大学の成績で絶望しているあなたへ
みなさん、おはようございます。学部を卒業して、4月から大学院生になるいしゅーです。
まずみなさんにお聞きしたいのですが、こんなこと思っていませんか?
「勉強が難しすぎて、成績が全然上がらない。この現実を知って絶望している。」
これは私みたいな大学生もそうですが、特に受験を意識する中学生や高校生が思ったりすることでもあります。ここで生活している人にとっては人生において避けては通れない場所でもあるわけですが、ここで
私の大学生活においてどのようなことがあったのか
について色々紹介していけたらいいなと思っています。以前にSpm28thでこの話をしてみたのですが、思いのほか需要があったのでここで書いてみようという形になりました。自分でも思い返してみたのですが、たくさんのことを経験したからこそ、ここに書けるのではないかなと思っている所存です。
大学入学前〜入学まで
大学受験も終わり、立命館大学に入学することになった私は家族や親戚の人たちからたくさんお祝いの言葉をもらいました。そもそも有名大学に受かること自体に家族からはたくさん賞賛されて、自分自身も当時を振り返ると今でも家族に泣きついたことを覚えています。家族からは勉強をされることに関してはあまり強要されずに、親の実家に帰った時に勉強から目を逸らしてゆっくりしていました。この時点では、大学生活をただ楽しむこと以外はあまり考えていませんでした。今となってはかなり怠けていることが分かります。
学部1年生
大学生活の幕開けからの絶望…
私の大学では、入学式の前にやらないといけないことがあります。それは
英語 TOEIC IPテスト
高校数学・高校物理のテスト
です。TOEICに関しては点数別で4つのレベルに分けれれていまして、100点満点で大体85点を超えていたらADクラス、72-73点を超えていたらIHクラス、60点を超えていたらILクラス、それ以下だとBAクラスに該当するという仕組みになっています。私はあまり点数がよくなくて65点を取ってしまい、ILクラスに配属されました。また、高校数学・高校物理のテストに関しては一応学力の確認みたいなもので、大体30点を切ってしまったら「リメディアル科目」として、時間割に自動的に入れられるという仕組みになっています。この時点での私の学力は、数学科に進学したのにも関わらず100点中10点を取ってしまって、無事「リメディカル科目」を履修することになりました。物理もボーダーラインを際際で回避するくらいで、正直卒業すらできるか怪しいレベルでした。ここの部分だけ見てみたら、私は「あまりにも終わっている大学生」、いわゆる「立命のビリギャル男」になってしまったどうしようもない奴になってしまったのです。
戦いの鐘が鳴り響く…
1年生の授業に関してはコロナの影響がまだ大きかったこともあって、ほとんどの授業がオンラインで行われていました。自分で勉強するやり方もあまりわからないかつ、課題の量もそこそこ多かったのでずっと課題のことについて考えないといけないくらいしんどかった記憶が大きかったです。そんな私が勉強で何をやっていたのかというと、
数学:線形代数、微積分
物理:力学、電磁気学、熱力学、振動波動
について学習しました。さらに教職も取っていたということもあって、かなり忙しかったです。さらに、入学当時の成績が終わり過ぎていて「リメディカル科目」の先生からは
「この授業の単位がしっかり取れなかったら、これから数学の専門科目はかなり難しくなるし、マジで卒業できないよ」
と言われました。この時点での私の精神状態はどん底に落ちていく一方で、人生を終えてもいいかもしれないと思っていました。
逆境から私に注いだ光とは…
しかしその言葉を真に受けた私は、「見返したい」気持ちもあったのです。このような逆境に立った私がやった行動について紹介します。
1. 自分より数学ができる友達を見つける。
2. ゼミに参加する。
3. 先生に質問しまくる。
1つ目に関しては、私は数学科に入ってからたくさん友達を作ることができたのですが、数学を率先的にやろうとしている友達はそんなにいなかったのです。しかしとある授業で「数学研究会」について宣伝があってから、その研究会に参加しようとしている2人の友達と会いまして、いろいろそういう勉強の話をしていても特に気まずくならない関係ができました。そのお二人とは今でもたくさん喋らせていただいており、ちょこちょこご飯にも行っている仲でございます。
