合格率1%のときも!?最難関の裏ボス税務考査1を一撃で倒す攻略法
こんにちは。公認会計士試験合格者の伊藤陽平です。
本日は、税務考査1の攻略法について解説します。
私も税務考査を受ける前に対策を調べましたが、具体的な情報はほとんど出てきませんでした。
それもそのはずで、税務考査は、数年前に合格率(得点率6割以上)が1%程度だったこともあるという、監査考査はもちろん、公認会計士試験の本試験や修了考査とは比べものにならない難易度だからです。
ほぼ全員が追試になるリスクのある考査ですが、一発で突破し、それに加えて情報発信を行なっている方となると、ほとんどいないと思います。
私はたまたま一発でクリアできたので、少しでも税務考査1の対策についてお伝えできればと思います。
なお、現時点では私の主観で書かざるを得ませんので、採点コメントが公開された後に見直しをしようと思います。
それでは解説をはじめます。
結論:楽に攻略できる方法はない
いきなり結論ですが、絶望的な難しさでした。
過去問にない問題が出題される上に、解き切ることはできないほどの分量でした。途中退出者がほぼいなかったことからも、そのような評価ができそうです。
さらに、出題傾向が読みにくいことがあげられます。
例えば、私は税理士費用の指示を読み飛ばして、相続税が壊滅することになりました。これは初めての出題で、多くの補習生が引っかかったと思われます。
テレビゲームでも同じですが、裏ボスくらいになると、もはや限界までレベルを上げるくらいしか対策がありません。
監査考査の場合は、一夜漬けで過去問を覚えればなんとかなる場合もありますが、税務考査は出題予想が難しく、そうはいきません。
自分で重要性を決めて論点を切るのではなく、講義で触れた論点と過去問を網羅的に学習すること。地味ですが、これが一番の攻略法となります。
税務考査当日の感想
正直に書くと、考査が終わった瞬間は「追試だ…」と思いました。
理由はいくつかありますが、例えば、相続税で税理士費用を控除してしまって芋づる式に失点したこと、所得税の初見の計算問題ができなかったこと、所得税や消費税も半分も取れていない気がしたことです。
ところが、蓋を開けてみると63点と、明らかにできた箇所の割合よりも多く点数がとれていました。
これは、傾斜配点が効いていたと思われます。
ただし、相対評価で一定の合格者を出すような考査ではなさそうで、多くの補習生は追試を受けることになります。
当日の戦い方
とりあえず順番に解いていくことにしました。
相続税は、典型的なパターンが中心なので、時間をかけずに解くことを意識しました。端数が出てかなり焦りましたが、「ダメかもしれない」と不安を抱えながらも次に進みました。
所得税を開いたときに、見たことがない形式の問題が出題されており、かなり焦りました。もしかするとやばいかもしれないと思って消費税をみて、時間内に全部解くのは無理だと悟りました。
所得税の後半の問3以降をみてショックを受けました。
この時点で戦意喪失しかけましたが、諦めずに時間がかかりそうな計算問題は切り、例えば所得税問3でも講義で説明があったことについて文章を少しだけ書いて飛ばす、消費税は課税売上割合や手数の少ない計算問題にしぼり、残りの時間で理論を中心に対応するなどできる限り空欄にしなかったことは大きかったと思います。
なお、相続税の過去問には、計算過程は採点されないと記載があり、時間を使いすぎないようにしました。この点も戦略に関わるので、過去問の注意書きまで確認しておくことをおすすめします。
科目別の対策
基本的には教材(税大講本とテキスト)、過去問、非公式ですが「ほしゅ」などを活用することになります。
教材は補足資料も含めると膨大ですが、基本的には講義で扱われた論点を学習します。
私は過去問3年分を復習まで行い、2年分は解き捨てにしました。今振り返ると、残り2年分も類題を解き捨てにするのではなく、もう少しケアしていればさらに点数がとれていました。実は「仏具」が控除できないという問題が5年前に出ており、復習を丁寧に行っていれば税理士費用もとれていた可能性は高いです。監査考査であれば、3年程度の過去問演習で十分ですが、税務考査1の場合は、5年分すべてと教材、公開されている範囲をすべてやっておいた方が後悔しないと感じました。
相続税
これだけは少し変わった対策をしたかもしれません。
まず、相続(税以外も含む)自体の理解を高めるために、YouTubeの円満相続ちゃんねるを視聴し、関連する一般書を読みました。
普段は自治体の仕事をしていることもあり、相続は仕事にも関係があるため、せっかくなので理解を深めたいと思ったからです。
結果的に、論点を苦労せず覚えやすくなりました。相続時精算課税制度などは講義よりわかりやすい動画もあるので、考査まで2週間以上あるなら、隙間時間に視聴すると良いと思います。
理論は、アプリのほしゅで単語をすり込みました。その上で、税大講本を含むテキストで単語を覚えました。
計算問題は、過去問と講義で触れた計算問題を中心に対策しました。財産評価はどこまでやるか迷いましたが、数問だったので、教材にのっていた講義で触れていない計算問題まで対策しました。
演習を重ねてある程度頭に入った状態で講義を再度受講し、扱われた論点に集中して復習しました。
所得税
論文式で経験があり、まったくの初めてではないので、演習から入りました。
会計士試験の教材を使用するか迷いましたが、過去問をみると補習所の教材のみで対策できると判断しました。
理論は、ほしゅと確認テストを中心に対策しました。講義の最後に解説がありますが、それを受講して教材を読み込んで、理由が言えるようにしました。
計算問題は、過去問を中心に対策しましたが、比較的典型的な問題が決まっている印象でした。
消費税
基本的には所得税と同じ戦略です。
ただ、最も出題傾向を予想することができず、対策の難しさを感じました。会計士試験ではあまり解いてこなかったタイプの問題も多かったように感じました。
私は簡易課税制度など、オリジナルレジュメの計算問題まで対策しましたが、それでも自信はありませんでした。
真面目に対策しても不安が残る考査
監査考査については、継続的に学習し、一定の得点を重ねてきました。一方、税務考査は非常に難しいと聞いていたため、休日も終日学習に充てました。講義は複数回受講し、過去問も5年分解きました。
しかし、相続税の問題では、講義で演習しておらず、過去問にもなかった指示を読み落としてしまい、それが広範囲の失点につながりました。指示に関係する論点自体は学習し、理解していましたが、計算問題で適切に対応するためには、知識だけでなく、問題形式への慣れや受験テクニックも必要であると感じました。
同じ問題が再度出題されれば確実に正解できると思いますが、過去問にはない形式の問題で、一度の読み落としが大量失点につながる場合、同じように得点できない補習生も少なくないと思います。そのため、講義や過去問に真面目に取り組んでも税務考査を突破できるのか、不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
現在の講義内容と考査の出題内容が、十分に対応していない部分があるように感じます。
補習所税務考査担当の先生方には、解答過程に応じた部分点や傾斜配点を引き続きご検討いただきたいです。また、追試の受験が事実上の前提とならないよう、本試験の難易度や出題内容についてもご調整いただけると幸いです。
まとめ
繰り返しになりますが、監査考査のように短時間の対策でクリアできることは、まずないと思います。覚悟を決めて、当たり前のことを、できる限りやるしかありません。
難しい考査ではありますが、振り返ると講義で触れたところが中心に出題されています。講義を受講して教材に反映し、回転させることで何かしら書けるようになります。
過去問はできるだけ全部解いて、特に計算問題は解答の暗記ではなく、理解しましょう。
隙間時間には、ほしゅで理論対策をしましょう。
税務考査受験生のみなさま、頑張ってください!
