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若きケイティの悩み | ショートショート

私はケイティ。深く考えない担当。
世界には、考えすぎる人がたくさんいるので、私はなるべく何も考えないで生きていく役割だ。

私がベティの物語にたまにしか登場しないのは、演出上の理由ではない。
経済的な理由だ。

私の友だちは世界を旅している。
なので、私も世界を旅している。

理屈は分からない。
でも、雰囲気的には合っていると思う。

ベティは、学生時代から
語学、音楽、演劇、美術、
あらゆるジャンルで留学している。
いわゆる「そういう家の子」だ。

一方、私は一般家庭。
家は2LDKだった。

でも、私たちは一緒に写真を撮る。
同じカフェでコーヒーを飲む。
同じ街の名前を書く。

だから、私も旅をしている。
少なくとも、文章の上では。

設定に無理がある気がするけど、
雰囲気文学なので、そこは誰も触れない。
触れないというか、たぶん考えていない。

ただ最近、財布がきつい。
欧州内とはいえ、毎週違う都市に移動するのだ。
身体より先に口座が悲鳴を上げる。

ベティは軽やかだ。
国境も、人生も、
段落を変えるみたいに越えていく。

私は、航空券を買うたびに深呼吸する。
カード番号を打つ指が、ちょっと震える。

だから、この間のコペンハーゲンは二本どりにしてもらった。声だけ、名前だけの出演の回も多い。

次の街には行かないかもしれない。
いや、行けないかもしれない。
財布の許可は出るだろうか。

でも、誰も気にしない。
「街の雰囲気にあった素敵な話」
そうなのかもしれない。

雰囲気は無料だ。
写真も無料。
文章も無料。

有料なのは、交通費と宿。
それが、現実だ。

ベティは言う。
「旅って、自分を更新することだから」

私はうなずく。
更新料が、思ったより高いだけだ。

世界は広い。
財布は狭い。
だから私は、深く考えない。
考え出すと、次の登場がなくなりそうだから。

ところで、みんなの体験談って本物なのかな。

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