2つ目に関しては、その研究会に入ってから授業の補講みたいなノリで微積分のゼミに参加していました。本は高木貞二の「解析概論」を読んでいましたが、本の読み方からあんまり分かっていなかったので、先輩にめちゃめちゃ助けてもらったりしていました。先輩たちに関しては、本当に感謝申し上げます。
3つ目に関しては、言ってしまえば「媚びを売る」という行為にはなります。課題に関してわからないことをメールでやり取りをさせていただきまして、めちゃめちゃ無理のある質問にもご親切に答えていただいてなんとか演習問題が解けるようになりました。特に幾何方面に関しては本当にわからなかったので、かなりお世話になりました。この場を借りて、御礼申し上げます。
それを活かして勉強をしていった結果、1年生が終わるころには学年の上3割に入るか入らないかぐらいの成績を取ることができました。
学部2年生
能動的になる第一歩
まず、2年生に進学してから勉強した内容は以下の通りになります。
数学:群論、集合・位相空間論、Fourier級数、数理統計学、ベクトル解析、(表現論、多様体、初等整数論)
物理:力学、熱力学、相対論と量子論、解析力学
()の部分は授業でやってない
ほとんどが大学の授業でやっているものではありますが、このあたりからゼミで新しく勉強するものが増えました。中には通年でやったゼミも半期の間にやったゼミもありますが、輪読した本は、以下の通りです。
表現論:「テンソル代数と表現論」(池田岳)
多様体:「多様体の基礎」(松本幸夫)
「トゥー多様体」(Loring W. Tu)初等整数論:「初等整数論」(山崎隆雄)
群論:「代数学1 群論入門」(雪江明彦)
解析力学:「解析力学」(畑浩之)
数理統計学:「基礎統計学 統計学入門」(東京大学教養学部統計学教室)
群論と初等整数論のゼミは、1年生からお世話になっている先輩の下でやっておりましたが、やっぱりゼミの形式にフィットされるのに時間がかかってしまったかつ、赤雪江が思ったより行間が多くてそれを埋めることに手こずってしまっていることが多くて、その場では理解をすることができていませんでした。
テンソル代数ゼミに関しては上のゼミとは別の先輩にお世話になっていまして、線形代数の延長線上の分野という位置づけで勉強していました。このゼミでは何回か演習問題を自分で解いてくる回があって、それで提出している回は、修正してくださったりしました。
解析力学に関しては後期に授業を控えていたということもあって、夏休み期間中に大学に行ってゼミをしに行ってました。このゼミに関してはかなり準備をしてまして、バスケのサークルで合宿に行っている間もちょこちょこ演習問題を解いていたりしました。別で松本多様体のゼミをやっていた時に、「Euler-Lagrange方程式$${^{\forall}t\in [t_{0},\hspace{1mm}t_{1}],\hspace{1mm}\dfrac{\partial L(q,\hspace{1mm}\dot{q})}{\partial q_{i}}(q(t),\hspace{1mm}\dot{q}(t))-\dfrac{d}{dt}\dfrac{\partial L(q,\hspace{1mm}\dot{q})}{\partial \dot{q_{i}}}(q(t),\hspace{1mm}\dot{q}(t))=0}$$が任意の座標変換に対して共変で、なんか$${C^{\infty}(\mathbb{R}^{n})\rightarrow \mathbb{R}}$$へ作用して、$${q}$$を座標変換してあげてLagrangianに施すことができれば、座標に依らないことを言うことができて、最終的にはLagrangianがtangent bundleの関数としてあらわすことができる」ということに気が付いてから、解析力学と多様体にはかなり親密性があるものなのだなということに気が付いたという経緯があります。
自分の武器の発見
