おやすみBGMが流れる夜に、息子のための物語を考える
わが家の夜には、アラーモから息子のお気に入りのお休みBGMが流れている。
電気を消した薄暗い部屋に、お休みBGMと時々夫がこっそり見ているYouTubeの音楽が流れる。非常にカオスだ。だがその一見合わないような音楽の混ざり方の中、息子は眠る。
親が寝かしつけていた頃とは違い、アラーモからお休みBGMが鳴る時間になったら自分で布団に入り、眠る前のルーティンを作っている。
電気を消す前に『おしりたんてい』を繰り返し読む。
私の伯父から誕生日にもらう図書カードは、彼のおしりたんてい全巻制覇に使われている。
そして、日によって若干カオスなお休みBGMで息子は眠る。
幼い頃は毎日を回すことが精一杯で、いつかこの子が自分で本を選び、好きな物語や、BGMに囲まれて眠る姿までは想像できなかった。
マイクラとマリオと本が大好きな子に育った息子は、図書館が好きで、学校でも図書委員会に所属して、図書室で委員会の仕事をしているらしい。むしろ、図書委員をやるほど読書好きに育つとは、母も思わなかった。
図書館に行くと、彼は自分の読みたい本を選び夢中になって読んでいる。
そんな姿を見ていると、自分でもこの子が楽しめる話を書いてみたくなった。
謎があり、少し笑えて、難しいところで置いていかれない物語。発達特性について説明する本ではなく、特性があっても自然に物語の中に入って行ける本。
私は彼の姿を見て、どんな主人公がいいだろう。どんな事件を置こうか、こんな謎を散りばめるのもいいかもしれないと少しずつ考える。
息子と同年代の高学年の男の子が主人公の物語がいいだろうか。
普段は公募や書籍化、その先にいる読者を考えて物語を書いている。
しかし、まだ一文字も書いていないこの物語には、すでに読んでほしい相手がいる。
相手は息子だ。笑って夢中になってくれるのか。途中で飽きるのか。「ここわからない」と容赦なく指摘されるのか。
お休みBGMが終わり、息子がすぅすぅと寝息を立て眠ったあと、私はスマホを立ち上げひとつだけメモをする。
息子の好きなものや反応を見ながら、まだない物語を、目の前にいる読者に向けて少しずつ育てていく。
そして、私も眠りにつく。息子のために書くジュニア向けの物語を考えながら。

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