のサイトから転載。
古代ギリシャも最終回です。
ギリシャとバビロニア
紀元前八世紀のホメロスの時代から、ギリシャ文学は星座に満ちあふれていました。
もちろん、ほとんどはバビロニアからの借用です。
十九世紀の西洋古典学者、F・M・コーンフォードによると、バビロニアと古代ギリシャの関係については、「借用」ではなく「影響」が強調されていました。
当時の学者たちはギリシャ人が東洋の知恵を「借用」したことを示そうと何度も試みたのですが、大人の事情があったようです。
フランツ・キュモンは『ギリシャ人とローマ人の占星術と宗教』の中でこう記しています。
しかし、ヘレニズムがセム語源から借用したものであることに疑いの余地はない。遠い昔、ヘラス(ギリシャ人)は遠い東方から十二進法、あるいは十進法による時間や物の計測法を伝来させた。わたしたちが今日まで使っている十二時間で計算する習慣は、イオニア人がオリエント人からこの一日の区切り方を借用したことによる。日時計のような初期の計器に精通していたことに加え、かれらはメソポタミアの天文台に天球地形の基本的なデータ、黄道、黄道十二宮、惑星の大部分などを借りた。
ギリシャでは紀元前五世紀以降、占星術的な思想が広まり、ギリシャ神話と星座を結びつけるようになりました。バビロニアの神々はギリシャ神話の神々と性格が似ていたので、同じ惑星に当てはめました。
かつてのギリシャ人は多くの神々を崇拝していましたが、紀元前四世紀になると、パルテノン神殿のフリーズ彫刻にあるように、十二の神々に落ち着きました。

プラトンの弟子エウドクソスは、バビロニアの情報を引きながら、十二神を黄道十二宮の星座に割り当てました。ゼウス、ヘラ、ポセイドン、デメテル、アポロン、アルテミス、アレス、アフロディーテ、ヘルメス、アテナ、ヘファイストス、ヘスティアです。
ヘスティアはディオニュソスに置き換えられますが、それ以外はフリーズ彫刻と同じです。そしてそれぞれの星座に神話的な意味が与えられ、星座は英雄と結びつけられました。
巨人の狩人オリオンはポセイドンの息子で、サソリに踵を噛まれて死にました。そのころ付き合っていたアルテミスは、医者のアスクレピオスにオリオンを生き返らせてくれと頼みます。冥界の王ハデスが反対したため、今度はゼウスにオリオンを星々の中に置くよう嘆願しました。
繰り返しになりますが、ユダヤ教の伝統では、ニムロデをオリオン座と同一視していました。エジプトではオシリスとオリオン座が同一視されていました。聖書はニムロデについて、「主の御前に立つ力強い狩人」と言及しています。
ニムロデの妻であり母のセミラミスは、自分の魂は月であり、ニムロデがすでに太陽の中にいたように、自分が死んだら月の中に住むと主張しました。
アルテミスは月の神です。人身御供を要求する神で、小アジア(トルコ)のエフェソスはアルテミスの神殿で有名な都市です。
同じ小アジアのフリギアでは、大地母神キュベレーも崇拝されていました。キュベレーは息子のアッティスと結婚しました。
これも繰り返しになりますが、キュベレーもアルテミスも、彫像などでは頭に要塞のような矢倉を乗せた姿であらわされます。
どちらもバビロンを城壁で囲ったセミラミスがルーツです。要塞の女神なので頭に要塞を乗せるわけです。
紀元後一世紀の詩人プロペルティウスの著書『エレギア』にはこうあります。
テーバイの大海原は、(ディオニュソスの乱痴気騒ぎで)タンバリンを打ち鳴らす。……その近くでは、矢倉のような頭飾りをつけた偉大な女神キュベレーが、イデアンの踊りに合わせてけたたましいシンバルを打ち鳴らす。
ローマ神話のディアーナはアルテミスとイコールで、やはりバベルの塔を思い起こさせる矢倉のようなものをかぶっていました。
セミラミスは神格化されたとき、レアの名で崇拝されました。ギリシャ神話のレアは大地の女神です。
ちなみにペルセウスはゴルゴンを倒したあと、エチオピアの王女アンドロメダが生贄になりかけていたところに通りがかります。二人は結婚し、名前のとおりペルシャの祖となる子たちを産みます。
惑星の神々