前小節でゼミについていろいろ書かせていただいたのですが、その中で自分が一番頑張っていたのが「数理統計学」です。6月ごろに先輩からお誘いいただいたのですが、その時に「アクチュアリーという職業があるんだけど興味ある?数学を職にしたものなんだけど、(本名)君なら向いてるんだけどね。」という言葉を聞いて、「やってみるだけやってみよう」という気持ちで勉強しだしました。アクチュアリーになるためには5科目の試験を突破する必要があって、その中でも1つ、ガチガチの「数学」で数理統計学の知識について聞かれる筆記試験があることを知り、非公式で「アクチュアリー勉強会」の2番目のポジションにつかせていただくことになりました(ちなみに一番年下)。かつ授業でも後期に数理統計学を勉強する必要があったので、ちゃんと目的をもって勉強することができました。まあ、課題に関して累計20人くらい私の所に質問に来ていて、なんだかんだめちゃめちゃ対応していましたが、それも雑用とは思わずに「自分の考えを友達に話す」という意味で、喋る練習としてやっていました。またこの数理統計学に関しては、新課程に切り替わった高校数学でも扱われるようになるので、教育実習に行く私にとっては一石二鳥でした。
Spmとの出会い
2年生の3月に、数物セミナー(通称Spm)という合宿に大学の友達と参加しました。この合宿のことについて知らない人に向けて簡単に説明すると、全国の数学・物理好きの大学生が班に分かれてセミナーをやって、交流を深めるものになっています。このときは多様体班に所属して私以外が数学科ではない人だったのですが、みんな数学をしっかりやっていてということもあって、私が一番数学ができなくてかなり足を引っ張っていたということをずっと痛感していました。当時は、点$${p}$$における微分(押し出し)$${F_{\ast}:\hspace{1mm}T_{p}N\rightarrow T_{F(p)}M}$$と引き戻し$${T_{p}N\leftarrow T_{F(p)}M}$$.の双対性、上の写像の線形性を証明するところを確認することに時間がかかっていました。なんなら、参考書のことについて全く分からなかったので班の人の言っていることをそのまま受け入れるしかできなかったのです。しかし、分からないうちはそれが常套手段なのではないかと思います。またこの合宿では「夜ゼミ」という自分が勉強している内容や趣味など自由に話すことができるゼミがあるのですが、とある日のお風呂に入ろうとしたときに「夜ゼミで発表してみないか?」と声を掛けられて、自分の勉強している内容について話せる内容を考えた結果、アクチュアリー数学の布教を突発的にやってみようということで、小さい規模ながらやってみました。人数に関してはそんなに多くはなかったのですが、いい経験になりました。
肝心な成績の方は?
授業に関しては、専門科目の中でなかなか単位がとりづらい先生の授業前期後期両方にありました。「集合と位相」という授業だったのですが、単位取得率が2割以下で、ちゃんと課題を全部を出していても先生に納得させられる回答を作れなかったら問答無用で落とされる科目でした。私もその例外に入らず、しっかり課題を提出をしていたのですが、結果につながらず前期は落としてしまっていました。ツォルンの補題の話について全く分からなかったという記憶が今でも残っていて、後に3年生でノイキルヒの自主ゼミをやったときにかなり苦労しました。話を戻しますと、単位を落としてしまったことに関しては「半分は仕方がない、半分は悔しい」という気持ちで、友達に家庭教師みたいな形で2日間で8時間対応した時に、友達が単位をもらえたにも関わらず自分が単位を取れなかったことに対しては本当に悔しかったです。あのときは秋学期のときもずっと頭によぎっていました。落としてしまったことを受けた私は、「私はやっぱり無理なんだ…。もう諦めようかな。」という気持ちがあったのですが、この科目には恐ろしいシステムがあったのです。それは
履修指定科目
というシステムで、とりあえず時間割に入れないといけない科目でGPAの評価対象になってしまうというものだったのです。私としても成績はしっかり維持させたかったので、「ここで諦めて落とそうとしたらかなり響くぞ」という危険意識がありました。そして、サークルの友達からも「先生を見返してやれ」という応援もあったので、後期に関しては数学研究会の同期にいろいろ助けてもらいかつ自分でも「松坂 集合と位相」を読みながら勉強に励みました。そうすると、先生からも納得できるような回答ができるようになって無事単位を取ることができました。このときは本当に嬉しくて、お世話になった同期には相当感謝しています。順位に関しては、前期に関してはその科目を落としてしまったのですが、大半の人が落としているということもあって順位的には上から20番前後まで上がって、後期に関してはこの単位を取れたことで上から7-8番まで上がりました。GPA自体もこの時点での自己ベストをたたき出すことができて、自分にもちょっとずつ自信を持てるようになりました。
学部3年生
専攻どうしようか?
