「失敗したら死ぬ」——北海道・太田神社本殿へ。2度登って分かった、日本屈指の険しい参拝
「失敗したら死ぬ」——北海道・太田神社本殿へ。2度登って分かった、日本屈指の険しい参拝
北海道を旅していて、今でも強烈に記憶に残っている場所があります。
それが、北海道せたな町にある太田神社本殿⛩️。
神社へ「参拝する」という言葉から想像するような場所ではありません。
長い石段、急斜面、ロープ、梯子、崖沿いの足場。
そして最後に待っているのが、岩壁を登る鎖場。
私はここへ、これまでに2回登りました。
同じ神社なのに、1回目と2回目ではまったく違う登山になりました。
⸻
⛩️ ここ、本当に神社なのか?
道路沿いにバイクを停めると、目の前には大きな鳥居。

その奥を見ると……
いきなり山へ向かって一直線に続く、とんでもなく急な石段。

「ここを登るの?」
最初からそんな感じです。
しかも、これはまだ序章。
この先に待っているものを、この時はまだよく分かっていませんでした。
⸻
1回目——ほとんど普段着。完全に甘く見ていた
最初に登った時は、今考えると完全に準備不足でした。
手袋なし。
飲み水なし。
服装もほとんど普段の格好。
「神社へ参拝する」
そのくらいの感覚だったんでしょうね。
ところが石段を登り終えて山へ入ると、雰囲気が一変します。
木の根がむき出しになった急斜面。
滑りやすい土。

ロープをつかまなければ登れない場所。
さらに進むと、梯子のような足場まで出てきます。

「これは参拝じゃなくて、ほとんど登山だな……」
途中からそんなことを考えていました。
⸻
それでも、ここまで来たら行くしかない
登れば登るほど道は険しくなります。
普通の登山道というより、
「登れるところをロープにつかまって登っていく」
そんな感じ。
足元を滑らせれば、ただでは済まない場所もあります。
それでも、
「ここまで来たんだから、本殿まで行きたい」
その気持ちだけで先へ進みました。
⸻
そして現れた、崖に張り付くような鉄の足場

さらに進むと、岩壁に沿って設置された鉄製の足場が現れます。
海側はかなりの高さ。
しかも古く、錆びている部分もある。
足元を見ると……
なかなか怖い。
景色は素晴らしいんです。
日本海を見下ろす絶景。
でも、
景色を楽しむ余裕と、足元から目を離せない緊張感が同時にやってくる。
そんな場所です。
⸻

最後の鎖場で、本気で考えた
そして本殿直前。
目の前に現れたのが岩壁です。
そこには鎖と、岩に打ち込まれた鉄の輪。
上を見る。
かなり急。
いや……
ほぼ壁。
ここで初めて立ち止まりました。
「これ、登るのか……」
そして頭に浮かんだのが、
「失敗したら死ぬな」
ということ。
冗談じゃなく、本当にそう思いました。
少し躊躇しました。
ここまで来たんだから登りたい。
でも、無理して落ちたら洒落にならない。
しばらく考えました。
そして……
「ここまで来たからには登る!」
鎖と鉄輪をしっかり握り、一歩ずつ登りました。
⸻
岩穴の中にあった、小さな本殿
鎖場を登り切ると、岩の中に小さな祠があります。
太田神社本殿。

派手な建物ではありません。
むしろ、驚くほど小さい。
でも、ここまで苦労して自分の足で登ってきた後に見ると、その小さな祠がものすごく特別に見えます。
そして振り返れば……

眼下に広がる日本海。
山の緑。
断崖。
「登ってきたんだなぁ……」
しばらく眺めていました。
この時の達成感は、普通の観光地ではなかなか味わえません。
⸻
そして2回目——今度は準備万端
一度あれだけ大変な思いをしたのに……
また登りました(笑)
さすがに2回目は学習しています。
1回目とは違い、装備も水分も準備して挑戦。
今回は大丈夫だろう。
そう思っていました。
ところが……
今度の敵は気温と湿度でした。
蒸し暑い。
汗が止まらない。
体力がどんどん削られていきます。
途中でヘロヘロ。
「もう引き返そうかな……」
本気で何度も思いました。
⸻
しかも、グレーチングが……
なんとか進んで、以前通った岩壁沿いの足場へ。
ところが……
グレーチングが壊れてる😱
「前より怖くなっとるやん……」

足元には、
「足元に注意」
の看板。

いやいや……
言われなくても十分注意します(笑)
錆びた鉄骨、傷んだネット、ロープ。
そして下を見れば山と海。
この場所では、一歩一歩確実に進むしかありません。
⸻
再び、あの鎖場へ
そして2回目も最後の岩壁へ。

一度経験しているから怖くない……
なんてことはありません。
むしろ、
一度経験しているからこそ怖さが分かる。
鉄輪に手をかけ、足場を確認。
焦らない。
一歩ずつ。
そして……
2回目の登頂成功!
再び本殿までたどり着きました。


⸻
太田神社は「参拝した」より「登頂した」が似合う
普通の神社なら、
鳥居をくぐり、参道を歩き、本殿で手を合わせる。
太田神社は違いました。
石段を登り、
山へ入り、
ロープを握り、
梯子を登り、
崖沿いを進み、
最後は鎖場を登る。
だから私は、
「参拝した」より「登頂した」
という感覚の方が強いです。
しかも私はこれを2回。
1回目は準備不足。
2回目は準備万端だったものの、暑さと湿度にやられました。
それでも2回とも本殿まで行けた。
だからこそ、この場所の思い出は特別です。
⸻
「ここまで来たから」だけでは登らないでほしい
ただし、これだけは書いておきたいと思います。
太田神社は、誰にでも気軽に「おすすめ!」と言える場所ではありません。
写真を見ても分かる通り、普通の神社参拝とは条件がまったく違います。
特に雨天や雨上がりは、岩や土、木の根、鉄製の足場などが滑りやすくなります。
私自身、1回目は装備不足でした。
今振り返れば、
「よくあんな格好で登ったな」
と思います。
そして最後の鎖場で感じた、
「失敗したら死ぬ」
という感覚。
あれは忘れられません。
「せっかくここまで来たから」
その気持ちはよく分かります。
私自身がそうでしたから。
でも、山では引き返す判断も登山のうちだと思います。
⸻
それでも、忘れられない場所
危険だった。
キツかった。
何度も「もういいかな」と思った。
それでも本殿へ到着した瞬間、
全部吹き飛びました。
小さな祠。
岩壁。
眼下に広がる日本海。
そして、
「自分の足でここまで登ってきた」
という感覚。
有名な観光地へ行って写真を撮るのとは、まったく違う達成感があります。
しかも私は2回登った。
たぶん、これから北海道を何度旅しても、
太田神社本殿は忘れない場所の一つです。
「また3回目も登る?」
そう聞かれたら……
今のところ、
2回登ったから、もう十分かな🤣
と言っておきます(笑)
でも目の前にあの鳥居が現れたら……
また上を見てしまうんでしょうね。
⸻
太田神社本殿⛩️

険しい道の先にある、小さな祠。
楽な場所ではない。
むしろ、かなりキツい。
でも——
登り切った時の達成感は半端ない。
私にとって北海道で最も強烈な記憶を残した神社です。
