酒から見る日本統治時代の台湾
大家好(ダージャーハオ)、「1.5倍速で旅する」です。今回は、考察系のお話になります。
――清酒と米酒を、同じ夜に飲み比べてみた
今、台湾にいる。
せっかくなので台湾の清酒を買ってみた。
日本酒に似ているけど、厳密には日本酒じゃないらしい。台湾で造られた清酒だ。
ふと、「じゃあ、米酒とも比べてみようか」と思って、紅標“純米酒”も買ってみた。
名前だけ見ると日本酒っぽい。でもアルコール度数は22%。この時点で、もう別物だと分かる。さっそく飲み比べてみよう。
まずは紅標純米酒。

……めっちゃ効く(笑)。
日本酒にはない、独特の風味。味を楽しむというより、身体に直接くる感じがする。
これは安く、手っ取り早く酔いたい時の酒だ。一日の終わりに、余計なことを考えずに飲む酒。
次に、玉泉の純米清酒。

甘みがあって、角がない。「あ、日本のお酒だ」と素直に思う。料理と一緒に、ゆっくり飲みたい時の酒だ。
この二つを飲み比べて、ふと日本統治時代の台湾のことを考えてみた。

日本統治時代、台湾では酒が専売だった。誰が造り、誰が売り、誰が飲むか。酒は国家が管理するものだった。
清酒は、日本人官吏や軍人の酒。料亭や官舎で、「日本人であること」を確認するための酒。
一方、米酒は台湾人の生活に入り込んだ酒。労働のあと、家庭の台所、身体を休めるための酒。
同じ「米」からできているのに、役割はまったく違う。今、自分の目の前にある二本の酒は、そのまま当時の構造を映しているように感じる。
紅標純米酒は、生活の中で、効率よく酔うための酒。
玉泉純米清酒は、場と時間を選んで、味わう酒。
これは好みの問題じゃない。どんな時間を過ごすことを想定された酒かの違いだ。
台湾で酒を飲むと、日本統治時代は、急に教科書の外に出てくる。
歴史は、グラスの中にも、ちゃんと残っている。