まず、3年生に勉強した内容について紹介しようと思います。それが以下の通りです。
数学:機械学習、データサイエンス、ホモロジー論、初等整数論、積分論、複素解析、函数解析、微分方程式、環論、体論、多様体論、確率論、(数理ファイナンス)、(代数的整数論)、($${p}$$進Hodge理論)、
物理:数理物理学、(統計力学)
()の部分は授業でやってない
このときは、前期に授業を入れまくったこともあっていろいろアップアップしていました。さらに、2年生の後期からバイト先の学生団体に所属していてイベントの運営をするために広告系の仕事(実質給料は出てないのでボランティア)をやっていたということもあって、授業を受けることと仕事をすることの境目が分からなくなってしまっていました。そのせいでというものも言い訳でしかないのですが、授業中でも仕事をやってしまっていたことも多かったのです。また私は数学コースの人間で初等整数論のゼミを授業で取っていたのですが、統計方面にも興味があったのでデータサイエンスコースのゼミも単位認定はされなかったのですが、先生にアポイントを取って一緒に受講していました。このゼミでは凸解析とファイナンスとの関係について学習をするものでしたが、聞き専ではなくみんなと同じように発表をしていました。扱った本は Duffieの「Dynamic Asset Pricing Theory」という本だったのですが、なかなか読みづらい本であったかつ函数解析の勉強不足ということもあってゼミ発表ではかなり苦悩を強いられていました。さらに、アクチュアリー研究会の活動もあって専攻を確率解析の方面に持っていこうかなと軸がかなりぶれてしまっていました。1年生から数論方面について考えていたので、ここで変えてしまうのもどうなのかなと思い悩んでいました。後に研究室を決める際に、幾何にも興味が出てきて数学的ゲージ理論について研究をしたいということもあってそういうもの考えたのですが、いろいろあって結局やめて数論の研究室に決めたという経緯があります。
悲劇に見舞われる…
前期にあったことなのだが、私にとって大きな悲劇を受けたのです。それは、
バイト先の教え子が亡くなる
某テレビ局からインタビューのSMSが鳴りやまなかった
の二つです。2点目に関しては色々掘り下げたらテレビ局と番組が分かってしまうのでここでは記述しません。ただ相当気分を悪くさせる出来事で、これがあってから正直2-3週間程は学校に行くたびにフラッシュバックするということがありました。1つ目も軽く説明すると、高校進学が決まった男の子が私の担当生徒になったのですが、普段10分前に教室に来るのにもかかわらず、20-30分経っても教室に来なかったので教室長に電話をかけてもらったのですが、「昨日に亡くなった」とご兄弟から伝えられました。教室長に会談の所に連れていかれて、一緒に涙を流しました。この時点で私のメンタルは完全に崩壊していました。さらに、自主ゼミを4-5個参加しようとしたのですが、これらのことがあってからすべて参加を辞退しました。
私にとっての救世主
そんなこんな色々あって人生絶望まで追い込まれた私だが、ある日とある人と大学で会う予定を立てていました。その人は、3年生になる前からちょこちょこ連絡を取っていた人で「プリンターの使い方について教えてほしいです」と連絡があって、そこでいろいろお話をさせていただきました。授業で特に困っていることが多かったので私なりのアドバイスをさせていただいたり、3年生では専門科目のテストもあったのでその対策を一緒にしたりなどしました。また話を深掘りしていくといろいろ共通点があってから話の波長が合うことが多くなり、プライベートの話でもお互いの良さに気づくこともできて"普通に"暮らせるくらい調子を戻すことができました。今となっても感謝でしかありません。
絶望の涙から、歓喜の涙へ
この人のおかげで勉強のペースをしっかり取り戻すことができて、一生懸命に勉強したら結果にもしっかりでて、GPAの自己ベストを更新しました。順位に関してはあんまり変わらず6-7位くらいだったのですが、記録の成長に対してしっかり受け止めようと思いました。またうちの大学では、学科で6人しか選ばれない成績優秀者に賞金がもらえるというシステムがあるのですが、春学期の成績でまさかの成績優秀者に選ばれたのです。実際今でも信じられないと思っています。「もともとビリくらいの人間なんかがこんな賞をもらえるなんて夢の話でしかない」と思っています。私の実力だけでとれたものでは思っていないので、関わってくださった人には本当に感謝申し上げたいと思っています。
新世界開拓!