黄道十二宮の最初の星座は牡羊座です。金の羊毛を持つ空飛ぶ羊で、戦いの神マルスに支配されています。
マルスは火星です。バビロニアの主神マルドゥクも火星と結びついています。
牡牛座は、ゼウスがエウロパを誘惑した際に変身した白い牡牛、またはヘラクレスが殺した牡牛です。
エウロパはフェニキアの王子カドモスのきょうだいで、フェニキア人はイスラエルの地でバアルを崇拝していました。バアルは別名ベル、マルドゥクです。
結局のところバビロンのニムロデ、セミラミスに落ち着きます。
ホメロスの『イーリアス』では、ヘラクレスの功績がいくつも挙げられています。ですが黄道十二宮と一致させるために十二という数になったのは、紀元前五世紀からです。バビロン捕囚後で、アケメネス朝ペルシャが大繁栄した時代です。
ヘラクレスはペルセウスの子孫で、星座は竜座(ドラコ)の近くにあります。ドラコは蛇で、ヘラクレスはティアマトを倒したベル(マルドゥク)としても知られています。そしてギルガメシュの神話も、次第に「ヘラクレスの十二の功業」に変化していきます。
牡牛座は、愛の女神ヴィーナス(アフロディーテ)に支配されています。ヴィーナスはバビロニアでは「あらゆる不純物の母」で、残虐な儀式と都市規模での聖なる売春に一役買っていました。
ヴィーナスはヨハネの黙示録十七章に登場する女の原型です。
その額には、『神秘、大いなるバビロン、淫婦と地の憎むべきものの母』と書かれた名があった。
乙女座は唯一の女性で、星座になる前はゼウスとテミスの娘アストレアとして知られていました。
モデルはローマ神話に登場するケレスです。つまり乙女座はデメテルに捧げられていました。もともとはアッシリアのヴィーナスで、タンムズの母でした。
デメテルとエレウシスの秘儀については以下でお伝えしました。
射手座は半人半馬のケンタウロスです。ケンタウロス族のポロスは、エリュマントス山でイノシシを狩るのを助けました。タンムズはイノシシに殺されました。
山羊座はパンと関連しています。ほかの神々とともにナイル川沿いで宴会していたとき、テュポンに襲われます。
神々は動物の姿に身を変えて逃げますが、パンはあわてて足から川に飛び込み、上半身が山羊、下半身が魚になってしまいました。
ウィキペディアにはこうあります。
ギリシアの歴史家プルータルコスが『神託の堕落("The Obsolescence of Oracles" (『モラリア』5:17))』に書いたことを信じるならば、パーンはギリシアの神々の中で唯一死んだ。ティベリウスの御代にパーンの死というニュースがタムス(Thamus)の元に届いた。彼はパクソイ諸島経由でイタリアに向かう船の船員だったのだが、海上で神託を聞いた。「タムス、そこにおるか? Palodesに着いたなら、忘れず『パーンの大神は死したり』と宣告するのじゃ」と。その知らせは岸辺に不満と悲嘆をもたらした。
ロバート・グレイヴズは、『ギリシア神話』(The Greek Myths)の中でタムスは明らかに「Thamus Pan-megas Tethnece」(全てにして偉大なるタンムーズは死したり)を聞き誤ったのであると示唆している。
水瓶座は、美少年ガニュメデス(ガニメデ)が神々に不死の酒ネクタルを給仕している姿であらわされます。ゼウスは美しすぎるガニュメデスを拉致し、天で給仕役にしました。
水があふれ出る壺を抱えた人物の原型は、バビロニアのグラ(偉大なる者)に遡ることができます。
すべてはバビロンにつながります。
上なるものは下なるもののごとく
ヘルメス・トリスメギストス(三重に偉大なヘルメス)は、最古の錬金術師です。

エメラルド・タブレットにはこのように記されています。「上なるものは下なるもののごとく、低きものは高きもののごとし」
男を女、正義を悪に、親を公立学校に、そして人を神にしたりなどをするテクニックをあらわしています。サタンが日曜日を安息日に変更したように、こっそりとひっくり返すわけです。
現在も、新しく発見された天体に人物の名前をつける慣習があります。現代でも神話を構築しているのです。
『銀河ヒッチハイク・ガイド』の著者ダグラス・アダムズについて、再びウィキペディアからの引用します。
1998年に発見された小惑星が『銀河ヒッチハイク・ガイド』の主人公の名前アーサー・デントから18610 Arthurdent と命名された。また、その仮符号が「2001 DA42」(没年と頭文字と『銀河ヒッチハイク・ガイド』のキーワード「42」と一致する)である小惑星が、2005年に「25924 Douglasadams」と命名されている。
惑星に名前がつけられた人、と聞くと、ほとんどの人が疑いもせず偉人と捉えます。
千年後の学者が「神」ダグラス・アダムズについて研究したとしましょう。『銀河ヒッチハイク・ガイド』「小惑星」「アーサー・デント」「42」などのキーワードから真実を導き出せるでしょうか。
ちなみにダグラス・アダムズは、無神論者で『神は妄想である』の著者で進化生物学者のリチャード・ドーキンスに激推しされています。ダグラス・アダムズも無神論者で、環境活動家でもあったりなど、いろいろなエピソードを見ると、おそらくあっち側の人です。
古典期のギリシャ人は、オルフェウスを偉大な音楽家、詩人して崇拝していました。ですがオルフェウスは魔術師で、エレウシスの秘儀、ディオニュソスの秘儀の創始者です。
竪琴を発明したのはヘルメスで、オルフェウスは演奏家として芸術を完成させたといわれています。
ヘルメスの杖は、アシェラの柱、つまりちんこです。モーセも「青銅の蛇」という銅像をこしらえました。これを見た者は蛇に噛まれても生き永らえます。
以前もお伝えしましたが、ヘルメスの杖はカドゥケウスとも呼ばれ、医学のシンボルとして知られています。

ヘルメスは死者を死後の世界へ導く者です。医学にふさわしくないように思えますが、古代の神話なのでOKなのです。たかがシンボルに難癖をつけるのは頭のおかしな暇人です。
ですが上の人たちは、毒を薬に、とひっくり返したことを知っています。なのでこういったシンボルを持ち出すわけです。
現代医学のルーツは錬金術です。正確にいうと、医学イコール錬金術です。
パラケルスス(本名フィリップ)は毒を薬として販売していました。哺乳類の汗を飲めば発熱が治ると主張し、健康のためにクジラの精子を摂取することを人々に売り込みました。人体を粉にしたものを薬と称して販売してもいました。
また無機塩、ミネラル、金属を薬として処方することに熱心で、「毒は量によって決まる」という言葉を思いついたのもパラケルススでした。当時はまだ健全で、ふつうに世間から非難されたため、このような言い訳を思いついたわけです。
パラケルススは動物実験も行い、推奨していました。そして生贄の苦痛が大きければ大きいほど魔力は高まります。やっていることは同時代のジル・ド・レと変わりません。

大多数がオカルトのシンボルに気づき非難すれば、世の中はがらりと変わるはずです。
そのためには真の歴史を学び、現在に当てはめる必要があります。
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