回復期看護師の現場メモ〜紙コップよ、お前が運べない😑
これは、前腕支持型歩行車にプラスチックのコップをつけただけの話です🤣
そして単なる便利グッズの話ではなく、生活行動を最後まで成立させる環境調整の話です。
まずは歩行車歩行が自立になった
私の担当患者さんが、病棟内の移動が前腕支持型歩行車歩行で自立になりました。前腕支持型なんて言うと難しく聞こえますが、みなさん病院でご覧になったことがあるのではないでしょうか?
U字になってるアレです。
脳卒中後遺症で足や体の筋力が弱かったり、骨折などの痛みで足にじゅうぶん体重をかけられない患者さんは、歩行車のU字部分に腕を乗せて、体を預けながら歩行します。
病棟内ADLは拡大したけれど…。
病棟には、患者さんが自由にお茶を飲むことができる給茶機があります。ボタンをポチッとすれば、数秒後に紙コップにお茶とかコーヒーが用意されるアレです。
さて。
移動は補助具使用で自立。
給茶機は食堂に1台のみ。
ボタンを押して紙コップを持つことはできる。
好きなタイミングで飲みたい。
『温かい』も『冷たい』もでるから、気温や好みに合わせて自分で選択したい。
そして、ここは回復期。
家に帰ったら自分で水分補給ができるように、入院中から習慣化させたい看護師の思惑もあります。
でも紙コップを持つと、歩行車を両手でしっかり持つことができないんですよ。
危なーい!💦転倒のリスクが頭をよぎります😫
どーする??
紙コップよ…お前が運べない…。
ピコーン💡!!
じゃあ歩行車に紙コップが置ければいいんだよね?!
そして私は取り付けた
歩行車に、プラスチックのコップを取り付けました。
コップの取っ手を養生テープでぐるっと固定するだけの、ものの数十秒で終わる作業です。
給茶機が来たことで使わなくなった病棟コップの墓場から1つ取り出して、養生テープで固定しただけ🤣

あら、不思議✨️
ドリンクホルダーの完成です✨️
導入コスト0円🤭
これはいい〜!と思って、もう一人の担当患者さんの歩行車にも取り付けました。
うん。なかなか便利そう。
そこまではただの自己満足と、患者さんが『安全にお茶を運べたらいいな』という、軽い気持ちでした。
患者さんも『とっても便利』と言ってくださいました✌
それから1ヶ月くらい経った頃。
私がホルダーを取り付けた患者さん以外にも、歩行車にコップが取り付けられているのを見て、『便利だってほかのスタッフも思ったんだね』と、その光景をほほ笑ましく見ておりました。
でも、ある日。
右を見ても左を見ても、なんなら後ろを見ても、同じようなホルダーが増殖していて――私はそっと思いました。
……誰が増やした?
最初の患者さんが、便利グッズとしてほかの患者さんに紹介した結果、ほかの患者さんが『え〜?自分も欲しい!』と言って、担当にお願いして取り付けてもらったようです🤣。
そんな流れで、ちょっとした思いつきが病棟でうっかり流行ってしまった……。
なんならほんの冗談だったのに……。(真剣には考えましたよ?!)
私のポーチの標準装備
現場の“ちょっと困る”を、生活行動が成立する形に変える工夫。
私のナースポーチには、ビニテと養生テープが標準装備されています。舞台監督かADさんかと思われるかもしれませんが、私は回復期リハ認定看護師です😑
回復期は今日もだいたいーー。
歩ける。ボタンも押せる。飲みたいものも選べる。
でも、紙コップを運べなければ「自分で飲み物を取りに行く」は成立しません。
ADLは、動作の一部分だけではなく、生活として最後までできなければ自立したとは言えません。
だから、たったひとつのホルダーでも、その人の「自分でできる」を広げることがあります。
紙コップよ、お前が運べない。
(何回でも言う🤣🤣)
ならば、運べる環境を作ればいい。
回復期病棟は、今日もだいたい養生テープで回っています。
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