成績でもかなり自信がついた私は無事研究室も第一志望の所に行くことができまして、とりあえずその準備をしようとしていたのですが、大学内の情報だけだと整数論の話題はあまり流れてこないということが配属されてからわかったので、担当の教授にいろいろ聞くと「その情報についていろいろ連絡がくる方法をあげるよ」と言ってくださって、メールアドレスを登録しました。そうするといろいろ情報を手に入れることができて、1月に「概均質ベクトル空間」の集中講義と「深谷圏」の連続講義を京都大学に受けに行きました。そうすると、最低限の知識として代数群の話が分かってないとお話にならなかったので、当日の講義ではあまりわからなかったのですがその後に先生が講義ノートを上げてくださったということもあって、復習してある程度理会ができるようになって、実は数論の未解決問題と関わりがあって格子点の個数を評価する際に応用できることが分かったのでとても面白い内容だなと思えました。
さらに、同時期に「深谷圏」の連続講義を受けたのですが、この講義に関しては私の考えを変えた根源になる講義でした。1~2年生向けとして開講されているものですが、線形代数の知識が定着しているわけがないなと思って復習のついでに参加してみました。そうすると、余談でシンプレクティック多様体と代数幾何の間にある関係に関してはミラー対称性というものがあるということを知って、「なんか面白そう」という気持ちになったのでこの話に関して次のspmの夜ゼミで話してみようと試みました。そうするとAdの夜ゼミで10人くらい来てくださってそこでいろいろ話させていただいたら、ある一人の方から声を掛けられて「これについて、いろいろ教えてもらいませんか?」と言ってくださって、なんか私がある意味主役としてここにいるという実感が湧きました。そのあとにはまた別でこの話を3~4回ほどお話させていただきまして、さらにその方のゼミにもご招待していただきました。本当にありがとうございます。
学部4年生
教育実習について
教職を取っていたということがあって、6月に2週間自分の母校に実習に行きました。たまたまなんですが、指導担当の先生が私の当時の担任の先生で融通がめちゃめちゃ効く先生でした。しかも、教育実習を担当するのが私が初めてだったらしく、お互いの教え方の良さを共有して授業案を改善して何度も挑戦をしました。私の実力と高校生の理解度を合わせるために何が必要なのかを試行錯誤をしてみると、
クラスの6割くらいの人が理解できるような授業をすることを常にできることを目標にする
ことを意識していました。授業を円滑にすることができるか、生徒が内容を理解できるかの2点のバランスがしっかり取れるようになることは、生徒目線でも先生目線でも授業がよくなることが実習の間で実証できました。さらに、放課後で勉強で残っている生徒のサポートをやったりして、そこは塾講師をやっているということもあってかなり親密に勉強を教えることができました。
さらに、今年の1月に神戸市の公立中学校にフィールドワークで行ったりしていて、総合の授業を市の教育委員会の人と見学をしました。そこでは絵を使ったゲームをして、ノンバーバルで制限時間内で絵を好きなように描いてから、タイトルを命名するという授業をやっていたのですが、指導案や授業を受けてどのように思ったのかを教育委員会の人と一緒にディベートしました。またそこで自分たちでやってみたのですが、意見をいろいろ言っていたということもあって、教育委員会の人からは「この授業を是非学校でやってほしい」と推薦をしてもらったりしました(実際はできていませんけど)。
進学先に関しては…
これに関しては、以前に記事を書かせていただいているのでそちらをご覧ください。
かなり遅くなりましたが、大学院進学しました|いしゅー
さらなる刺激を求めてやったことは?
