やっぱり本が好きだ!ありがとう、たまがわBOOKフリマ
「たまがわBOOKフリマで小説を売ろう!」
そんな決意を胸に出店するも、開店時間から30分経っても本が1冊も売れない。
やっぱり小説は売れないのか?
1冊も本が売れなかったらさびしいので、保険として家から持ってきた『大長編ドラえもん』の漫画の文庫本を試しに前に出してみた。
すると、あっという間に売れた。
やっぱりドラえもんはすごい!
「漫画しか売れませんでした!ってなったら、笑い話になるね…」と店長の私が、隣にすわる営業部長の夫と自虐的に話していると…
「200円って安くないですか?」と、文庫本を2冊手にしているお客さんが立っていた。
よく見ると、お客さんが手にしていたのは、先日営業部長が誤ってお茶をこぼしてしまった、野﨑まどさんの『タイタン』だった!

未来をユートピアとして描く画期的で面白い小説
BOOKフリマにもってきた本はほとんどがきれいな本だったが、この本だけは違った。角に水濡れの跡がある。でも捨てるのはもったいなくて、もってきた本だった。新しく買い直した本は家にある。
「あの、すみませんこの文庫本、お茶のシミがあるんですけど、大丈夫でしょうか?」
と恐る恐るきく。営業部長も
「お茶をかけたのは私です、すみません」
と謝っている。
「こちらは申し訳ないのでお安くします、いいですか?」
と私はさらに恐る恐るきくと、
その方は「買います」と…
「ありがとうございます!」
私たちは買ってくださったお客さんに深々を頭をさげた。
はじめて小説の文庫本が売れた!
とても嬉しかった。
そこから、私のお店の本を見てくれる人が増えた。
すると、営業部長が私に、
「店長、もっとお客さんに話しかけてみたらいいと思う」と真面目な顔で話す。
「えっ、私だったらじっくり選びたいから、ほっといてほしいと思うのだけど…」
「いや、営業は会話から始まるから。本のことをもっと話したらいいよ。ここはそういう場所だと思うし」
急に営業部長らしいことを言った。
半信半疑だったが、本をじっと見ているお客さんに積極的に話しかけることにした。
「短編集なので読みやすいですよ!」
「この小説、秋に映画化するみたいです」
「この物語の舞台は新幹線の車内で…私、新幹線で読みました!」
「ここにでている本、全部読んだので。なんでもきいてください」
さまざまな人に声をかけた。するとそこから、本の話に花が咲いて、買ってくださるお客さんが増えていく。
「ありがとうございます!ぜひ楽しんでください」と言葉と本を手渡すと、皆さんも素敵な笑顔を返してくださる。私は胸がいっぱいになった。
隣に立っていた営業部長がふいに、
「店長の本が好きな気持ちが、お客さんに伝わったんだと思う」とぼそっと言った。
持っていった本は、単行本10冊と文庫本30冊…合わせて40冊。
そのうちの7割、約30冊を次に読んでくれる方に手渡すことができた。
手渡した本と、受け取ってくださった人たちが、いつまでも私の心の中に残った。
皆さんに感謝、感謝です。
本当に豊かで楽しい1日でした。
そして最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました🙂↕️
おわり!
