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hiiro_archive153
月と花火を全力で楽しむ10歳児
先週末、住んでいる地域で祭りがあった。
うちの息子は平成末期生まれコロナ禍育ち小学生。
小さい頃はコロナ禍でお祭りは無縁だったし、保育園の行事もほぼ中止だった(お泊り保育もなかった)。
そんな息子が初めて体験するお祭り。
出店でマンゴーかき氷を買って満面の笑みで会場の隅に腰を下ろす。
しゃく……しゃく……
スプーンで嬉しそうにすくって食べる息子にお祭りを体験させてあげられてよかったと思う私。
祭りの最後を飾る打ち上げ花火。
花火が打ち上がっている方へわーっと駆け出す子どもたち。
もちろん、うちの息子もニコニコと駆け出す。
「お母さん、花火、音うるさいー!」
と言いながら目はキラキラしていた。
『祭りの夜飾る花火の 輝きと 走る子どもの まなこかがやく』
*
そして昨日。
夜、突然息子がカーテンを開けて夜の空を見上げた。
「……何してるの?」
と息子に尋ねると
「お月(月を息子はこう言う)!お月きれい!」
窓の方に寄り暗い空を一緒に見上げた。
満月が夜空にまばゆい光を放っていた。
息子は息子なりに全力で季節の変わり目を満喫しているな、と感じた。
初めて体験した本物の祭りの空気。
そしてまばゆく輝く満月の観察。
大人になって忘れかけてた五感で感じる季節の感覚。
それを息子は教えてくれた気がした。
――と感慨にふけっている横で息子はSwitchで趣味のマイクラに戻っていた。
おい、母ちゃんの感動を返せ。
まぁ、こんなのもいっか。
私はその横でマイクラに興じる息子の横顔をスマホのカメラに残した。

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