大学院進学が決まってから、その夏休みは合宿系に参加すことを辞めた私は何をしたのかというと、研究集会と「数論幾何学のアトリエ Summer 2024(Spaces and perfectoids towards a perfectoid Siegel modular space
Atelier de Géométrie Arithmétique)」、そして「日本数学会(幾何学)」に参加しました。大学で数論幾何学に興味がある同期がいなかったので、外部でそういうような交流をしてみたかったということがあって、このような勉強会に参加させていただきました。perfectoid spaceや位相群についてはspmAd4thでp進Hodge理論を勉強するときに少し触れていたということもあって、その延長線上で勉強していました。ただ実際にRIMSに行ってみると、日本とフランスのハイブリッド授業みたいな形で1人を除いて、それ以外は全く勉強したことが無いところを英語で話されていて、この勉強会に参加してから「英語で勉強しなきゃいけないな」という危機感がありました。
さらに、その2週間後にRIMSで「カラビヤウ多様体」について研究集会に参加しました。この研究集会に関しては、上のアトリエに参加していた1つ上の先輩(そのとき初対面)が、私が1度ホモロジカルミラー対称性についてお話をさせていただいたときに、外部の大学院でのミラー対称性の研究をしている先生についていろいろ教えていただきまして、その時に「8月にRIMSで研究集会があるから、もし来られるなら是非」と言ってくださったので参加しました。そのときまでミラー対称性の話では「ホモロジカルミラー対称性」についてしか知らなかったので、カラビヤウ多様体の研究の幅がさらに広がったなと感じました。特に、「BPS cohomologyとtopological K-theory for derived categoryが同型であること」を知れたことが面白くて、モジュライの話と2‐圏の話についてもしっかり知りたいなというモチベーションが湧きました。
さらに夏休みにもう一個行ってきたものがあります。それが「日本数学会」の講演です。これに関しても、また同じお方から教えていただきました。ここでは、先ほど書いた「カラビヤウ多様体」の研究集会で講演をされていた先生がまた講演されるということで参加したのですが、代数幾何で出てくるブローアップと量子コホモロジーの関係について講演をされて、同変量子コホモロジーのフーリエ解析による分解定理の証明の話をしてくださったり、数学的なゲージ理論の話もあったり、Classical mirror symmetryについて背景から、カラビヤウ多様体のモジュライ空間についての研究が躍進しているということについていろいろ知ることができました。
最後に年明けてからの話にはなりますが、年明けて割とすぐに「代数的整数論とその周辺」という私の専攻につながりがある研究集会があって、1週間全ての先生の講演についてしっかり聞きに行きました。私はモチベージョンとして数論トポロジーに興味があるということもあって、3次元トポロジーと整数論との間でinteractionがあったり、さらに物理の世界ともそれぞれQuantum topology、Arithmetic TQFTの関係があるというモチベーションがあるということを講演の中で実感して、数学の世界と物理の世界は全く別の世界というわけではなく、実はかなり親密な関係があることに対してかなり興味がさらに出てきました。またそこで出会った方々といろいろお話しできて、院生ではさらに数論のイベントに参加できたらなと思っています。
最後のspm~また逢う日まで~

つい最近の話にはなるのですが、今年の3月の上旬から約1週間、静岡県の富士山の麓でspm28th, spmAd6thに行ってきました。spmAd6thに関しては、数論班として参加しまして、そこでは「虚数乗法論」を勉強しました。そもそもどういう分野なのかを定義を用いて説明しますと、
複素数体$${\mathbb{C}}$$上の楕円曲線$${E/\mathbb{C}}$$が虚数乗法を持つとは,$${E}$$が$${\mathbb{Z}}$$より真に大きい自己準同型環$${\text{End}(E)}$$を持つことをいう.
というものです。「準同型」というからには、何がしかの演算を保存するわけですが、楕円曲線には「加法」の演算が入ります。つまり、楕円曲線上の2点$${P,\hspace{1mm}Q}$$において準同型写像$${\phi}$$を用いて
$${\phi(P+Q)=\phi(P)+\phi(Q)}$$
が成り立つものです。また具体例で準同型として「$${n}$$倍写像」があります。
$${[n]P:=P+P+⋯+P\hspace{4mm}n\text{回}P\text{を足している}}$$
と定義すると $${[n]}$$は楕円曲線上の点を$${n}$$倍する写像となります。ここでいう$${n}$$は$${\mathbb{Z}}$$の元のことです。これでもし、$${[n]}$$と書けないもののタイプの準同型を持つ楕円曲線があれば、そのような楕円曲線は「虚数乗法を持つ」というのです。
