遺跡をゆく(千葉県木更津市:金鈴塚古墳) 26007
純金の鈴が出土した唯一無二の古墳
金の純度が98%以上の鈴が出土しているのは国内では金鈴塚古墳のみで、そのほかにも見事な装飾大刀が17振り以上も単一古墳から出土しているという点も魅力的です。
金鈴塚古墳にはJR内房線の木更津駅から徒歩で行くことができます。
木更津駅から北に進み、県道90号線に出て右折した後、少し北に入った住宅街の中にあります。(所要約15分)
因みに付近の道は狭く、駐車スペースはありません。
金鈴塚古墳は6世紀末の前方後円墳ですが、周辺の開発とともに破壊され、現在は後円部の一部が残されるのみです。(本来であれば墳丘長は約90m、周溝外側までは全長約140m)

道から石室の入口が見えますが、石室に近寄ることはできません。今後とも風化が心配されそうな簡易な施設です。
石室は南の富津市でとれる軟質砂岩を積み上げて造られ、石棺は埼玉県寄居町の荒川流域でとれる緑泥片岩で造られているそうです。


1950年の発掘調査で多くの遺物が出土し、現在は木更津市郷土博物館“金のすず”で展示されています。

金鈴塚古墳から“金のすず”までは徒歩で15分程度ですが、途中にある稲荷森古墳を見ていくことにしました。
稲荷森古墳も前方後円墳ですが、現在は前方部の一部を残すのみで、上部には稲荷神社が建っています。

木更津市内には金鈴塚古墳と稲荷森古墳の他に高柳銚子塚古墳があり、この3基だけが墳丘の一部をとどめているようです。いずれも100m前後の古墳であったようです。
さて、郷土博物館“金のすず”は標高44mの太田山<おおだやま>公園にあります。展望施設“きみさらずタワー”(名称は日本武尊と弟橘媛の伝説に因む)があり、また、桜の季節には花見で訪れる人も多いようです。
“金のすず”は入館無料で、展示室には金鈴塚古墳の素晴らしい副葬品が展示されています。

金の鈴や多数の大刀などが出土しており、国の重要文化財に指定されていますが、個人的には国宝クラスの遺跡と評価したいところです。







博物館としては、金鈴塚古墳の出土品以外に、この地域の旧石器時代から近現代までの展示や説明が充実しています。




また、 “きみさらずタワー”(高さ28m)からの眺望も素晴らしく、古来、木更津が海上交通の要衝であったことが理解できます。

木更津市は、駅の西側には狸ばやしで有名な證誠寺や、木更津港に浮かぶ中の島にかかる日本一高い歩道橋などの観光スポットがあり、駅の近くにはレトロ感覚の喫茶店やレストランもあります。そのうちの一つで昼食をとりましたが、家族連れや若い人たちも利用しているようで、生活の伝統が受け継がれている感じがします。


さて、しばらく東京都や千葉県の遺跡が続きましたが、次回は西に向かい、百舌鳥古墳群の空撮を紹介したいと思います。