話を戻すと、この分野に関しては1年前に参加したspmAd4thで別の班で「虚数乗法論」についてリレーセミナーをやっていたのですが、その分野について初めて知って、「次の合宿のときにはゼミをやってみよう」という気持ちになったのです。アーベル多様体、楕円曲線のことについては「ミラー対称性」の研究でも使われていることもあって、知っておいて損はないのかなと思っていました。セミナー中にMain Theoremについて紹介、かつ証明について触れたのですが、やっぱり難しかったです。
spm28thの方は学部生しか参加できないので、この回で最後の参加となりました。ここでは、代数幾何学についてリレーセミナーでハーツホーンの「代数幾何学1」を読みました。ここでは、班員の中で「スキーム論」をやりたい人と「層の理論」をやりたい人と分かれていたので、両方について両方について触れていきましたが、だんだん話を進めていくことにそれぞれの立場になって考えるようになって、専攻でやろうとしている数論では「ガロア表現」ではスキーム論の知識は必須で、自主的に勉強している「ホモロジカルミラー対称性」について連接層を圏の言葉で表したり、その層がねじれているのかという話をする必要があるので、どういうところで扱われているのかというのを知ることができました。さらにここでは、特別講演で「Homological Mirror Symmetry in low dimentions」についてお話をさせていただきました。合宿参加者全員に講演させていただいたのですが、どういう発表をしようかという構成を合宿中の進捗部屋の中で考えることが多くて、寝られない日がずっと続きました。圏論の基本的な話をすると発表時間が60分しかないということもあってできなくて、自分が事前に作っていた資料を前日に連絡を入れました。内容としては正直無づかしいものになってしまったのですが、「圏論を使うとこういうことができるんだ」という新しい発見ができるようになってもらえたいなと思っています。この場を借りてにはなりますが、班の人、宿泊部屋で一緒になった人、さらに私と一緒にお話をした人もたくさんできて、めちゃめちゃ楽しかったです!!しばらくは数物lossになりそうなくらいです。というか、まだまだいっぱい喋りたいのです!特に関西にいる方や、関西に用事のある方はまたお会いしましょう!
最後に
かなり長いお話になりましたが、最後までご愛読していただき誠にありがとうございました。みなさんも、これから新しい生活が始まると思いますがこのような経験をした私のように、何かしらコンプレックスを抱えてしまった状態からどのようなことをすればいいのかを一旦立ち止まってから考えてみてもいいのかもしれません。自分一人で考えこむだけだと、進歩はあるかもしれないのですがそこまで上手いようにいくとは限りません。困っていることに対していろいろ話せるような人とのつながりを広げていくということをやってみると、自分が知らなかったことについて共有することができて、自分の世界の見方を変えることができるようになります。私も現時点ではまだまだ足りていないところが結構あったりするので、お互いの人の良さについて知って、そしていいところをどんどん吸収していきましょう!
今まで読んだ本(学校の教科書・論文は除く)
もしかしたら、抜けている本もあります。
「解析概論」(高木貞二)
「集合・位相入門」(松坂和夫)
「テンソル代数と表現論」(池田岳)
「多様体の基礎」(松本幸夫)
「トゥー多様体」(Loring W. Tu)
「初等整数論」(山崎隆雄)
「代数学1 群論入門」(雪江明彦)
「解析力学」(畑浩之)
「基礎統計学 統計学入門」(東京大学教養学部統計学教室)
「代数学1 群と環」(桂利行)
「代数学2 環と体とがロア理論」(雪江明彦)
「Dynamic Asset Pricing Theory」(Duffie)
「Finantial Calculus」(Martin Baxter)
「可換代数入門」(Atiyah-MacDonald)
「代数的整数論」(Neukirch)
「楕円曲線と保形形式」(Kobriz)
「Category Theory in Context」(Emily Riehl)
「An Introduction to $p$-adic Hodge Theory」(Benis Benois)
「統計力学I」(田崎晴明)
「層とホモロジー代数」(志甫淳)
「数物系のための圏論」(梶浦)
「Algebraic Geometry and Arithmetic Curves」(Qing Liu)
「代数的整数論入門」(藤崎源二郎)
「数論序説」(小野孝)
「圏論の技法」(中岡宏行)
「数理科学2018年10月号 特集・カラビ・ヤウ多様体 その多彩な姿に迫る」(森平敏孝)
「幾何学から物理学へ」(谷村省吾)
「物理系のための複素幾何入門 多様体、微分形式、ベクトル束、層、複素構造とその変形」(秦泉寺雅夫)
「数物系のためのミラー対称性入門 古典的ミラー対称性の幾何学的理解に向けて」(秦泉寺雅夫)
「Algebraic Geometry」(Robin Hartshorne)
「Complex Multiplication」(Serge Lang)
「Symplectic Invariants and Hamiltonian Dynamics」(Helmut Hofer, Eduard Zehnder)
「Mirror Symmetry」(Kentaro Hori)
「Fourier-Mukai transforms in algebraic geometry」(D. Huybrechts)
「重点解説 岩澤理論」(福田隆)
